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カプリ島 ~陽光溢れる色鮮やかなリゾートの島~

2016年08月22日 | 夏のヨーロッパ家族旅行2014
2014年 8月16日(水)

ISOLA di CAPRI
ナポリ湾に浮かぶカプリ島。10㎢ほどの面積しかない小さな島だが、世界中から観光客が絶えることのない、魅力がぎっしりと詰まった美しい島だ。17年前にこの島を訪れたときの思い出、何よりも「青の洞窟」のこの世のものとは思えないほどの美しさは忘れることができない。アグリトゥーリズモで過ごしたソレントからは目と鼻の先ほどの近さなので、日帰りでカプリ島を17年ぶりに訪れた。

ソレントからはカプリ島行きの船が頻繁に出ている。高速船に乗れば20分で着いてしまうが、4人で往復チケットを買ったらなんと136ユーロもした。カプリ島は物価が高いが、行くのにもお金がかかる!

波が高くて、波乗りしているように船が時々大きく上下にふられる。波の上から最下部へジェットコースターのように落ち込むときは客室から歓声が上がった。楽しいけれど、こんなに波があると青の洞窟に入れるかちょっと心配。

間もなく前方にカプリ島が出現。カラフルな建物が並ぶ背景には岩山が聳える変化に富んだ印象的な風景を見たら、17年前に来た時のことをはっきり思い出した。


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船はカプリの港、マリーナ・グランデに到着。海岸沿いにお土産屋がずらーっと並び、山の上にあるカプリ地区の町へ行くケーブルカー乗り場もある。

まずは「青の洞窟」だ。"Grotta Azzurra"の看板が出ている船着場へ行ったが人がいない!まさか欠航?
ソレントから船で来たときもすごく波が高かったが、やはり波が高くて今日は洞窟に入れないとのこと。天気はこんなにいいだけに残念!

家族4人のうち、3人は17年前に青の洞窟に行っているが、その時生まれていなかった息子に特に見せてやりたかった。自分の関心があるもの以外には殆どこだわりがない息子はあまり残念そうではなかったが… だけど残念無念。。。


17年前に青の洞窟を訪れた時の写真

仕方ないのでケーブルカーに乗ってカプリ地区の町へ行くことにした。ケーブルカーのチケットを買うのに行列、そして乗るのもすごい行列だった。

何便も待ってようやく乗れたケーブルカーで標高142メートルのカプリ地区にやってきた。こちらもとても賑やか。ケーブルカー降り場のすぐ脇のテラスからは海方面を見渡せる。

群青色の海が広がり、山の斜面には白い建物がはりついている素晴らしい眺め。ケーブルカーじゃなくて歩いて来てもよかったなー。


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ケーブルカーを降りてすぐのところにあるウンベルト1世広場は、小さいながらもカフェやお土産屋がひしめいていて観光客でいっぱい。リゾート気分満点の華やいだ雰囲気だ。




広場の近くでジェラートを食べてから(3ユーロもした!)カプリ地区の散策開始。

「泊まったホテルに行ってみよう!」と、"Villa Sarah"という表示を見ながら歩き始める。人がすれ違うのにも体をよけなければならないぐらい細くて曲がりくねった道沿いの真っ白い壁は、燦々と降り注ぐ陽光で眩しい。

17年前にこの道を歩いていて、娘はすれ違う人にいつも「チャオ!」と挨拶していたっけ。すると大抵「チャオ、ベッラ!」と答えてくれた。懐かしいな。


ホテルの方向を示す案内板

カプリ島には
こんなシャレた色合いの
マジョルカ焼きの標識を
よく見かける

道の途中には眺めのいい場所が随所にあり、海や山が見える。そして、どこも色とりどりの花が咲き誇り、まさに楽園のような光景。


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17年ぶりにやってきたホテル・ヴィッラ・サラー。このデッキチェア、古い井戸、アーチ型の入口、以前と全く変わっていなかった。この眺めをスケッチしたっけ…


ハイビスカスも咲くおしゃれなホテルだが、息子がトイレに行きたい!と緊急事態…

エントランスにおじゃまして、「17年前にこちらに泊まったんですよ」とレセプションの受付の人に親しげに語りかけ、「ところで、息子がトイレをお借りしたいのですが…」とお願いすると、"Certo!(もちろん)"と快く貸してくれた。

ついでにみんなで借りちゃった!


すっきりしたところで、次は、ガイドを見て良さそうだったサン・ジャコモ修道院に行ってみることにした。来た道を一旦ウンベルト1世広場まで戻る。

広場が近くなるとまた人通りが多くなり賑やかになってきた。狭いカプリ地区だが、賑わっているのはほぼ広場の周辺に限られるようだ。

こんな狭い道ばかりなので車は通れない。その代わりにバッテリーで走る小型の3輪車が、時々人や荷物を運んでいた。

ウンベルト1世広場からサン・ジャコモ修道院へ、今度は船が着いたマリーナ・グランデとは反対岸の方へ歩き始めると、また花と緑がたくさんの静かな道になる。民家も多くて生活臭も感じる長閑な散歩道だ。

青空に白い建物、紅の花… 色のコントラストがいかにも南の島という感じ。

サン・ジャコモ修道院は、島の南岸近く、モンテトゥオーロとカスティリオーネという2つの丘の谷間にひっそりと佇んでいる。この修道院は中世の時代、1370年代に建てられた。この島に残る最大規模の中世の建造物だ。中庭を取り囲むアーチ状に連なる柱の回廊が美しい。


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中庭ではイベントが行われるようで、仮設ステージが作られ、パイプ椅子がたくさん並んでいた。こんなところでコンサートがあれば、さぞいい雰囲気に浸れることだろう…


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修道院の聖堂内部は白を基調としていて清涼感と静寂感が漂っていた。

この他に大小のキオストロや、ギャラリーとして使われている食堂跡などがあり、ここではドイツの画家、ディーフェンバッハの作品が常設展示されていた。

この修道院の建造を主導し、その名が冠されているジャコモ・アルクッチ伯は、アンジェ家のジョヴァンナⅠ世の富裕な秘書だったということだが、アンジェ家が没落した後は経済的にも困窮し、この修道院内でひっそりと暮らしていたという。

絶海の孤島とも言える美しいカプリ島の証人のように、サン・ジャコモ修道院は島の谷間に中世からひっそりと建ち続け、歴史を静かに見守っている。

訪問先で1枚はスケッチしたい。ウンベルト1世広場の近くまで戻った道端でいい風景を見つけた。

その間街中を散歩しに行った奥さんが切り売りピザを買ってきてくれ、それを食べながら仕上げた。

強い日差しと青い空の下の風景は、全ての色彩が鮮やかに映える。それを水彩で表すのは難しい…

スケッチを終えた後も、時間が許す限り町中をぶらぶら歩き。


カプリの物価は何でも高い。同じお土産がナポリの倍するものも!日帰りの観光客が多く消費への貢献度が低いため、少しでも島にお金を落としてもらおうと結託しているのかも。

そんな期待には沿えず、買い物は殆どしなかったが、この島はどこを歩いても絵になる。こんな小さな壁飾り一つとってもアートだ。

再びケーブルカーでマリーナ・グランデに戻ってきた。前回はここで、まだ小さかった娘と一緒にスケッチした。


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ソレントへ帰る船は、行きのような大揺れはなかった。デッキの席はずっと賑やか。アルゼンチンのサッカーのユニフォームを着たお兄ちゃんたちが陽気に騒ぎまくっていた。



17年ぶりのカプリ島は、やっぱり同じように明るく、美しく、パラダイスのようなところであり続けていた。「カプリ島に別荘を持ちたい!」と、いつか何かの自己紹介で書いた夢はもはや実現不可能だが、この島をまた訪れ、前回泊まったヴィッラ・サラーに泊まり、今回見れなかった青の洞窟をまた見ることはできるかな…

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ヨーロッパ家族旅行2010

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