シリーズ笑える映像―掛け声ばかりの「ムード景気」、「空(カラ)景気」!
6月5日、安倍政権は、デフレ脱却のための3番目の矢である“成長戦略”を公表し、14日に閣議決定した。“民間活力を爆発させる”とし、10年間で国民総所得を150万円増やすなどとしているが、“成長戦略”公表後に日経平均株価が1万3千円を割り込む場面が見られ、市場は爆発するどころか萎んでいる。
それもそうだ。民間活力を“爆発させる”に十分な具体策に欠けるばかりか、民間頼りとなっている。掛け声だけの「ムード景気」であり、中身のない「空(カラ)景気」のようだ。
政権要路や経団連会長などは、株価の暴落は成長戦略や経済政策とは関係がないなどとしているようだが、気休めにもならない。1990年代末よりの長期の経済停滞は、バブル経済崩壊後の株価を含む資産価値の暴落によるところが大きい。要するに資産デフレで、消費も投資も萎縮した。それに消費面で追い討ちを掛けたのが、国民年金の事実上の破綻など、年金への信頼失墜だ。これらの問題は、旧自民党政権の時に生じ、問題解決を先送って来た。
そして2008年9月の米国の証券破綻、いわゆるリーマンショック後、ドル安、円高が過度に進んだ。しかし2012年10月末頃より円高傾向となり、2013年第1四半期に円高がある程度是正されたことにより、日本の輸出産業や関連の裾野産業、そして国内観光業などを中心として企業収益が回復し、それが株高の牽引力となった。そして株高は、多くの企業、団体や個人の資産価値を回復させ、局部的ではあるが消費を増加させ、資産デフレからの脱却を促し、成長軌道に載せて行くことが期待されていた。
要するに、1月以来の円安、株高は、経済回復の牽引力となっており、今後のデフレ脱却や成長に直結する要因なのである。それが分かってないのであれば、笑える。
それが現実になったように見える。“成長戦略”が公表されるや、円高、株安に転じ、経済回復の牽引力を削がれる結果となっている。安易な気休めなどを言っていると資産デフレに逆戻りする恐れさえある。
為替レートを1ドル100円から105円前後で安定させ、株価を日経平均で15,000円から2万円台に安定させることこそが長期に続いた資産デフレからの脱却と企業、団体、個人の活力を回復させる優先課題であることを認識して欲しいものだ。(2013.6.10.)
(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
6月5日、安倍政権は、デフレ脱却のための3番目の矢である“成長戦略”を公表し、14日に閣議決定した。“民間活力を爆発させる”とし、10年間で国民総所得を150万円増やすなどとしているが、“成長戦略”公表後に日経平均株価が1万3千円を割り込む場面が見られ、市場は爆発するどころか萎んでいる。
それもそうだ。民間活力を“爆発させる”に十分な具体策に欠けるばかりか、民間頼りとなっている。掛け声だけの「ムード景気」であり、中身のない「空(カラ)景気」のようだ。
政権要路や経団連会長などは、株価の暴落は成長戦略や経済政策とは関係がないなどとしているようだが、気休めにもならない。1990年代末よりの長期の経済停滞は、バブル経済崩壊後の株価を含む資産価値の暴落によるところが大きい。要するに資産デフレで、消費も投資も萎縮した。それに消費面で追い討ちを掛けたのが、国民年金の事実上の破綻など、年金への信頼失墜だ。これらの問題は、旧自民党政権の時に生じ、問題解決を先送って来た。
そして2008年9月の米国の証券破綻、いわゆるリーマンショック後、ドル安、円高が過度に進んだ。しかし2012年10月末頃より円高傾向となり、2013年第1四半期に円高がある程度是正されたことにより、日本の輸出産業や関連の裾野産業、そして国内観光業などを中心として企業収益が回復し、それが株高の牽引力となった。そして株高は、多くの企業、団体や個人の資産価値を回復させ、局部的ではあるが消費を増加させ、資産デフレからの脱却を促し、成長軌道に載せて行くことが期待されていた。
要するに、1月以来の円安、株高は、経済回復の牽引力となっており、今後のデフレ脱却や成長に直結する要因なのである。それが分かってないのであれば、笑える。
それが現実になったように見える。“成長戦略”が公表されるや、円高、株安に転じ、経済回復の牽引力を削がれる結果となっている。安易な気休めなどを言っていると資産デフレに逆戻りする恐れさえある。
為替レートを1ドル100円から105円前後で安定させ、株価を日経平均で15,000円から2万円台に安定させることこそが長期に続いた資産デフレからの脱却と企業、団体、個人の活力を回復させる優先課題であることを認識して欲しいものだ。(2013.6.10.)
(All Rights Reserved.)(不許無断引用)