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ミョンフン指揮 東フィル:ブラームスの交響曲全曲シリーズ(2)

2021年09月21日 |  pocknのコンサート感想録2021
9月17日(金)チョン・ミョンフン 指揮 東京フィルハーモニー交響楽団
第958回サントリー定期シリーズ 
サントリーホール

【曲目】
1.ブラームス/交響曲第3番ヘ長調 Op.90
2.ブラームス/交響曲第4番ホ短調 Op.98
【アンコール】
♪ ブラームス/ハンガリー舞曲第1番 ト短調



ブラームスの第4シンフォニーが終わると万雷の拍手が沸き起こった。客席ではスタンディングオベーションで讃える聴衆の姿も。ミョンフンは1プルトの弦のプレイヤー一人一人とリアル握手。「握手しただけで病気は移りません。素晴らしい演奏をありがとう!」というミョンフンの気持ちが伝わってくる。いい光景だ。ステージに乗るアーティストは感染対策には人一倍気を遣っているはずだし、そろそろステージ上の握手はみんな解禁にするといい。

鳴りやまぬ拍手のなか、ミョンフンは指揮台に上がる前から棒を振り始め、アンコールが演奏された。熱くて濃厚で躍動的、血が沸き上がってくるようで、抒情性も具えたハンガリアンダンスに心を揺さぶられ、血が騒いだ。トリハダ。演奏が終わると喝采のヴォルテージは更にアップし、オケ団員が退場したあとも拍手は続いた。そしてミョンフンはオケのメンバー全員を引き連れての再登場。一人ステージで喝采を浴びるのではない選択をしたミョンフンの気持ち、人柄、東フィルとの良い関係が伝わってくる。アンコールを聴いて、こうしたシーンのなかに身を置くことができて、今夜の演奏会は満足した気分になった。

正直なところ、本割のブラームスのシンフォニーは期待外れだった。第3番ではエネルギーが充溢した開始に胸が躍り期待が高まったけれど、そのあとは心に響かなかった。第4番の第3楽章以降では、ミョンフンならではの熱いパッションが炸裂する場面もあり、「ん!これはいいかも!」と感じることもあったが、それが最高潮までは達しなかった。

ミョンフンの指揮では、過去に東フィルやN響との演奏会で、神がかり的と思うようなすごい演奏を体験したことがあるだけに、期待が高すぎるのかも知れないが、今夜のブラームスは、やはりどこか指揮者とオケの間に、心の核の部分でわずかなズレが生じていたように自分のなかでは感じてしまった。けれど、アンコールではそれが完璧に共鳴して素晴らしい演奏が聴け、ステージでのステキなシーンにも接することが出来たことで、期待は次回へ繋げることとしたい。

アルゲリッチ Meets プロコフィエフ(指揮:ミョンフン)2018.5.16 東京オペラシティ
ミョンフン指揮N響:マーラー5番 2013.6.20 サントリーホール
ミョンフン指揮 東フィル「ドイツレクイエム」2009.11.6 サントリーホール

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