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隊長のエンヤコラム 音楽家と私 その1 『ビートルズと私』

2007-08-25 13:02:53 | 隊長のエンヤコラム 音楽家と私
私は中学生の時、ビートルズと出会いました。
当時の私は、幼稚園に行く前から習っていたピアノと小学3、4年の頃にやっとのことで別れ、5線譜もト音記号もバイエルもツェルニーも、ピアノに係わる全てをまるで宿便を洗い流すかの如く捨て、平和な音楽生活に浸っている真っ最中でありました。
その静かな日々をビートルズはレット・イット・ビーという卑劣な飛び道具を携えて、私の心に入り込んできたのです。
バカ盛りの中学生の耳に、あの印象的なピアノの前奏が響きわたったのでございます。
「ポールは偉い!」迂闊にも私は思ってしまいました(名誉のために申し上げておきますが、今はジョージが好きです)。
その日から私は、ビートルズなしでは生きていけない体になってしまいました。
レディー・マドンナはどうやって弾くのだろう? ハロー・グッドバイにピアノが入ったら変だろうか?
数年間開くことのなかった我が家のピアノの蓋が、ビートルズによって開いてしまったのです。
私は直ちに科学合奏隊・ヌルの一員となり、放課後の音楽室を占拠する輩となりました。
音楽室では飽きたらず、我が家の狭いピアノ部屋を練習場にいたしました。
そして、ビートルズをやってやってやりまくり、遂には彼らに捧げる歌まで作ってしまいました。
今思えば微笑ましいというよりは、空恐ろしい日々でありました。
世間には沢山の音楽があるということが分かったのは、私が高校生になってからです。
それによってようやくビートルズは、まるで憑き物が落ちたように、私から離
れていきました。
いや、そうではありません。ビートルズがonly oneではなく、one of themだと
見れるようになったのです。
ビートルズはまるで麻疹か水疱瘡のように私を手玉に取り、駆け抜けていきました。
しかし単なる通過儀礼として、跡形もなく消え去ったのではありません。
一生消えない水疱瘡の痕として、私の中に残り続けていくのであります。

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