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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

矢野顕子 さとがえるコンサート2009

2009年12月13日 | pocknのコンサート感想録2009
12月13日(日)矢野顕子 さとがえるコンサート2009
 ~NHKホール~

マーク・リーボウ(g)/ジェイ・ベルロウズ(ds)/ジェニファー・コンドス(b)

曲目
Evacuation Plan、しまった、涙の中を歩いてる、??? 、When I Die、いい子だね、クリームシチュー、きよしちゃん、ほんとだね、股旅、ウナ・セラ・ディ東京、学べよ、変わるし、ラーメンたべたい、Whole Lotta Love
アンコール
気球にのって、ふなまち唄


矢野顕子を初めてライブで聴いたのが去年のさとがえるコンサート、そこでライブの良さに味をしめ、今年もさとがえるコンサートを聴きに夫婦でNHKホールへ。

茶髪カーリーのぶっとびヘアと、ハイセンスな色合いのたっぷりドレスという出で立ちで登場した矢野顕子は、その歌もピアノも思いっきりはじけ、色彩も鮮やか。抜群のアッコサウンドを楽しんだ。

去年出たアルバム「akiko」から歌った5曲は去年のさとがえるコンサートでも聴いたが、ライブを聴くたびにもとの姿からより自由に羽ばたいて蝶のようにあちこち飛び回る。それでいて曲が伝えるメッセージはビーンと届いてくる。これが一期一会のライブの面白さ、醍醐味だ。

バンドのバックで6曲演奏したあと、バンドメンバーが中座して独り残った矢野顕子にスポットライトが当たり弾き語りが始まると、途端に世界が変わる。広いNHKホールが小さなライブハウスのような親密な空間になる。あったかい「クリームシチュー」が体も心も芯から温めてくれ、きっと清志郎への追悼の気持ちもあって選ばれた「きよしちゃん」では「いい曲だね…」と歌うごとにアッコさんの思いがどんどん入ってきて、これ以上ないくらいの共感と愛情で「いい歌だね…」と聴き手の心に伝わってくる。

弾き語りが始まって小さくなったアッコさんとの距離が更に縮まって、心の中まで入ってきた。ピアノは体の一部というより指が別の生き物みたいに意志を持って勝手に動き、歌の気持ちを先取りしていくよう。ヴォーカリストとピアニストの2つの光が一際輝く。2月に発売される弾き語りのニューアルバム「音楽堂」が楽しみ!

このあと、ギターのリーボウが戻った「ほんとだね」の前奏で繰り広げられた矢野顕子のピアノとリーボウのギターのセッションは、二人が心でメッセージを送り合ってその場で生まれ出てくる音楽はジャンルを越えた息を飲む即興の世界!

次の曲ではドラムスが、さらに次はベースと一人ずつバンドのメンバーが戻ってきてフルメンバーになった演奏は、不思議と弾き語りの前よりもピアノも、ギターもドラムスも、ベースだってそれぞれの音が浮かび上がり、より親密に聴こえた。ステージは曲が進むごとに盛り上がり、最後の曲「Whole Lotta Love」でクライマックスを迎えた。すごいパワー、炸裂するリズム、熱い吐息。スネアの連打に合わせて照明がスパークし、映像と音と振動がグワッと襲いかかりトリハダが… 矢野顕子のパワーを全身に浴びた。

アンコールを求める手拍子が客席のブロックごとに微妙なズレが生じ、それがエコー効果を生んで、まるでスティーヴ・ライヒのミニマルミュージックの世界が偶然にも現出して会場が更に盛り上がる。

そして再登場したアッコさんはなんと黒いロン毛にシンプルな服装に様変わり。アンコール2曲だけのステージを、特別に用意された大切なステージとして演じきった。勇気をもらった…

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