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自然に取り込まれた『松尾川ダム』

2008年08月25日 | 徳島の川景
吉野川の県内上流部に流れ込む水系の一つに、
清流で知られる松尾川があります。

国道32号沿いで『大歩危小歩危』の名で知られる深い渓谷。
そこに架かる『祖谷口橋』を西へ渡り、
祖谷川に沿って延びる県道32号線(祖谷街道)をしばらく進むと
県道をそれて、景勝『竜ヶ嶽』に向かう林道が現れます。

その林道に車を乗り入れると祖谷川と別れ、
いよいよ松尾川の上流を目指すことになります。

ところで、上流に何があるのか?

先ほどの景勝『竜ヶ嶽』をはじめ、
渓流の女王『アメゴ(ヤマメ)』が狙える谷や
「おいしい」と評判の『竜ヶ嶽の岩清水』の水取場など、
自然の恵みが待っているわけです。
それを知って、県内はもちろん、隣の香川県からも、
毎日といっていいほど多くの人がせっせと訪れています。

そして本日のポッポニュースがご紹介するのは、
松尾川の最上流部ともいえる山中に、
満々と水を湛えるダム湖『松尾川ダム』の景観です。

地区名にちなみ、別名を『春ノ木尾ダム』ともいう『松尾川ダム』が、
完成したのは昭和28(1953)年のこと。
最大貯水量1260万立方メートル、満水時面積59ha、
水を堰き止める堤は、重力式コンクリートの堂々たる偉容を誇っています。

ところで、ダムという建築物は、不思議なもので、
時にはいくつもの村を湖底に飲み込み、
かつての景観をがらりと変えてしまうにもかかわらず、
今、山奥で満々と水を蓄えながら、ひっそりと静まりかえっている様子は、
「ずっと昔からそうだったんじゃないか」と、
見る人に納得させるチカラがあります。

自然に楯突くようでいて、
自然に包み込まれてしまっているからかもしれません。
1カ月ほど前、入道雲と遠雷が迎えてくれるなか湖畔を散策してみました。

一人、ルアーを投げる中年の男性に出会いましたが、
あとは生きものに出会うことはありませんでした。
ダム湖までの車中、かまびすしく鳴いていたセミの声も、遠雷も、
深い緑色に静まりかえった水面が吸収してしまったのか、
あまり聞こえなくなっていました。


▲山あいに突然現れる偉容。それが不思議と緑に溶け込んでいる


▲ちょうど渇水の時期にあたったが、冷たい水がまだたっぷりとある


▲ダムの上に伸びる歩道。入り口にカギはなく、どうやら自由に入ることができるようだ


▲ダムの上から、下流の渓谷を望む。緑も渓谷も深い


▲ダムが、渓谷と人工湖を隔てている。あるいは融合させている


▲湖へ降りる階段が設けられている。水量が減るほど、段数は増える

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