政治ウォッチ!

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民主党・松木けんこう、手塚仁雄議員が生方幸夫氏の解任について語る。

2010-03-22 18:31:10 | 政治

本日放送の「ワイドスクランブル」に民主党・松木けんこう議員、手塚仁雄議員が出演。生方幸夫氏の解任についての発言をテキスト化しました。

出演:川村晃司(テレビ朝日コメンテーター)、なかにし礼

(松木)

生方副幹事長の解任は全く妥当なことだと思います。そもそも、産経新聞の記事というのは一つのきっかけに過ぎなくて、生方さん自身の今までの行動に問題があったからで、彼は会議にほとんど出てこないんです。彼は国会対策委員会と副幹事長室の橋渡し役なんですが、朝の会議に1、2回出てきただけで、ほとんど出てくることはありません。まずはご自分のお仕事をしっかりやってから人の批判をして頂きたいという風に思います。

また、発言する機会がないというようなことを仰っていますが、毎週木曜日に1時間、副幹事長が集まって食事会をやっているんです。しかし、そこにも出なかったり、遅れたり、早く帰ったりと、そこでお話をすることはなかったということのようでございます。

私は辞めていただくとなれば、民主党にとってマイナスになると思いました。ですから、ある副幹事長に「ほっとけばいいんじゃない?」と言いいました。しかし、「それじゃあ仕事をする人もしない人も一緒なんですか?」と言われましたので、私は「それじゃあしょうがない」と思いましたね。


(司会)

手塚さんは、今回の解任を妥当ではないと考えていらっしゃるということで、弁護も含めて、解任は妥当ではない理由をお願いします。


(手塚)

弁護というよりも、まだ解任なのかどうか分かりません。小沢幹事長が指示したのかも分かりません。報道で聞くところでは、高嶋筆頭副幹事長を始め、生方さん以外の副幹事長が集まって、人事異動だと決めたと。そういう権限が副幹事長の方々にあるのかも分かりませんし、生方さんが離党すると言っている訳ではありませんから、組織の中で違う意見があるからといって排除するのはおかしいと思いますし、その部分は筋が通っていないなと思います。

(松木)

私も何を言っても自由だと思いますが、そもそものお仕事がちゃんとしていなかったという所が大きいようですよ。

(司会)

小沢幹事長は今回の件についてどう思っているんでしょうか?

(松木)

それは残念に思ってると思いますよ。民主党の議員全員がそう思ってると思います。支持率にも影響してるでしょうし。

(司会)

小沢さんの周りの方が慮って、小沢さんの気持ちを尊宅して動くとか、この文化はなんなんですか?

(松木)

今回の件について小沢幹事長はどちらかといえば、「そこまでしなくていいんじゃないか」とお話されていたと聞いています。しかし、副幹事長の皆さんが、「しかし、そうはいかない」と判断したんでしょう。小沢さんが「そんなこと言わないで一緒にやれ」と言ったら、それこそ独裁なんじゃないんですか?

(司会)

川村さん、厳重注意というやり方で、解任ということまですることなかったんじゃないかという意見もありますが?

(川村)

一般的にはそういう見方が多いでしょうね。だけど、事実として私達の知らないこともあると思います。

生方さんの話を聞きますとその主張は大きく2つあって、政調についてもっと自由な議論をした方がいいということと、小沢さんの「政治とカネ」の問題、進退についてがあって、この2つは全く別の問題なんですが、これが混同されているところがあって、最初の問題提起のところからおかしいあり方だったと思いますけれど、政調の問題に関しては、やはり党内からももう少し議論の幅を広げようという声が出てきてもいいと思うんですけど、松木さんはどう思われますか?


(松木)

私は自由にやっていると思います。例えば、一期生の人たちを押さえ込んでいるなんていう話がありますが、これも嘘で、我々は新人約140人を10班に分けていて、私は5班の担当をしているんですが、そこではマニフェストに載せるような政策を作ろうとしていて、私は「よし、出来たら、しっかり俺が執行部にぶつけるから一緒に頑張ろう」とやってるんです。そういう動きがいくらでもあって、政調があろうがなかろうが、しっかりやる事をやればいいんですよ。

(なかにし礼)

生方さんの主張は政調の問題からずれていて、小沢批判の色合いが強い。僕はその事が非常に残念で、彼が産経新聞に対して言ったことはそういう政調の話とは違いますよね。どなたか一人が金と権限を握っているとか、なんでこういう個人攻撃的なことを外で言うのか、政治家としての資質を僕は疑いますね。

(司会)

ただ、手塚さん。政調を作って欲しいということについて執行部が「それは必要ない」と言ったということで、そこも含めて中央集権的だと言っているんじゃないですか?

(手塚)

いや、政調の方の議論は切り離さなければいけなくて、極めて真面目に党内でこれまで議員立法を含めて、様々なことを議論されてきた方々がどうしても議論する場面がないと。議員立法が出来ないというのは憲法違反だと思って訴えてきた。それを執行部もかなり重たく受け止めていただいて、新たに政策議論をして議員立法に繋がるというご判断を頂いたので、これは一定の成果だと思います。だから、今回の生方さんの問題と切り離して政調の方は考えていかないといけないと思います。

(松木)

「議員政策研究会」を党内に新たに設けるということですからね。まぁ、ご自身が会議に出てこないから何も分からんのですよ。


細野豪志副幹事長、生方副幹事長の解任について語る 週刊ニュース新書テキスト化

2010-03-20 17:15:27 | 政治

本日放送、「週刊ニュース新書」に細野豪志副幹事長が出演。生方幸夫副幹事長の解任についてコメントをしていました。


(細野)

もうけじめがついたことですので、あまり中の話をしない方がいいのかもしれないですけど、一つだけ申し上げると、会議の場で生方さんはほとんど発言されたことがないんです。政調のこととかで何度も色んな形で議論してきましたし、要望を頂いてそれにどう答えるか、皆悩んできたんです。そこでまずは発言をして頂きたかったなという思いがあります。

(田勢)

何故内部で言わないで、外に向かって言うんだといえば、外に向かって発言する事に意味があると思っていると思うんです。内部で言っても誰も取り上げてくれないと。高嶋筆頭副幹事長との会話の録音テープを聞いていても、ちゃんと録音してあるということは明らかに確信犯ですよね。

(細野)

政治家というのは選挙でそれぞれが勝ってなっているものですよね。ということは、一般の会社の社員と上司の立場とはちょっと違うところがあります。それぞれの人間が発言する権利はあるし、発進力も持っています。ただ、その一方で政党も一つの組織ですから、副幹事長というのは幹事長を補佐する立場にあります。そうである以上、党運営のやり方に何か問題があるのであれば、まず組織の中で発言するというのが一つの有りようだと思うんです。ここは政治家としての生き方の部分に関わってきますが、私はそういう考えを取ります。生方さんは発言する場所が無いと仰るけど、私は幹事長にも思ったことを申し上げているし、各官?が集まった時にも、ここはこうした方がいいんじゃないかということを申し上げます。外で「私の発言が通りませんでした」と言う場合、私なら副幹事長を辞めてからやります。

(田勢)

生方さんのように執行部を批判する人が民主党にいるということは、民主党にとってそんなに悪い事じゃないんじゃないかと思うんです。結束を乱すこともあると思いますが、外から見ると「自由に言いたい事言ってるじゃないか」と。そういうことも大事だと思うんですよね。それを職を解くなんて一番やってはいけない事をやったんじゃないかと。

(細野)

色んな考えがあるんで、それを集約して形をつくっていくことはとても大事だと思います。政調復活の声があったので、政策の議論が出来る新しい場所をいくつか作ったりして、それに納得をしてくださった方も沢山いるんです。生方さんがどこに納得しておられないのか、どこを変えればいいと思ってらっしゃるのか、党がどう運営されているかということを生方さんはよくご存知ですから、立場を離れられましたけど改めて聞いてみたいと思います。

(大江)

番組では、民主党の都道府県連に緊急アンケートを行ないました。

高知県連は、解任は適当だという回答です。その理由は「まずは党内で発言、議論すべき問題である」。一方で、和歌山県連は「解任はやりすぎ。注意に止めるべき」、新潟県連は「この程度のことで大人げない」といった意見もあります。この意見についてどう思われますか?

(細野)

全体の雰囲気として、鳩山政権を支える党側の要が幹事長であるという大きな枠組みがあって、その中で皆が自由に動きにくいところはあったんだろうと思うので、そこは変える必要があると思います。ですから、その努力もしてます。反省も必要だし、考えなきゃいかんでしょうね。

ただ、高嶋さんのやり方について一つだけ申し上げると、あの方はあまり愛想良く話すタイプじゃないので、どうしても悪者になっているところがございますけど、高嶋筆頭はずっとこの件について努力をしてきているんです。生方さん周辺の人に、「上手く問題が解決する方向にならないか」と働きかけたり。そうやってきた中で、「ここまでくるともう信頼関係が無くなって厳しい」と。お互い副幹事長としてやってきた二人が話す時に、それを録音されるということになると、政治家とはいえ人ですから、一緒に仕事をしていく信頼関係が崩れたということで止むに止まれず判断したんだと思うんです。ですから、地方の方からの色々ご批判をしっかり受け止めてやらなきゃいけないんですが、今週の時点でのあの判断は止むを得なかったと思います。

高嶋さんとしては、何で自分の気持ちが分かってもらえないんだろうという思いがあったんだと思います。


BSディベート「子ども手当 5兆円は何をもたらすのか?」一部テキスト化 Part.3(最終回)

2010-03-17 17:08:39 | 政治

http://www.nhk.or.jp/bsdebate/1003/theme.html

今月放送された、NHK-BS1「BSディベート」をテキスト化しました。


子ども手当 経済効果はあるのか

(司会)

民間のシンクタンクの試算によりますと、1万3000円の支給が1年間続いた場合の経済波及効果は2兆4377億にのぼるとしていますが、どうでしょうか?

(川本)

子育て世代は消費性向が高いので、定額給付金よりは効果が大きいと思います。

(飯田)

これについては、あまり効果を期待してはいけない。つまり、短期的な効果は薄いと思います。ただし、子どもに対して給付が続くということを通じて、子どもに投資をしなければいけないというような気運が高まれば、将来の子どもの教育水準であるとか学力に効いてくるので、短期的な景気対策ではなく長期的な目で見ていただければと思います。

(ファニャニ)

現金給付を与えても支出をコントロールする事が出来ませんので、長期的なメリットを考えるならば、家族に対して色々なチャンスを与えるということです。母親が仕事を出来れば、一人で稼ぐ世帯よりも所得が増えますので、家族のための条件整備をした方がいいとフランスでは考えられています。

子ども手当は何をもたらすのか

(司会)

子ども手当は、子どもの担い方も含めて、日本の将来にとってどのようなものをもたらすと考えられますか?

(飯田)

子ども手当は一つの出発点だと思っています。といいますのも、日本の税制であるとか再分配というものが大幅な見直しを迫られていて、実際今までの多くの社会政策というのは年齢別に行なわれてきた。現役世代から徴収したお金で引退世代を支えるということにあまりにも集中してきた。これではいけなくて、再分配政策というのは、生活に余裕がある人から苦しい人への再分配でなくてはいけません。子ども手当というのはまさに必要な年齢層、家族構成への給付であるということで、日本が新しい再分配政策に進んでいくための第一歩になるんじゃないかと。

節足に来年から完全な導入を始めるのではなくて、ある程度段階を踏んで、理想のデザインに向かっていく方向にして、何年後までにやるかという工程表作りを政治のサイドは進めていくべきじゃないかと思います。


(井堀)

30年、40年先を考えると、少子高齢化が進んだりして、今よりも経済状況が大変になっている可能性が高いわけです。ですから、若い人の方が将来大変なわけですから手当をしないといけない。お金を出すだけでなく、グローバル化に太刀打ち出来る人的なスキルを身につけなければいけない。その手段として子ども手当を使うべきで、そうすると将来が明るくなると思います。


(川本)

制度設計というのは大事な話だと思うんですが、私はこの子ども手当が日本を変える第一歩だと思っています。あらゆる国民が日本の将来を考えなければいけなくて、子どもが増えれば、子どもがいないような家庭も恩恵を受けるわけですよね。

(ファニャニ)

飯田先生や川本先生が仰ったことはまさにその通りで、第一歩なんです。子どもは社会において重要な存在なんだ、未来にとって重要な存在なんだということを認識して頂きたいと思います。更にフランスのように進めていただければありがたいです。

(井堀)

その通りなんですが、選挙の前ですとバラマキというバイアスがかかりますし、若干そういう面があるんじゃないかと気にかかるんですが、本当に必要なところに出すんだということで制度設計をしていって欲しいですね。

(飯田)

もう一つは、いきなり満点回答の少子化対策を出すんではなくて、満点回答を見据えながら何年もかけて計画的に一歩一歩やるという政策論議がどの分野でも必要だと思います。


BSディベート「子ども手当 5兆円は何をもたらすのか?」一部テキスト化 Part.2

2010-03-15 17:59:25 | 政治

http://www.nhk.or.jp/bsdebate/1003/theme.html

今月放送された、NHK-BS1「BSディベート」をテキスト化しました。


・子ども手当で少子化を防げるか

(飯田)

僕自身は、この現金給付だけで出生率が上がることは有りえないと思っています。というのも、2万6000円貰えたらもう一人子どもを生むかといったら、そこまで話は簡単では無いわけです。その一方でそれでも尚、私自身は現金給付が必要だと考えていて、その理由の一つは日本の場合、再分配、税金を取って補助金を与えると、若者の子育て世代だと貧困率が上がってしまうという現実があります。つまり、普通は税金を取って補助金を出すと格差は縮まるはずですが、子どもに関しては逆にそれによって広がってしまうという異常な状態なわけです。その是正、子どもの貧困に対する対策が子ども手当の中心的な役割で、少子化対策については、制度であるとか法的な整備のほうが重要なんじゃないかと思います。

(井堀)

少子化の問題は根が深くて、日本に限らず先進国も少子化が進んできているわけです。これを金銭的な要因で向上させるのはかなり限界がありまして、例えば子ども1人に対して10万円出すと増える可能性もありますが、とても財政的に無理なので、子ども手当を少子化対策としてやるとするならば、先ほど出ましたけど、2人目から出す。あるいは、2人目以降に手当てを手厚くするとかいう形で、子どもを生むインセンティブを与えるのが経済的に意味があると思います。ただ、それよりも少子化対策で重要なのは、社会的な環境整備です。

(川本)

私は、多少は効くと思うんです。社会の雰囲気というのが状況を変えていく効果があると思います。もちろん、これだけで十分なわけは無く、社会的な整備も重要です。

(ファニャニ)

子ども手当だけで少子化が防げるとは全く思いません。ドイツやオーストリアについて紹介すると、両国はヨーロッパの中では現金給付において最も寛大な国なんですが、それが少子化対策には繋がっておりません。例えば、ドイツでは90年代、現金給付を大幅に増やしましたが、出生率に影響を及ぼす事はありませんでした。
では、フランスはどうか?現金給付の額はヨーロッパの中では平均並ですが、子どもは社会の宝とみなされております。社会全体が子育ての責任を担っているという意識があります。だからこそ事業主が家族政策に関して負担している。労働組合も家族政策に関する意思決定に参加しているんです。フランスにはちゃんとしたコンセンサスがあるんです。「未来に投資をしましょう」と。出来る限り早い段階で子どもに投資をしなければならない。生まれた段階で投資をするべきである、そして、高い質でお手ごろな価格の保育サービス与えなければならないというコンセンサスがあるんです。

川本さんが仰る事はその通りで、社会が子育てを担う役割をする必要があるということです。女性に対してそういうメッセージを社会が発信しなければなりません。


(川本)

やはり育児サービスの充実とか、長時間労働や休暇が取れないのをどうするかとかあらゆることを解決していくということが大事だと思います。

(井堀)

仰るとおりで、特に環境整備の面では、女性だけに育児の責任を押し付けないで、男性の意識を変えることが重要だと思うんです。フランスの場合は、婚外子の比率が多いんですけど、日本の場合、結婚が非常に遅くて、結婚をしないと子どもを生まない人が多い。結婚をしない理由の一つとして、結婚をすると、女性が子育てばかりじゃなく、家事の面などを含めて責任を負わされて、仕事と両立できないわけですね。そういう雰囲気が出来てると、なかなか女性が結婚しないし、子どもを生む気にならない。だから男性の意識を変えなければいけない。その為に男性が育児休を積極的に取れるような、そういう体制が必要だと思います。

(川本)

女性の就業率が高いほど出生率が高いという統計がありますから、女性の社会進出を促す事で出生率も上がっていくと思います。
環境整備にもお金がかかりますが、お金をそんなに使わなくてもNPOとかが参入して育児サービスを提供できるように規制を緩和するとか、そういう方向もあるので、財源だけじゃないと思います。

(井堀)

私は、やはり所得制限をかけて、そこで浮いたお金をインフラ整備に回す必要があると思います。

(飯田)

私自身はやはり現金給付の重要性は高いと思っておりまして、先ほどから子育てと言った時に取り上げられるのは未就学の子どもを持つ人ばかりなんですが、実際に制度設計であるとか保育所は0~5歳時ぐらいの話で、子育てがそこで終わるかというとそうじゃなくて、一番お金がかかるのは小学生から中学生にかけてで、もう少し小・中学生という視点を持つと、現金給付の重要性というのが分かるのではないかと思います。

(川本)

環境整備といったときに、やはり利用者の視点に立たないといけないと思います。供給側に対して補助を与えるという形だと市場が増えていかないということになりますので、色んな担い手、例えば子育て経験がある人を保育ママとして増やすとかいうことをもっと考える必要がありますし、あと子ども手当をバウチャー方式にしてもいいんじゃないかと思います。

(飯田)

更に制度整備といったときに、どうしても箱物であるとか保育園を建てるというところに目が行ってしまいがちなんですが、いま必要とされている環境整備というのは川本さんが仰られたように、様々な組織や団体が保育サービスに参入しやすいように規制を緩和していくということが必要です。これであれば財源の心配をする必要がなく、少子化対策が出来るんじゃないかと思います。

(川本)

政府の試算だと100万人の待機児童がいて、物凄く需要があるわけだから、そこに経済効果があると思いますね。

(井堀)

認可と無認可の保育所の差別をもう少し取り払って、供給側もバウチャーのような方式でやればいい。いずれにしても所得がある人にも普及するというのは、今の財政状況の中ではやるべき政策ではないと思います。