経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

自己矛盾に陥った NY市場

2023-06-27 07:50:18 | 株価
◇ 景気後退は本当に来るのか = FRBと株式市場の不思議な綱引きが続いている。FRBのパウエル議長は先週、議会で「FRBの大勢は年内あと2回の利上げに傾いている」と証言した。ところが市場の大半は、この発言を疑って聞いている。理由は「夏の終わりから秋にかけて景気は後退期に入る。だから7月の利上げはあっても、9月はない。あとは年内に利下げがあるかどうかだ」という次第。

だが現状からみる限り、アメリカ経済がいつから後退を始めるかは判然としない。GDPの7割を占める個人消費は、まだ堅調。小売り売上高の推移をみても、ことし2-3月よりも4-5月の方が活発になっている。雇用の状態をみても、景気が下降に向かっている兆候は出ていない。ただ最近は先行きの業況判断調査で、下向きの結果が多く出ていることは確かなようだ。

にもかかわらず、市場では「景気後退がやってくる」という観測が圧倒的に多い。景気の悪化が確実になれば、FRBも金融引き締めの手綱を緩めるという期待が強いためかもしれない。もし本当に景気後退に陥ると予測するならば、株価はそれを予知してもっと下げなければならないはず。株価が高値圏から下がらないのは、市場が本当に不況が来るとは考えていないからだという専門家の説明さえ現われた。

株価がそれほど下がらなければ、そのこと自体が消費を押し上げる材料になる。だから株価が高値圏にある間は、FRBも引き締めを続けるのではないか。そこまで考えると、市場は全く自己矛盾に陥ってしまう。もっとも、こうした考え方は古き良き時代のもの。いまのようなカネ余り時代では、「景気後退でも株価は下がらない」というのなら話は別だが。

        ≪26日の日経平均 = 下げ -82.73円≫

        ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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