久しぶりの読書
昨年今年と読書の冊数が激減。
引っ越しの際の本の扱いが大変だったこともあり、
本を置くスペースも限られているため、と本は買わずに
もっぱら図書館を利用することにしています。
町の小さな図書館ですが、話題の本もしばらく待つと
読むことができ、2週間という貸出期間に3,4冊
は借りて読んでいました。
それが、昨年から夫の趣味である釣りに同行するようになり、
図書館へはいつの間にか足が遠のくようになり、
本を読む機会も減ってしまいました。
何か月かに1度にはなってしまいましたが、
これは今月借りて読んだ本です。
幻庵 上・下 百田尚樹著
百田尚樹の著書はかなりの長編でも読める、とは思いましたが
これは分厚い、しかも上・下2巻。
読み進めると囲碁の歴史書でもあり、江戸時代後期の
名人碁所をめぐる男たちの戦いの物語。
それが、命を懸けたまさに「戦い」の記録なのです。
しかも主人公の幻庵は名人碁所にもなれず、
恋も実らず、人並みの幸せを望んだ妾との生活も
破たん。晩年清国へ渡航しようとするがかなわず、
と運命に翻弄される。
高校時代に部活動で囲碁クラブに所属、全道大会
女子の部3位という名誉をもつ私・・・
ところが出場女子が3人なので最下位・・ということなのです。
右も左も定石もなにもわからないのに、人がいない
ということで大会に出ることになってしまったという実情。
しかも入部の動機は通学バスで会うかっこいい先輩に
あこがれてという不純なもの。
奥の深い囲碁の世界についていけず(基本である定石というものが
覚えられなかった!)、すぐやめてしまったので
いまだに囲碁のことはよくわかりません。
こんな私でも、この小説は十分楽しむことができました。
勝ち負けがものをいう世界ではあるけれど、自分の
生き方を貫いた潔い男の物語であると思いました。