ケーナはまあ適当に作っても結構鳴るのです。でもオカリナ型の笛はなかなか鳴ってくれないのです。たまたま良い音がするものが出来たとして、それとまったく同じように作っても、同じようには鳴ってくれないのです。鳴らぬなら鳴るまで待とうホトトギス、と言うわけにはいかず。鳴らぬならストーブに放り込んでしまえ、ではもったいない、鳴らぬならそれでいいじゃんホトトギス、で済ませてしまえばいいのですが、それでは商売になりませぬ。だから鳴らしてみせよう、となるわけなのですが。あっち削りこっち磨きしても音は段々悪くなってしまうのがおちなのです。結局大量の不良品が薪ストーブに放り込まれるのです。ある著名なオカリナ奏者は何十個オカリナを焼いても出来のよい数個をとっておいて残りは全部割ってしまうそうな。熱烈なファンがそのかけらを集めてジグソーパズルよろしく組み立てて接着剤で固めた、と言う涙ぐましいことをした、と聞いたことがあります。それはともかく、鳴らぬなら原因があるはず、と胴体の形状を変えたり、歌口をもう一工夫、塗料の塗り方を慎重に、など一つ一つ改良して研究していくのです。そこには理屈など微塵もなく、まったく手さぐりの世界なのです。職人技とはこうして磨かれていくのだろうけれど、なんだか鳴らぬならそれでいいじゃん、になってしまいそう。これじゃ特許も取れんワイ。
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