世にある日々

現世(うつしよ)は 愛おしくもあり 疎ましくもあり・・・・

その きさらぎの望月のころ

2012-08-06 | ひとりごと









・・・・ ふと 思った

そうだ 西行が好きだった  ・・・・・ って



何となく 春になりぬと
聞く日より
                  心にかかる み吉野の山


さきそむる 花を一枝 まづ折りて
           昔の人の ためと思はむ



なんかね 捕らわれもなく こころが自由で
暖かいのだなぁ

でも 本質を突き抜いているところがある



世をすつる 人はまことに すつるかは
               すてぬ人こそ すつるなりけれ



なんて ホント スキな歌です


「地獄絵を見て」 という連作の歌のひとつにこんなのがある



見るも憂 (う) し いかにかすべき 我心
                   かかる報いの 罪やありける



西行という僧侶が 地獄絵を見て
自分の心の中にある罪に怯えている
それを 正直に歌っているのだ

僧侶であるから
それなりの修行はしているのだろうけど
こんなに正直に自分の心の内を歌える人は
とても 魅力的だと思う



風になびく 富士の煙の 空にきえて
                行方も知らぬ 我が思ひかな



苦しみを純化して透過した歌だよね




願わくば 花の下にて 春死なん
                そのきさらぎの 望月のころ




あの世に旅立つ前に こんな洒落た歌を歌うのもいいよね





この世をば まぼろしと言わば まぼろしと
                                          言うもこだわる 愚か人 (おろかびと) かな

                                              by まあ

                                       





 

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