韓国史劇「ホ・ジュン」

以前、途中まで観たきりになっていた韓国史劇「ホ・ジュン」を観ています。

■韓国史劇「ホ・ジュン」予告

実在した人物のドラマはこれまでもいくつか観てきましたが、このドラマも
とても面白いです。

＜史実＞父許碖（ホ・ユン、허윤）と母一直孫氏の間に庶子として生まれた。
　　　　出生地は諸説あって定かではない。
　　　　父と祖父の許琨（ホ・ゴン、허곤）はともに武官であった。
　　　　宣祖の時、医科を受験して内医院に入り（雑科を受験せず推薦で内医院に入った
　　　　とする説もある）、王室の病気治療で功を立てた。

　　　　1592年、壬辰倭乱（文禄の役）が勃発すると、御医（王の主治医）として
　　　　義州にいたる逃避行に追従し、1604年、忠勤貞亮扈聖功臣3等の論功を受け、
　　　　1606年には、陽平君（ヤンピョングン）に封じられた。
　　　　1608年、宣祖の死の責任を取り、流刑に処されたが、翌年には光海君によって
　　　　呼び戻された。
　　　　1610年には、朝鮮第一の医書として名高い『東医宝鑑』を完成させている。




■韓国史劇「ホ・ジュン」
16世紀中期の朝鮮時代、愛人の子として生まれ、密貿易・身分違いの結婚という
大罪を犯したホ・ジュン（許浚）が、逃亡先で師匠となるユ・ウィテ（柳義泰：
架空の人物）と出会ったことによって、「心医」の道を志す。

さまざまな困難に苦戦するが、自分の正しさを信じ、自らの道を突き進む強い意志
の持ち主。
献身的な治療で、多くの人々を救うためにひとつでも多くの病の治療法を見つける
ためにホ・ジュンは奮闘する。


ドラマの中で人体や医療に関する教えや考え方が出てきて興味深いです。
特に、人体を宇宙と同じと考えるセリフが度々出てきました。
20話で

　人体は陰陽五行と通じている
　天地の気と相応せねば　生命を維持できぬのです
　
　宇宙の根源も　また生命根源もしかり
　通則不通　不通則通

　気が通ずれば痛まず
　通じざれば痛むものです

ホ・ジュンが一生懸命、師匠のユ・ウィテの下で勉強する姿は一途でした。
医院を追い出されても、独学で医術を学びます。
その中にも

　天には24節気があり　人には24愈（ゆ）がある　※24の経穴　脈のこと

　天が365度であるように　人には365の関節がある
　
　病を治すには　まず患者の心を癒やせ
　患者の持つ疑いの念や心
　雑念を取り除き　心身を楽にすること

　身体を自然に委ねるのだ
　心と天を一体化すれば
　心が落ち着いて穏やかになり　病が癒える



病は気からと言いますが、本当にそうなのだなと感じました。
続いて

　天に四季があるように　人には四肢がある　※人間の両手と両足
　天には五行があり　人には五臓がある　

　※五行：万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなるという説

　天には六極　人には六腑　
　
　※六腑：大腸・小腸・胆(きも)・胃・三焦(さんしょう)・膀胱(ぼうこう)の六つ

　天には九星があり　人には九竅（きゅうきょう）がある
　※九竅：人や哺乳 (ほにゅう) 動物の体にある九つの穴
　　　　　口・両眼・両耳・両鼻孔・尿道口・肛門 (こうもん) の総称
　　　　　九穴、九孔

　天には十二時があり　人には十二経脈がある
　※経脈：鍼灸（しんきゆう）治療の基礎になっているもの
　　経絡とは経脈と絡脈の総称であり，想像上の脈管系で実在は証明されていない
　　経脈は手と足にそれぞれ太陽，少陽，陽明の3陽脈と太陰，少陰，厥陰の3陰脈の
　　6本ずつ計12本(左右で24本)あり、手足の末端と6陰脈は肺，脾，心，腎，心包，
　　肝の6蔵のうちの一つずつを，6陽脈は大腸，胃，小腸，膀胱，三焦，胆の6腑の
　　一つずつを経て顔面の感覚器を結ぶとされている。

医療に関しては中国から学ぶことが多かった時代に、師匠のユ・ウィテが朝鮮人には
朝鮮の薬草を使って治療するという考えがあり、それをホ・ジュンも学んでいくところ
もとても興味深かったです。
それが後に朝鮮第一の医書として名高い『東医宝鑑』を完成する基ともなっていくのです。
この時代のほかドラマにも「ホ・ジュン」の名前はよく出て来たので観ていてとても面白いです。

50話まで観ましたが、師匠ユ・ウィテが亡くなり、遺言によってホ・ジュンが人体解剖
を行います。
この後のストーリーもとても興味深いものになっていきそうで、早く先を観たいです。