運のいい人

朝まだ6時まえ、
Ｋよんの携帯メールの音が隣の部屋から聞こえて来た。
こんな時間のメールは
フロリダに住むＯちゃんに決まっている
むこうは夕方なのだろう。

彼女の事を考えると運が良いとか悪いとか
確かにあると思ってしまう。（さだまさしの歌ではないが）
ＯちゃんとはＫよんの島忠オープニング時代のアルバイト仲間
当時Ｏちゃんは大学生、Ｋよんはトリマーの専門学校生だった。
彼女は特別可愛い訳でもないが、妙にモテる女の子で
バイト先に彼女を好きだと言う男の子が一杯いたし
泣かせた男の子もいた。

そして、大学をでて就職をするのではなく
Ｋよんと同じようにやりたいことを学ぶために
写真の専門学校へ
彼女は単身パソコンを背負い、
テロの一週間前にアメリカに渡った。
フロリダの写真専門学校で学ぶために。

モテる女の子は国際的にモテるらしい
程なく彼女は白人のハンサム坊やをGetして
３年間の同棲の後

ビザが切れると大騒ぎ、挙句に２月に駆け込み結婚へ。

女の子の幸せは表面的には結婚なんだろう。

しかし、運のいい人は運がいい
結婚を手に入れ、カメラの仕事も捨てたくない。
Ｋよんは、結婚もしたのだから、カメラの夢は捨てて生活のために
他の仕事をしたっていいと言っていた
しかし
彼女は結婚も夢も諦めなかった。

数日前、Ｋよんが午前出勤をする30分前、フロリダの彼女から、電話がかかってきた。
日本の某スポーツ紙に写真と記事を書いている人が、引退したいので、
その仕事を引き継いでくれないかと打診してきたらしい。
なんでも、他の日本人のカメラマンは仕事で撮った写真を
金儲けのために売ってしまう人ばかりだけれど
Ｏちゃんは信頼出来るから引き継ぎたいと言うことらしい
それでＫよんに履歴書の書き方、敬語の使い方を教えて欲しい
アメリカに居るうちに日本語が変になってしまったとか。
それでＫよんは
履歴書には敬語はいらない゛です゛゛ます゛で書くこと。
長所短所も時には長所も短所に成り得るから
自分の写真に対する志し、希望をしっかり伝えればとアドバイス

朝のメールは履歴書がOKだった事を伝えてきたらしい

アメリカに渡って３年かな・・・いい仕事にも巡りあえて本当に運がいい
そういう人には福みたいなものが付いて居るのだろうか
モテるし仕事にも恵まれている