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ゲーテのドイツ語検定試験 B2攻略法 ② "Lesen"

2022年01月16日 | ドイツ留学相談室
2022年1月16日(日)

ゲーテのドイツ語検定試験 B2攻略法 ② "Lesen"
~Strategie für das Goethe-Zertifikat B2 ② "Lesen"~~

”Lesen"の攻略法

問題は全体で大きく5つに分かれていて全部で30問あり、1問1点で30点満点。解答時間は解答用紙への転記時間も含めて65分。各設問の解答時間の目安がそれぞれ示されています。合格最低ラインは18点(100点満点で60点)。僕は21点(70点)でした。

Teil 1(9問/解答基準時間:18分)
あるテーマについて、様々な立場の4人それぞれの意見を読み、与えられた9つのコメントに最も近い意見を持つ人は誰かを選ぶ問題です。

解答のポイントは、各問の主旨を別の表現を使って言い表している人が誰かを見つけること。ゲーテが出している練習問題を例にすると、最初の“Wer sieht im Auto einen Gebrauchsgegenstand?“という問いに相応しい意見を探します。第1のキーワードは“Auto“ですが、この単語は4人中3人の意見に含まれるので絞ることはできません。ここでは“Auto“を“Gebrauchsgegenstand“と捉えている人を探します。
各意見には“Gebrauchsgegenstand“という言葉は使われていないので、それを別の言い方“nicht ideologish“とか“in erster Linie ein Fortbewegungsmittel“といった表現で伝えているdのNilsさんの意見が合致します。

意見のなかに同じ単語が出ているからといって、それに惑わされないこと。同じ単語が使われている選択肢は「罠」だと思ってください。言い換えや同義語が使われている選択肢を見つけましょう。これを見つけるためには、語彙力や柔軟な想像力も求められます。

この設問に示されている例題は、本番の試験では時間節約のため無視して、すぐに問題に取りかかりましょう。

Teil 2(6問/解答基準時間:12分)
新聞や雑誌記事を想定した記事に6か所、抜けた文があり、それに合う文を選択肢から選ぶ問題です。

(読むときに注目すべきポイント)
・記事の時系列を捉えること

新聞や雑誌記事は文学作品ではないので、多くは時系列に沿って記述されています。それに沿った選択肢を見つけましょう。

・相関関係のある対になっている表現や、複数の文が並列で繋がる表現を見つけよう
  -ある事実が述べられ、それについての理由が述べられている
  -ある主張と、それとは別の視点からの意見が述べられている
  -問題点や事実が複数に渡って列挙されている
こうした対構造を見つけるキーワードは、“denn, weil, obwohl...“といった接続詞や、“einerseits, darum, dennoch, darüber hinaus...“といった副詞です。前後の文との関係を示す言葉に注目しましょう。例えば、文中に“andererseits“とあり、その前に抜けた文があって選択肢に“einerseits“とあれば、それが正解である可能性が高くなります。

・定冠詞や不定冠詞にも注目しよう
例えば“Die Stadt“などの定冠詞付きの普通名詞がいきなり文中に出てきたら、その前に“eine Stadt“とか、具体的な都市名が出ている必要があります。僕が受けた試験では、(記憶は不確かですが)文中に“Dresden“という都市名が出ていて、選択肢に“Die sächsische Hauptstadt”で始まる文があったので、これを正解に選びました。

Teil 2にある例題は、記事全体の主旨を理解するために無視せず、解答の選択肢を入れた形で全文を一通り読むことをお勧めします。

Teil 3(6問/解答基準時間:12分)
新聞や雑誌の記事を想定した、あるテーマについての論説文を読んで、6つの問に答える問題です。質問に対する答えを選択肢から選ぶ問題と、問に記された文の前半に繋がる後半部分を選択肢から選ぶ問題があります。

(解答のポイント)
Teil 3に出てくる例題を含めた7つの問は、本文の記載順に対応しています。本文は大抵7つの部分に分かれているので、各問の解答は、それに該当する段落や記載された部分から判断することができます。試験は時間との勝負ですので、最初に一通りテキストを最後まで読んでから改めて問に取り組む時間はありません。最初に問を1つ読み、その問に関連した段落だけを読んで解答して行きましょう。

読むときに注意すべきポイントは、Teil 1と同様に、言い換えや同義語を見つけることです。正解の選択肢は、間接的に本文を説明していることが多くあります。判断に迷って時間がかかるようなら、その問はスルーして次へ進みましょう。1つの問をスルーしても他の問を考える上での影響は殆どありません。

勉強に使った教材で紹介したKlett社のTestbuchには4回分の模擬試験が入っていて、準備にはとても有用ですが、ここに出ている“Modelltest 4“でかなり躓きました。正答率が悪かっただけでなく、解答を見ても、どうしてこれが正しい答えであるのかを理解できなかったのです。ネイティブのドイツ語の先生に見てもらったら、「明らかに問題が酷い」とのこと。どんな風に酷い問題なのか、参考までに先生の解説を紹介します。

Teil3-16
正解がはっきり書かれているのは4段落目の„so lässt ab der Pubertät der Spieltrieb nach.“ という記述。けれど、問題はテキストの各段落に沿って順番に出されるはずなのでルール違反。該当の段落にある"vorwiegend in der Kindheitsphase auftritt"からそれを読み取れ、というのが出題者の意図かも知れないが、これには無理がある。

Teil3-21
正解のcと関連した記述はテキストにはない。敢えて言えば"besonderen Fähigkeiten und Kräfte"がそうかも知れないが、これは現実のことではなくヴァーチャルの世界の話なので、これを元にcを正解とするのは不可能。むしろaが正解に近い(僕はaを選びました)。

先生によれば、良い問題を作るのは大変なことだそうです。実際に出された試験の過去問は公開されていないので何とも言えませんが、本番の試験では「良い問題」が出ることを願うばかりですね。要は模擬試験の結果が思わしくなく、正答を見て理解できなくても「問題が良くない」と思って、あまり気にしないことです。

Teil 4(6問/解答基準時間:12分)
あるテーマについての8人の意見と、各々の意見を的確に表現している見出しを結びつける問題です。8人の意見のうちの1つは例題として使われているだけで、解答の対象からは外れるので、本番では無視しましょう。

ここでも解答で注意するポイントは言い換えや同義語です。問に出てくる単語が意見にあっても、短絡的にその文を正解と思ってしまうと落とし穴があります。要は、問の見出しを的確に説明している意見かどうかを見極めること。大体の内容が合っていても絶対おかしい内容が1か所でも述べられていたら、その意見は選択肢から外れます。

ここでもまたKlett社のTestbuchにある模擬試験の話です。Teil 3で紹介したのと同様、やはり“Modelltest 4“のTeil 4で、解答に納得いかない問がありました。ネイティブのドイツ語の先生はこれも「問題が酷い」とのこと。以下に説明します。

Teil4-22
この問の正解はb。でも納得できませんでした。Bの意見では「8時間勤務を5日するより、9時間勤務を4日した方がいい」と云っていますが、問の見出しは”ein freier Tag pro Woche"です。これを「週1日の休日」と取っても間違いではないですよね。僕は、ここには土日の休日は含まれないという意識がなく、正解できませんでした。そりゃあ頭を働かせて土日以外に休日をもう1日、と解釈することもできるかも知れないけれど、そう思ってこれを選んだら実は引っかけだったという可能性もあるわけだし、問題が不親切です。先生も"ein weiterer/zusätzlicher freier Tag pro Woche"とすべきとのことでした。

Teil4-27
正解はhですが、27の見出しの"Nicht jeder arbeitet gerne alleine zuhause"の"gerne"は、人の好みやポジティブな感情を表す言葉。hではホームオフィスに伴う現実的な困難が述べられているだけで、感情から否定しているのではないのでは?と先生に訊いたところ「全くその通り。ひどい問題」とのことでした。模擬試験で正答できなくても自信を失くすことはありません。

Teil 5(3問/解答基準時間:6分)
施設の利用規定、サークルの会則、賃貸契約、機器の取扱説明書など、ある特定の実用的な規定や案内を読み、選択肢がその規定や案内のどの項目の記述に合致した内容かを問う問題です。選択肢が例題を除いて7つあるのに対して、正答は3つだけなので、選択肢のうち4つは最終的な解答からは除外されます。

スポーツクラブの会則、研究室の利用規則、大学の科目履修規定、学生寮の賃貸契約など、留学生としてドイツに滞在していれば出くわす諸規定が題材にされることが多そうです。なので、このあたりの基本単語を押さえておくといいでしょう(MietvertragとかImmatrikulationsordnungでよく使われる言葉など)。ここでも解答で注意するポイントは言い換えや同義語です。なので、これらに関連した単語の語彙を広げておくといいでしょう。

Lesenに取りかかる際の全般的な留意点
全部で5つある設問はどのような順番で取りかかっても構いません。設問はそれぞれタイプが異なるので、得意なものとそうでないものがあるはずです。不得意な設問で時間をかけ過ぎてしまうと、せっかく正答できる確率が高い得意な設問にかける時間が足りなくなってしまいます。まず一番得意な設問から取りかかり、模擬試験であまり高得点が取れない不得意な設問を最後にやるのがいいと思います。僕はTeil 1, 5, 4, 3, 2の順で取りかかりました。

解答は、解答用紙に記入します。各設問には解答にかける目安の時間が示されていて、それを合計すると60分になります。Lesen全体の解答時間は65分なので、残りの5分は解答用紙に解答を転記する時間というわけですが、解答に時間がかかって転記する時間が足りなくなってしまうこともあります。僕は模擬試験で最後にまとめて転記しようと思っていたら、その時間が足りなくなり、おまけにひとつ転記ミスをして正解を逃してしまいました。解答用紙への転記は、設問を終えた都度やっておいた方が安心です。

試験は時間との戦いです。各設問の解答基準時間を参考に、各設問を始める際にその問題に何時まで取り組めるか、時刻をメモしておくといいでしょう。

① 勉強に使った教材
③ HÖREN
④ SCHREIBEN
⑤ SPRECHEN

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