
サウジアラビアのアルコバール(Al-Khobar)という街にやってきました。見ての通り、砂漠の中に住居やビルが点在しています。
先に結論から申しますと、ここではキャンプというのはレジャーとして認知されていない、というか日中、日陰でも50℃になるところでは生命維持的に無理(^^;
そして法律でアルコールが禁じられているので、酒が一切口にできない。また、女性は近親者以外と口を交わすことも制限されているので、男女グループキャンプというのも困難。
結果、どうしてもこのサウジアラビアという国でキャンプを強行するならば、男だけで、痛いくらいの暑さの中、ソフトドリンクを飲みながら何も無い砂漠を見つめる、そんなキャンプが想像できます。
ということで、これから以下はキャンプとは関係なく、サウジ初体験道中記になります。

アルコバールはバーレーンの国境近く。サウジアラビアのダンマン空港からクルマで1時間ほどのところにあります。ダンマンへはドバイを経由していきます。

せっかくなので、ロンドンからドバイへはオイル関係者御用達のエミレーツ航空を利用。ここのエアバスA380はなんと天井がプラネタリウムになっている、と聞いて期待大だったのですが、
あいにく搭乗したのはボーイング777だったのでそんな仕様になってないのが残念。

パーソナルモニターは他のエララインよりも巨大でプログラムも100チャンネル以上と充実。
ただし、スクリーン自体、画面の解像度、表示品質はお世辞にもよいものではなく、なんていうか、映画をみてもあまり没入感が薄いのは他の機体と同じ。
プロメテウスを観ましたが、コントラスト表現力を必要とする暗いシーンの表示品質があまりにもよくないので途中で観るのをやめました。
座席はフルフラットになり、リラックスした旅を楽しむころができました。

機内食の前菜盛り合わせの量がハンパない。酒に弱いのにここで飲み過ぎてしまい、そのまま到着までずっと寝てしまった。。

いったん,ドバイでトランジット。ここの空港はショッピングゾーンを中心に周りに搭乗ゲートが配置されているので、
トランジットタイムも飽きずに過ごすことができます。

搭乗ゲートまでどれくらいかかるか目安時間を示したマップ。これは便利ですね。他の空港もあればいいのに。
さて、ドバイからサウジアラビアのダンマンまで、先と同じくエミレーツで向かいました。
サウジアラビアという国は初めてだったのですが、いきなりイミグレーションで3時間待たされる強烈な洗礼。というのも初めてのサウジに来る人は全員、カメラで顔写真だけでなく10指の指紋までスキャンされるのです。
そして読み取ったデータを審査官のHP製デスクトップPCで何やらデータベースと照合しているようなのですが、これが無茶苦茶時間がかかるわけです!照合している間、じっと待つだけ。
5名のラップタイムをとったら大体1人当たり3分~5分。30人くらい前に並んでいるので、90分~150分。でもこの予想を反して、180分かかった(>_<)
そもそも、日本でビザを取得するにも、商工会議所にいったり、あれやこれやで面倒だったのに、さらに現地についてもこの面倒さ。

そしてようやく入国スタンプをもらって荷物を取りに行ったらこの様です。
当然、初入国の人達の誰もが3時間かかっているので、荷物コンベアーから荷物は降ろされ床に置かれていました。この国ではこれが当たり前の入国の風景なのだそうです。
その後、立ち疲れで早く座りたいのに再度、荷物の入念なチェック。余程、外来のテロを警戒をしているのでしょう。
911直後のUSの空港では、ボーディングパスを通した後の機内に向かう通路上で、PCの起動画面をチェックされ、靴下は脱がされ足の裏も見られる徹底ぶりでしたが、それに似たものがあります。
やっとのことでダンマンのホテルに向かうのですが、市街地まで50キロくらいあるでしょうか、その間、ひたすら砂漠の中のまっすぐな道を突っ走ります。
ナトリウムライトでオレンジ色に照らされる砂漠風景を見ていると、夜の雪道と錯覚するほどに似た景色に見えてきます。また風で砂が霧のように舞っているのが雪に見えました。

上の写真は昼間の様子ですが、周囲には山らしいものはなく、緑もヤシの木ばかり。中央分離帯には何やら木を植えた形跡があるのだけど、ことごとく枯れてて根のあたりしか残っていない。
ドライバーさん曰く、緑を植えても、それを維持する水をやる設備が整わないと結局は枯れてしまい、乾燥したところに強いヤシの木だけが結局は残るということらしい。
ホテルに到着したら、敷地内に入るところに鉄壁があって、銃をもった警備員がタクシーの爆弾チェックです。1人がボンネットを開け、もう1人は布団たたきのような形をしたセンサーをもった器具でクルマの下回りとトランクの中などをチェックしています。ここでピピーとでもセンサーがなったらどうなるのだろう。結構緊張します。
そうして、チェックを終えたら鉄の壁が解かれ、やっとこさホテルエントランスの到着。そんな面倒なプロセスを経ないとホテルから出入りできないので、気軽にぶらーっと出て周りを散策~なんてする気になれない。

ロンドンのホテルを朝7時に出て、アルコバールの部屋に到着したのが朝3時。22時間もかかりました。まずは長旅の疲れにはビールを!と冷蔵庫からバドワイザーを出してグイっといったら、あれあれ?味がむっちゃ変。。
缶をよく見ると、Non-Alcoholと書いてある。なんじゃこりゃ?! そういえば、サウジではアルコールは御法度。持ち込んだらむち打ちの刑になるんだった。。え~バドのノンアルコールなんてあるんだ↓↓。。意気消沈。
さっさと寝ることにしました。

ここはサウジアラビア。さすが世界一の石油埋蔵量を誇る国だけあって、リッター約9円。そんなわけで、街でプリウスなどハイブリッド車を見かけることはありません。
また、日中は50℃以上になることもあるので、自転車やバイクを見かけることがありません。この国では生活をしてゆく上でクルマは必須というわけです。
ちなみに、サウジでは女性のドライバーを見かけることはありません。というのも女性が運転をすることは法律で禁止されているのだそうです。買うことはできるらしいですが、男性に運転をしてもらう必要があります。
だもんで、片側4車線もある幹線道路ったらみんな運転が荒いのなんのって、レースをするがごとく競って走らせているようで、毎日仕事場への往路はかなり運任せの命がけ。
この女性が運転してはいけないという法律が、女性の社会進出に対してにおおいに足かせになっていることでしょう。クルマの他は移動手段が発達していないこの街で、毎日、仕事の送り迎えを旦那や男友達にしてもらわないといけない。
ところで、サウジでは気温が50℃を超えると仕事をしてはいけないという法律もあるそうで、さすが暑い国だけあるね~ 国民思いなところもあるやん。
と感心するのもつかの間、現地の従業員の方いわく、政府が提供する温度計は決して50℃以上を指すことはない!と不満というよりも仕方ないな~という諦めモード。
民生のものでここサウジでは50℃以上を示すことができる温度計が入手困難なそうで。

さて、アウトドアショップを~と思ったのですが、言うまでもなく断念です。ダウンタンを探してもそのようなお店は見当たりません。
街の外れにイオンを3つ4つ合体させたようなとてつもなく巨大なモールがあるので、そこなら何かあるのかもしれません。
いずれにしても日陰でも50℃を超えるこの国では、シングルウォールテントだろうがダブルウォールだろうが、関係なく拷問器具の部類でしょう。
今は冬だそうですが、それでも日中40℃越え。現地の人はこの冬が待ち遠しいらしく、外を歩いてて気持ちいいね~といってますが、この暑さに慣れない私にとっては、日差しが暑いのではなく痛いという感覚。
この暑い砂漠の中で、万一クルマがエンストでもしたら~ それが昼間だったらロードサービスが来る前に確かに死ぬだろうな、と直感する痛い日差し。
ですのでアウトドアで生身のまま何かしようというのは生死に関わる問題といえます。それに、アルコールが飲めないキャンプなんて!!

無難にダウンタウンの土産屋さんによって、シリア製の手縫い刺繍がほどこされたテーブルクロスとベッドシーツを購入しました。
サウジなのになぜシリア?というのも、こちらで心暖かく対応してくれた会社の仲間がシリア人だったということもあり、その想い出もかねてです。
以上、国変われば常識も品も変わるということを、ひしと感じています。
そろそろ日本に帰ります。
仕事ですか~何をしてるのでしょう(^^)てゆうか一応、普通のサラリーマンですよ。文章力についてそんなあるように思えないですが、中学から高校まで天声人語を清書してたせいか、文体が朝日ちっくかもしれません(^^:
すっかり見逃してました!
出張、お疲れ様でした。
オイルの国はすべてが強烈ですねw
行ってみたいような、そうでもないような・・・(笑)
確かにココはオイルしかないですが、ここのオイルをベースにいろんなキャンプグッズも作られているのでしょうね。