木曜のTBSラジオ「デイキャッチ」に神保哲生氏が出演。事業仕分けについての発言を掲載します。
(神保)
ニュースで一部ご覧になった方が多いと思うんですが、まず知っといていただきたいのが、これは9日間に渡って、毎日10時間近く行なわれているんですね。その中の数十秒ぐらいしかニュースで取り上げられないんですが、本当に長い作業で、これはまず実際に何が行なわれているのか、どう使われいるのかを見ようということなんですね。
実際に現場を見てみると、やっぱり驚くようなものが次から次へと出てきて、頭を抱えたくなるような状況なんです。そんなことやってたの?というのが非常に多い。何とか振興事業について、「どれくらいの人が来たんですか?」と聞いたら、精々1年間で数千人とか、誰も来ない日があるとか、全然そういう費用対効果を見ていない。
実際、いくら切れるかということに注目が集まっているけど、まず実態が表に出るということは非常に意味がある。ただ、今までどんな議論で予算が可決していったのかというのを見れば見るほど疑問に思うという感じで、これは国会でちゃんとした議論をちゃんとされていなかったということで、一部野党にも責任があるということになると思います。
一部、公開処刑だなんていっている方がいますけど、今回は必要性を証明できたものはOKになる。証明できないものは、一旦は切るけど、本当に必要なんだったらもう一回理論武装して出して来いということなんですね。ここで切られたからといって、未来永劫駄目だというわけじゃなくて、今の段階では必要性は証明できなかった、それは証明できなかった方に責任があります。もう一つ大事な事は、これをやらなかったらどうなっていたかというと、無駄を切れと官僚に指示することになる。そうすると、中身に関係なく、ただ帳尻合わせで数字だけ出してくる。その時に、本当に必要なものが残るとは限らない。極端に言えば、利権的なものだけが残って、必要なものが切られるかもしれない。それを防ぐためにやっているということもあるんです。
確かに、本当は現地までちゃんと視察したりしてという事をやるべきだと思うんだけれど、今の段階では、ここで切られたら一生の終わりではないので、どんどん切っていく過程としては決して間違ってないと思います。
(荒川)民間の仕分け人に、1人外国人が入っているということを問題視されている方がいるんですが、どうですか?
(神保)実際に予算を切るかどうかというのは、最終的に政治家が決める事。今回は、単純に事業の中身の是非について判断するということで、やはりビジネスの世界の経験だったりが重要だったりするので、この段階で国益が犯されるとかそういうことは無いと思います。亀井大臣が言うように、「権力の行使を外国人にさせるのはどうか」という考え方は有り得ると思うんですけど、そもそも民間人でそんなに来てくれる人がいないんですね。
本当は官僚が民間人の仕分け人を選んでいたんだけど、人選を見てみたら、ほとんど突っ込んで議論できるような人が集まってないと。それで、慌てて色んなところに声をかけて、拝み倒して来てもらっているというような状況だったんです。
実は、厳しく追及できるようなノウハウを持った仕分け人というのは日本にそんなにいないんですね。これからそういうノウハウが広がってくると思うんですけど、今回は外国企業だなんだと言ってられない状態だったと思います。