8月28日に、5年ぶりに見直しされた自殺対策大綱が閣議決定され、TBSラジオ「Dig」に自殺対策支援センター・ライフリンクの清水康之さんが出演。清水さんによる解説を文字起こししました。
まず理念が明確になり、現場の感覚に近づいたといえます。副題として「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して」ということが謳われていて、しっかりとした生きる支援を展開することによって、自殺に追い込まれる人をひとりでも減らしていくという踏み込んだ理念があることが大きさなポイントです。
具体的なところでいうと大きく5つあると思っていて、一つは地域レベルの自殺対策、実践的な取り組みに大きく転換していくことになります。これまでは全国レベルの啓発中心の漠然とした対策になりがちだったのですが、それを転換して、地域の自殺に関するデータをベースにして分析し、地域の特性を明らかにして地域に合った支援を関係者が連携してやっていくということです。
更に言うと、若年層向けの支援の強化が図られていて、これは学校のいじめによる自殺対策ということでもあるんですけど、それだけでなく子どもたちが実社会に出たときに直面する、例えば借金であったり、過労、職場のパワハラなどに、どう対応すればいいかを学校で教えようという、上流に踏み込んだことをやろうとしています。
(Q:学校で教えられるようなものなんでしょうか?)
これには段階があって、すぐに実践できるものではなく、まず現場の学校の先生が新たにやることはとても難しいことだと思います。我々が提案しているのは、学校特区みたいなのを作って、地域を巻きこんだ形でこの教育ができないかということです。重要なのは子どもたちに、問題に直面した時にちゃんと解決策があるんだということを知ってもらうことにあります。それを地域や我々のような外部の人間が入っていって子どもたちに伝えれるようになったらいいと思います。(了)
時間切れでラジオでの解説は中途半端になりましたが、ライフリンクがポイントをまとめたペーパーを公開しています。
http://www.lifelink.or.jp/hp/Library/suicidepolicy2012_lifelink.pdf
上記のポイント以外で注目すべき点として、自殺念慮の割合等が高いとして、性的マイノリティについて言及がなされ、対策が盛り込まれています。詳しくは以下ブログで。
http://s.ameblo.jp/respectwhiteribbon/entry-11340350678.html