巻頭写真 : 『ブロセリアンド(魔法物語)の森』の発祥の地と言われる「パンポン」の森
海と信仰とケルト文化と古代巨石文明と
フランスにあってフランスではない異世界を巡ろう
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「プロエルメル」から東北東に15kmほどで
『Foret de Paimpont パンポンの森』という温帯湿林地帯がある
広葉樹林が鬱蒼としかし幻想的に広がって行く光景は
神秘的なほど
かなり広い森のあちこちには
せせらぎが横切り
いくつもの
大小の池がある
齢を重ねた巨木が今日まで生き残る
神秘の森
『Chêne à Guillautin ギヨータンの樫』
この森は『Forêt de Brocéliande』とも呼ばれる
「ブロセリアンド」は「魔物の」というような意味の
中世の騎士物語に出てくる表現
というのも
このブルターニュの森は
『アーサー王と円卓の騎士』伝説の誕生した背景なのです
あちこちに
登場人物に所縁の名を付けられた岩などがる
『Tombeau de Géant 巨人の墓』
『メルランの墓』(円卓の騎士の一人)
『Horié ou Maison de Viviane ヴィヴィアンヌの(聖)家』
アーサー王伝説上の「湖の女王ヴィヴィアンヌ」の聖地(家)
と呼ばれている岩の群れ
『Epée du Roi Arthur アーサー王の剣』
『Saint-Judicaerl 聖ジュディカエル』
古ドムノネ王国の王(ブルターニュ王)にして
出家してパンポン大修道院を開いた聖人
その他
『Fontaine de Barenton バラントンの泉』
『Fontaine de Jouvence ジュゥヴァンスの泉』
『Maison des Fées (Maison Tréssée) 妖精の家(編み込みの家)』
そして巨岩もゴロゴロ
『Rocher tremblent 揺れ岩』
池が大小かなりあるが
池の前は眺めが良いはず
眺めが良い場所には城があるはず
『Château de Comper コンペー城』
『Château de Pas du Houx パ・ド・ウゥ城』
城でなければ修道院
『Abbaye de Paimpont パンポン大修道院』
ということで
この「魔物の棲む森」で名高い「パンポン大修道院」を
訪れてみよう
まずもって
池に映えるその姿の艶やかなことと言ったら
池越しだったら
どこから写しても名カメラマン
大修道院聖堂が左に連なる光景を正面に見据える
この建物の左端が修道院聖堂
『Abbatiale Notre-Dame de Paimpont 聖母大修道院聖堂』
反対側に回り込むと
実は聖堂は先ほどの正面の建物に直角に立っている
同
Portail 中央扉口
同
修道院聖堂の扉口
扉口中央の聖母子像 ディテール
聖母修道院聖堂 身廊
身廊奥翼廊手前の「聖職者内陣」と 手前右は聖母祭壇
聖母祭壇 ディテール
翼廊(十字架横木部)と奥の内陣は天井がゴシックの石の天井に作り直された
通常の内陣部は「上(かみ)の内陣」と呼ばれる
内陣一番奥『Autel Saint-Sacrement 聖秘蹟祭壇』と天蓋
聖秘蹟の祭壇のルターブル(祭壇衝立)
聖具室
1375年という記述のある銘板
外には900年を経た十字架が立っている
『Croix de l'an 1199 1199年の十字架』
外はすぐに池
さて
この「パンポン大修道院」から遠からぬ所に
近代産業革命の遺跡がある
『Les Forges de Paimpont パンポン製鉄村』
!8世紀半ばに作られた製鉄所集落
集落の入り口の廃墟の家々
この人工的に作られた製鉄村は
総支配人
工場長
職長
鍛冶職人
数百名が生活していた
『Logis du Dirécteur 総支配人の執務室兼住居』
今は文化財として見学者用に修復された建物もあれば
廃墟もある
高炉の廃墟
砂鉄や鉄鉱石を溶かして製鉄する際
温度が高いほど不純物を取り除いて精度の高い鉄が得られる
従って温度を上げる為に「炉」が高く伸びる
陶磁器の「登り窯」と同じ発想
説明用の当時の模型
見学者のグループも多い
数服された「延鉄所」の建物
今は住民たちのイヴェント用に利用されており
結婚式のパーティーに好まれている
フランス人たちは文化財でパーティーをやるのが好きなのです
職長の屋敷(左)と旧礼拝堂
製鉄村以前から存在していた旧礼拝堂
19世紀に作られた新礼拝堂
『鉄祭り』の際のデモンストレーション
この村で18世紀半ばから19世紀半ばまで
スペインとスエーデンの製鉄業に対抗して多くの鉄が作り出された
最後に城を一つご紹介
『Château de Trécesson トレセッソン城』
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