汚れちまった悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れちまった悲しみに
今日も風さえ吹きすぎる
汚れちまった悲しみに
たとえば狐の皮衣
汚れちまった悲しみは
小雪のかかってちぢこまる
汚れちまった悲しみは
なに のぞむなく ねがうなく
汚れちまった悲しみは
倦怠のうちに死を夢む
汚れちまった悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れちまった悲しみに
なすところもなく 日は暮れる
「汚れちまった悲しみに」 中原中也
悲しみより かなしみだろうな
「 汚れちまった かなしみ 」 の方が
言霊としてはいいと思うな
かなしみが汚れて
悲しみになるんじゃないかなぁ
こがらし えれじぃ