https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC191SK0Z10C23A6000000/
昔からアイデアとしてはありました。余分な電力
でフライホイール(弾み車)を廻して、電力が不足
したときに、その回転力で発電機を廻して発電する
というものです。幾つかの鉄道会社で検討や実験を
行っていたと記憶しています。
電車が発車する際に、数百アンペアの電流が必要
になります。今度電車を利用する際には、運転席に
かぶりついて、電流計を見てください。針がギュン
と跳ね上がります。逆に止まる時は、今どきの電車
は発電ブレーキを搭載していますから、このときも
数百アンペアの電流(止まるときの方が若干電流は
小さい)が流れていることが判ります。
ブレーキの際に発電したものは、二通りの方法で
処理します。一つは、車体下部の抵抗器で熱に変換
して大気に放出しています。窓を開けていて、電車
が停まったときに、”モワッ”と熱風を感じたことは
ありませんか?その熱がブレーキによるエネルギー
の放出=ブレーキが掛かるのです。動作はほぼ安定
しています。
もう一つの方法は、線路の上の架線を通して、他
の電車のエネルギーとして利用する”回生ブレーキ”
というのもあります。エネルギー有効利用とすれば
この回生ブレーキが望ましいのですが、同一線路上
に他の電車がいなければ、ブレーキとして利用でき
ません。つまり、多くの電車が線路上で運転されて
いることが必須なのです。
そこで、この電力でフラーホイールを廻し、必要
なときに発電しようというわけなのです。負荷変動
の激しい各鉄道会社の悲願でもあるのです。
実際にフラーホイールで蓄電するためには、軸受
を磁気で浮かせて摩擦を無くしたり、ホイール容器
を真空にして、空気による回転ロスを減らすなどの
工夫も必要です。更に、効率よくするため、回転数
を上げる必要がありますが、あまりにも高速に回転
させると、ホイール自体が遠心力で分解してしまう
可能性があります。そのためには、ホイールを軸の
周りを太くし、周囲部を薄くして、ソロバンの玉の
ような形状にする必要もありそうな気がします。
フラーホイールの質量が大きかったり、回転数が
高い、あるいは回転が変動する場合だと、コリオリ
の力が無視できなくなりますから、周囲環境に振動
などの影響が出るかもしれません。そのためには、
二つの逆回転のコマを用意して効果を相殺したり、
充分頑丈な床に設置するなどの考慮も必要でしょう
ね。
今回のテストでは、どの程度まで考えて実験して
いるか、に関心が寄せられるものと思います。
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