◇ 地方自治体も動き出す = 都道府県や市町村も財政難に苦しんでいる。総務省の集計によると、地方自治体の借金残高は15年3月末時点で200兆円を突破した。健康寿命が延びて医療や介護に対する支出が減れば、財政的にはプラスになる。そこで近年、地方自治体の間でも住民の健康維持に努力する動きがようやく活発になってきた。
最も一般的なのは、住民の運動量を増やす試み。たとえば千葉県松戸市は、08年に「健康寿命延伸都市」を宣言。市民歩こう運動を年に300回実施しているほか、熟年向き運動教室を開いたりしている。同じ千葉県の浦安市は15年から40歳以上の希望者に、歩数計を配布。歩数に応じて商品券がもらえるポイントを付けている。こうした運動は静岡県三島市や岡山県岡山市も導入した。
高齢者の病気は、心血管系疾患、ガン、糖尿病、それに認知症が多い。その予防に焦点を当てた事例は、たとえば広島県呉市。糖尿病の保健指導を6年前から実施し、実際に患者の減少と歳出削減の効果をあげている。また血圧の抑制に重点を置く自治体も少なくない。高い方の血圧が4ミリ下がると、脳卒中による死者は男性で8.9%、女性で5.8%減るという調査もあるそうだ。
青森県は13年時点で、男女ともに平均寿命が全国でいちばん短かった。県はこれを逆手にとり「短命県返上キャンペーン」を展開している。成功を祈りたい。また岡山県総社市は「国保加入者が1年間診療を受けなかったら1万円を進呈」という制度を打ち出したが、これは厚労省からストップ命令が出た。賞金欲しさに病気でも医者にかからない人が出る危険があるからだ。
(続きは来週サタデー)
≪4日の日経平均 = 下げ -229.32円≫
【今週の日経平均予想 =3勝1敗】
最も一般的なのは、住民の運動量を増やす試み。たとえば千葉県松戸市は、08年に「健康寿命延伸都市」を宣言。市民歩こう運動を年に300回実施しているほか、熟年向き運動教室を開いたりしている。同じ千葉県の浦安市は15年から40歳以上の希望者に、歩数計を配布。歩数に応じて商品券がもらえるポイントを付けている。こうした運動は静岡県三島市や岡山県岡山市も導入した。
高齢者の病気は、心血管系疾患、ガン、糖尿病、それに認知症が多い。その予防に焦点を当てた事例は、たとえば広島県呉市。糖尿病の保健指導を6年前から実施し、実際に患者の減少と歳出削減の効果をあげている。また血圧の抑制に重点を置く自治体も少なくない。高い方の血圧が4ミリ下がると、脳卒中による死者は男性で8.9%、女性で5.8%減るという調査もあるそうだ。
青森県は13年時点で、男女ともに平均寿命が全国でいちばん短かった。県はこれを逆手にとり「短命県返上キャンペーン」を展開している。成功を祈りたい。また岡山県総社市は「国保加入者が1年間診療を受けなかったら1万円を進呈」という制度を打ち出したが、これは厚労省からストップ命令が出た。賞金欲しさに病気でも医者にかからない人が出る危険があるからだ。
(続きは来週サタデー)
≪4日の日経平均 = 下げ -229.32円≫
【今週の日経平均予想 =3勝1敗】