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腸管出血性大腸菌感染症

2009-08-02 20:10:27 | 切明義孝ブログ
<感染症豆知識>
腸管出血性大腸菌感染症
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/weekly/2009/30.pdf

感染症法に基づく医師の届出による腸管出血性大腸菌感染症の患者および無症状病原体保有者は、平成19 年4,617 例、平成20 年4,330 例と2年続けて4,000 を超えた。毎年夏季に大きく増加しているが、人口当たりの患者数はかなりの地域差が見られ、平成20 年では東京は47 都道府県中21 番目であった。例年、患者は0~4 歳、5~9 歳の順に低年齢に多く、有症者の割合は男女とも若年者と高齢者で高い。平成20 年は溶血性尿毒症症候群(HUS)、あるいは急性腎不全による死亡例が8例報告された。
腸管出血性大腸菌は赤痢菌と同様に、少ない菌量で感染が成立する。このため、少数の菌で汚染された食品が感染源となりうる。実際に原因食品から菌が分離されて食中毒と特定される事例は少なく、食品衛生法に基づく届出があった腸管出血性大腸菌による食中毒は平成20 年には17 事件で、患者総数115 人に留まっている。しかし、過熱不十分な食品の喫食が原因と推定される症例は多く、特に幼児、高齢者、抵抗力の弱い者に生レバー、生肉、加熱不十分な食肉などを食べさせないことが重要である。また、過熱せずに食べる生野菜、漬物等の食品による集団発生事例も報告されている。調理時の二次汚染にも注意が必要である。
一方、患者や無症状病原体保有者が排泄する少量の菌で家族内感染や保育園・幼稚園・病院などの施設内感染が起こりやすいことにも注意が必要であり、オムツ交換や用便後および食事前の石鹸による手洗いなど、普段から基本的な衛生習慣を身につけておくことが感染予防に有効である。
(文責・国立感染症研究所感染症情報センター 山下和予)

詳しくは
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/weekly/2009/30.pdf


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