本日放送の週刊ニュース新書に野田佳彦財務大臣が出演。発言を一部テキスト化しました。
・小沢氏の概算要求基準批判について
(野田)
一律10%削減は旧態依然というのは、完全に誤解をされていると思います。
予算編成のプロセスの中で各省に努力をして頂いて、1割を削減、9割要求という仕組みでやりました。そこで削減した分については、その努力を認めて新たに要望をする事が出来るようになっていて、その要望を政治主導で経済成長や雇用に繋がるようなものを重点に配分し直しすんです。一律で削るんじゃなくて、結果的に凸凹が出てくるような予算にしようという思いで、加えて、特別枠で1兆以上を超える額の配分枠を作ったのは過去にありません。兆単位で、しかも府省横断で予算配分をするという試みの意味をよくご理解いただいていないのではないかと思います。
ここまで批判されるということは、仮に小沢さんが総理になった場合、予算編成をやり直すということなんでしょうかね。それは大変な事だと思います。
・無利子国債について
(田勢)
これはかつても金持ち優遇と言われたようなことですけど。
(野田)
仰ったように、これは金持ち優遇になる可能性はあります。相続税を非課税にということで作る国債ですから、そうすると、かなり無くなる寸前に駆け込んでいくようなことがあるかもしれません。これで財源を作るというのはちょっと乱暴すぎるんじゃないかと思います。
(田勢)
30兆円ぐらいあると言われているタンス預金を引っ張り出すという効果があるのかもしれませんけど、いきなり出来るかどうかですよね。
(野田)
50年代にフランスが「ピネー国債」というのをやりました。これは失敗してるんです。金持ち優遇じゃないかという公平感の問題から国民の間で異論が出てきたと同時に、相続税が減っちゃっていきますからね。国にとっての財政収支が悪化するわけです。そういうこともあって廃止されています。過去に失敗したものを何故ここで持ってくるのか、これは大いに議論すべき点です。
・財源について
(田勢)
子ども手当も満額支給ということですから、小沢さんが総理になった場合、財源確保が大変になりますね。
(野田)
財源に尽きると思います。菅総理の場合は、1万3000円から財源を確保しながら上積みで、その場合、現金支給か現物支給どちらがいいか柔軟に決めようということで、ある意味では現実的柔軟路線で、多くの国民がそちらを望んでいると思います。
小沢さんは、24年までに満額支給ということですが、所得税の減税にも触れられていますから、財源をどうするんだという疑問がありますね。
皆が苦労しながらやっていて、我々もマニフェストを守ろうと思っています。ただ、それは着実に財源を見つけながらやっていこうということでございまして、この財源論争を期待したいと思います。
・代表選挙後の行方について
(野田)
小沢さんも仰っていますが、どちらが勝ったとしても、負けたほうが足を引っ張るような事をしたり、出て行くというようなことをやってはいけないと分かっていると思います。それはやはり政権党ですから、政権党の責任として、結果が出たらきちんと適材適所に人事を行なう、負けた方も結果に従ってサポートを行なうと、それが問われます。それが出来ないんだったら、政権を担う資格はありません。ねじれ国会だからこそ、党内がねじれていたら対応できないと思います。
(田勢)
長いこと小沢さんを見ていますけれど、自分の近くに寄ってくる人をあんまり使わない人なんです。なので、バランスの取れた人事をやるんじゃないかと思いますけどね。