
このたび、ディフェンダー110からピンツガウアー(Pinzgauer)という6輪車に乗り換えることにしました。
こちら軍用車ですが実際に戦闘に用いられることはなく、程度は文句無し。戦傷のない無垢のピンツガウアーです。


でも念には念をということで配線という配線をとっかえての徹底的なフルレストアをしていただきました。
とはいってもレストアに費やした時間のほとんどは、母国オーストリアからのパーツ取り寄せにかかった時間。
どっちにしても故障するんだろうな。。
これを機会に自動車整備の勉強をしてみようかと思ってます。
このピンツガウアーは、シュタイア・ダイムラー・プフ社というオーストリアの会社が製作しているもので、
ここの複輪駆動には定評があり、委託でメルセデスベンツのゲレンデヴァーゲン(Gクラス)の製作をしているのだそうです。
今でもオーストリア軍をはじめニュージーランドや英国軍に採用されています。
またパリダカールラリーのサポート車両としても利用されており、海の向こうでは日本よりかは認知が高いといえるでしょう。
とはいえそんなに出回るものでもなく、なりわいが軍用車両ということもあり、なかなか程度のよいものが出てこないまま、いつかそんなことも忘れてしまってたある日、
米国のコレクターの方が非常にコンディションの良い玉を手放すとの情報を軍用車フォーラムで知り、写真を見て円高気分も作用しての即決でした。

いつか、戸隠での大雨のあと、ディフェンダーでもなかなか出られない泥濘がありました。
そんな状況でもこの6WD+ハブリダクションならどうにかしのげるのではないかと期待してます。
見てのとおり幌車なので経年ダメージが気になるところですが、いまだメーカーによる部品サプライは継続されているようなので、問題があれば送料含め3000ドルそこそこで新品の幌に取っ替えられそうです。
また、幌に飽きたらハードトップタイプへの換装もできるらしく、その場合パーツ代だけで7000ドルくらい。送料と工賃でおよそ100万くらいで別の仕様の車に変身できるのも魅力。

前オーナーさんいわく、この車両、赤外線を反射させない特殊な塗料でペイントされているらしく、暗視スコープとかに捕捉されにくいのだとか。
ということは、コインパーキングの場所によっては入場時に赤外線で車両を確認するところがありますが、もしかしたら門前払いをくらうかもしれません。
前オーナーさんからは何かのときのためと、スペアの塗料も1バケツいただいたのですが、これを厚塗りしたら、さらに赤外の目では見えなくなるのだろうか?
また窓ガラスについては、ディフェンダーと同じく素っ気ない平ガラスです。
これは、戦地で破損しても身近なところから調達してきて応急対応できるというメリットがあります。ディフェンダーには熱線が入ってましたが、ピンツはどうなのだろう?
いずれにしてもフロントガラスは日本の保安基準を満たないとかで、作り替えることになります。
車体色やガラスのみならず、デザインの全てにおいて意味、理由がある。私は決してミリヲタではないですが、このプロダクトデザインに対する思想にはグッと惹かれるものがあります。
その他、ぱっと見たところ民生品として、社外品のショック、OPTIMA社のイエロートップバッテリー、High-Lift社のジャッキで武装されていました。
”便利さは美の一番の敵”
とは、日本文学研究の第一人者ドナルドキーンさんの言葉ですが、
まさしく軍モノというものは便利さを徹底的に排した故の美。

でもディフェンダー気に入ってたので、いずれまた乗る機会があると思います。

これまで、長らく旅を供にしたディフェンダーとはしばしのお別れ。山ではもちろん、山への移動道中の高速でもとてもパワフルな走りで、とても気に入ってました。
道具も大物が増えて110では手狭だったのを理由に乗り換えですが、次は130にぜひ乗ってみたい。

話しはピンツに戻して、このクルマ、バックで走らせるにもフロントにバックミラーがついてなくて、それをサポートするためか
リアにはバックカメラが付いていて、バックギアがはいると運転席モニターに映像が出て来るという具合らしいです。モニターといってもブラウン管ですが(笑
バックミラーがないぶん、フロントの視界がとても良好。さながら作戦室な雰囲気。
今は太平洋上にいるわけですが、難破沈没でもしない限りは大阪港到着が10月末、それから保安基準適合に向けた改造やら、ガス検やらで。。
納車は冬だろう、ってことはいきなりスタッドレスって、4輪+2輪みたいな感じでバラ売りしてくれるのだろうか?

いずれにしても、到着したらまずは高知で買ってきた”カツオ人間サーファー”のステッカーでも貼って、少しでもゴツい感じを和らげようと思います。
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弊社にて制作している「おぎやはぎのハピキャン」で、
現在キャンプにぴったりなかっこいい車の一例として、
軍用車の写真を探しています。
差し支えなければ、こちらのブログの一枚目にある
お写真を放送のためお借りすることは可能でしょうか。
お手数をおかけしますが、何卒宜しくお願い致します。
川村
dkawamura@nbn.co.jp
写真ですが、お役に立つようでしたらどうぞ使ってください。