ポチの犬小屋

Macユーザーのポチによる、Vodafone702NK使用日記

Syntraxに新しい風が吹く・後編

2005年07月12日 | 2.各種測定、自作物
昨日は、サンプル素材を702NKにコピーして、Syntraxに読み込ませる
ところまでやった。今日はそれを曲らしく形にしてみようと思う。
Macで同じ作業をする時にくらべ、10倍以上の時間と労力がかかるけど
サンプル主体の楽曲作成を携帯電話でやるというのは新鮮で面白い。



まずはパターンを組む。分解能は16分音符まで。BPMは最高300なので
倍にしても、たいした解像度は得られない。同時発音数も1トラック1音なので
サンプルで和音を構成させるためには複数トラックを使用しなければいけない。
次に、作ったパターンをメインウインドウ上に貼り付けていく。これが面倒。
パズルのピースをはめこんでいくようにひとつひとつ全部、手作業で貼る。
また、元サンプルのBPMは120だけれど、右の写真のようにSyntraxでは121に
している。これはループのつなぎ目に隙間が出来てしまうことの回避策。



左画像の「VOLUME」エンベロープはなるべく大きく(上に)設定したほうが
音質のロスは少ないようだ。音量を調整出来る設定場所は全部で3箇所あるけど
パターンに音量FXを書き込んでしまうと、ここの「VOLUME」でしかミックス
バランスは調整出来なくなる。また、サンプル音に対してはパンの変更が効かない。
このように、常に危険と背中合わせなので、データは複製しておいたほうが安全。
でも、サンプル素材が多くなると、曲データのセーブに1分以上かかるという・・・。

今日の時点で、ビブラフォンとパーカッションのサンプルを追加したので
最終的に使ったサンプルの総容量は1.2MBになった。この時点でソングデータは
1.5MBになっていたので、圧縮せずに丸々内包しているのだろう。
Syntraxはまだまだ余裕で再生出来るようだ。元々、かなり良いソフトになる
ポテンシャルを秘めたソフトなんだろうけど、細部の作り込みがあまりにも甘い
のがもったいない。ま、こっちの曲もテキトーなのでお互い様か。



さて、ようやく形になったので、今回も記録映像を作成しよう。
音声はSyntraxからAD-15経由でライン録り。(dp使用)
パンニング出来ないせいで、せっかく買ったAD-15のステレオ感を
デモンストレーション出来ないのが残念なところ。

このムービーとソングデータはこちらへ→702NK関係の物置

Syntraxに新しい風が吹く・前編

2005年07月11日 | 2.各種測定、自作物
今やフリーウェアとなり、気軽に入手可能となったKLAARのSyntrax
えげつなくエレクトリカルな内蔵シンセサイザーのせいか、テクノや
エレクトロニカ向けのソフトウェアだという、変な先入観を持っていた。
実際のところ、生っぽいプリセットなんて無いに等しい。

ところが先日、「サンプル主体の作曲は可能か?」という、ちょっと新鮮な
コメントをsakさんからいただいたので、サンプラーモジュールを
最大限に生かすような曲作りにチャレンジしてみようと思う。

まずはSyntraxに取り込む素材を作る。今回はギターとパーカッションだけ。
生を強調するために、ギターは生録り。パーカッションも極力、生っぽい
シーケンスになるように心がけて打ち込む。(Reason使用)
今回使うサンプルを連続再生した音源はこちらで公開中→702NK関係の物置



Syntraxはモノラルのwavファイルが読み込める。
wavファイルを702NKにコピーしたら、Syntraxフォルダーの「Sound」
直下に移動する。サブフォルダーは作ってはいけない。直置きする。
そして、Syntraxのサンプラーモジュールにサンプルを一個ずつ読み込む。



サンプルはスタート位置やループ設定など、加工・編集が可能なんだけど
あまりにもめんどくさいので、ここには手を触れない。
また、シーケンスを組む際に何の音か分からなくなるといけないので
いちいち名前を付けてあげる。これぐらい自動でやってくれよ・・・。

さて、Syntraxはバグの総合商社なので、クラッシュさせないためにも
やっちゃいけない事が多々ある。実際に曲データが吹っ飛ぶ痛さを味わうと
イヤでも体が覚えていく。で、今回新たに分かった大きなバグをご紹介。

「サンプルを読み込んだInstrumentをセーブすると元のwavが壊れる」

・・・wav、2つ返して・・・。

次回、「Syntraxに新しい風が吹く・後編」では、今回用意したサンプルを
実際に組み立て、曲らしく仕上げてみようと思う。
ていうか、もうほとんど出来てるんだけど(笑)

音質くらべ・まとめ

2005年06月14日 | 2.各種測定、自作物
なんと、あのMamo-Dead4.0のmamosukeさんから、BouceMP3を頂きました。
702NKユーザーの方との具体的な交流は(メールですが)これが初めて(笑)
mamosukeさん、本当にありがとうございました。すごいです、コレ。



mamosukeさんの先日の記事の通り、対応フォーマットがかなり豊富。
wavはCDクオリティもOKなので、仮に702NK対応のCDライターがあれば
このBouceMP3で内容を確認しつつ、製品クオリティのCDが焼ける。
また、rm、wma拡張子も認識するので、これらも再生出来そうな雰囲気。
ただし、このフォーマットのファイルの作り方が分からないので未確認。
さらにソフトを終了させた時もoggplayのように一瞬操作不能になるような
挙動はせず、かなり安定している。

では早速、先日とまったく同じ条件で測定開始~。



比較対象になるFFT画像は以下の通り。
RealPlayerのFFT画像oggplayerのFFT画像AACPlayerのFFT画像

ご覧の通り、今回も各ソフトにおける音質の差は確認出来ず。
では、各ソフトで演算が違うと思い込んでいた、音量変更時はどうだろう?
音量ゲージが10段階あるRealPlayer、oggplay、BounceMP3の3本で検証。
それぞれ、音量ゲージ5で再生。せーの、ドン。







おお、微細ながらも差が出た。特に10kHz以上。
オリジナルのFFT画像と比較すると、RealPlayerとoggplayの11kHz域は
ロスが出ている。BounceMP3にはヘコみが無い代わりに僅かな歪みがある。
この帯域の音が聴こえにくくなるのが良いか、聴こえるけど歪むのが良いか。
しかし、音量フルではBounceMP3もロスしている。
音量下げて再生可能範囲が広がった?????

まとめに先日、cabさんよりいただいたコメントをちょっと引用。

OggPlayのページを見ますと、OSの用意したMMF(Multimedia Framework)の
機能を利用してMP3やAACは再生しているようですね。
OSが機能を用意しているのであれば他のプレーヤーもそれを利用している可能性は
高いと思われるので、それで違いが出ないのかもしれませんね。」

オリジナルのまま再生する際には、ずばりこれが答えでしょう。
しかし、音量5での測定結果から、音量の増減時には各ソフトで
(BounceMP3だけ?)独自の演算を行っている可能性がある。
とはいえ、どのソフトも極端に音質が変わるものではなく、同じように
優秀なので、どれを選んでも間違いはないというのが結論。

さて、音質くらべは以上でおしまい。
BounceMP3を提供してくださったmamosukeさん、重要なコメントを
投稿していただいたcabさん、本当にありがとうございました。

ソフト別で音質くらべ

2005年06月10日 | 2.各種測定、自作物
先日やったiPodとの音質比較に続いて、今度はプレイヤー別で音質比較。
手順は前回と同じ。テスト信号を各ソフトのMaxボリュームで再生し、
それを702NKからPowerBookにラインで送り、dpで録音する。
そんでそいつのFFTを比較する。



ただし、今回は再生能力の上限と下限もチェックしたいので、前回と信号音が違う。
今回使用するのは、10Hz~20000Hzまで幅広く帯域を持った、上のような信号音。
比較し易いように極力フラットにEQしたかったんだけど、これが限界。



実験に協力してもらう702NKのAAC再生ソフトはこの3本。
標準装備のRealPlayer、おなじみoggplay、それからWorP@holicさん
以前紹介されていたAACPlayer。公正を期す為、スキンも方向性を統一。
今回もiTunesのAACエンコード「高音質」で変換したものを各々で鳴らす。

本当はMamo-Dead 4.0さんで紹介されていたBounceMP3というソフトも
比べてみたかったんだけど、入手先が分からず断念。

さて、それでは皆さん、張り切って再生してください。ピーーーーーー。







足並み揃え過ぎだって(笑)

でも、oggplayは高域と60Hz域にわずかな歪みがあるかな。
なお、AACPlayerだけはソフトウェアゲインが出来るらしく、ゲージを
最大にすると、音量が4倍に増幅されてしまうため、ゲージ9で計測。
9で他の2つとぴったり重なるので、このソフトは9がオリジナルらしい。

さて、計測上はこのように同じような結果なのに、何故ソフトウェアに
よって明らかに音質が違うと感じる事があるのだろう?
それはずばり音量を変えて聴いているから。と断定してしまおう。
オリジナルを素のまま再生する分にはロスが無いけれど、音量を増減させる
演算は各ソフトによって微妙に違うので、そこで差異が生じるっつーアレだ。

では次回は1刻みで音量を変えたものを測定、、、って出来るか、そんなもん。
とりあえず、まとめてしまうと結論は明快。

「良い音で聴きたかったら、ボリュームは最大で」

以上。

iPodと音質くらべ

2005年06月09日 | 2.各種測定、自作物
512MBのメモリーカードを手に入れて、iPod shuffleと同等の許容力を
持った我が702NK。これはもう、「音楽ケータイ」と呼べそうだ。
さて、気になる音質のほうはどうだろう?
というわけで、今日はiPodとの再生能力比較実験。

下準備として、リファレンスになる信号音をTest Pattern Makerを使って用意する。
-20dbの100Hz、1000Hz(いわゆるイチケー)、15000Hzの3つをiTunesの
AACエンコード「高音質」で変換し、iPodと702NKそれぞれに送る。



702NKに送る時はSendViaBluetooth様を使えば、拡張子の書き換えも自動で
やってくれるので便利。「.3g2」に書き換える設定もある。素晴らしい。
これで、iPodと702NKには拡張子が違うだけの、まったく同じファイルが
行き渡ったはずだ。



両者をPowerBookのライン入力端子に直結し、音量最大で再生させる。
ちなみに702NKの再生アプリケーションはoggplayを使用。
両者からの再生音はdpで録り、MasterWorks EQで波形を見る。





なんと、702NK大健闘!音量差ぐらいしかほとんど視認出来ない。
ケーブル類の差異もあるのに、ここまで同じような結果になるとは。
(20kHzは両者ともまったくダメだった事は書かないでおこう)



いつも突っ込みどころが多い実験やってるなあ、とは思うけれども。
、、、ジョブズよ、専用機が携帯電話と同等でもいいのか。
この際、iPodにもPentiumだか何とかっていうの入れちゃえよ、ハゲ。
うそうそ(笑)
ていうか単純に702NKが優秀なんだね、やっぱり。