今週のPOSデータから/売れ筋・トレンド、POSに出る

PosBankシニアアナリスト・井上正敏が、トピックスを展開していきます。

POSBANK、売れ筋プリン。1位は、定番「森永の焼プリン」。2位以下、激戦。「なめらかプリン」が躍進中。

2013年09月04日 | 2013年後期トピックス

      

デザートは、「別腹」といわれます。たくさん食事を食べた後でも、デザートを食べる余地がある食欲表現ですが、
私たちの体は満腹状態になっても美味しいものを見たり想像したりしたとき、脳の働きによって再び食欲を促進させ
る働きがあるといわれます。つまり脳が刺激をうけ、胃の中にデザートの入るスペースを作ってしまうワケで、食欲
に個人差があったり、大食漢の人の特別な食欲ではないようです。そう考えると、「別腹」とは実にウマイ表現です
ね。コンビニの売れ筋データを見ていると、ランチの後や、夕食のデザートにカップデザートを食べる機会が多くな
っていることが推察されます。「ちょっとスイーツが食べたい」という、「別腹」の志向が定着してきたのでしょう
か。ちなみにコンビニにはカップデザートとして、プリン、ゼリー、ヨーグルト、カップアイスなどのカテゴリーが
ありますが、ヨーグルト以外はおやつの時間帯やコバラのすく時間帯よりも、昼食の時間帯と夕食の時間帯に購入さ
れる比率が高い傾向が見られます。首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早
く捉えられるPOSBANKのデータには、最近のコンビニデザートの傾向がリアルタイムにあらわれています。 

グラフ1.は、カッププリン類カテゴリー(プリン・ムース・杏仁豆腐等)、日別販売数量推移グラフです(第26
週~第35週)。第35週の売れ筋ランキング上位6商品の推移を見たものです。このカテゴリーは、「森永の焼プ
リン」がたえず1位をキープし続ける傾向が見られるのが特徴(今年の春先にアンディコ「こだわり極プリン」がリ
ニューアル新発売された際に一時的に、1位の座を譲りましたが)。グラフ左端から中央にかけて見られるように、
今年前半は「森永の焼プリン」を中心にアンディコ「こだわり極プリン」とグリコ「Bigプッチンプリン」の3ブラン
ドで推移を続けていました。一方で、昨年あたりまで「森永の焼プリン」と売れ筋ランキング1位を競っていたメイ
トー「なめらかプリン」は下位での推移が目立っていました。ところが、ここに来て、先々週の始めころから右肩あ
がりに上位復活。今週は、アンディコ「こだわり極プリン」、グリコ「Bigプッチンプリン」の2ブランドを抜いて
売れ筋ランキング2位に躍進。さらに、毎年秋になると売れ筋上位に顔を出すメイトー「とろけるかぼちゃプリン」
が5位になるなど、プリンカテゴリーは激戦の様相。「森永の焼プリン」と、メイトー「なめらかプリン」の推移グ
ラフでは、8月下旬から2週間、他の商品よりかなり高めでの推移が見られます。これは、ちょうど店頭での価格プ
ロモーションの実施期間。商品力に加えて、ちょっとした価格の魅力が、売れ筋の差になっているのでしょうか。

表1.は、カッププリン類カテゴリー(プリン・ムース・杏仁豆腐等)、売れ筋ランキングです(第35週)。上位
に、個性的なカッププリンがランキングされているのが分かります(太字)。ちょっと大きめ140gのボリウムと
本格的な焼プリンの味わい、「森永の焼プリン」。コンビニ限定販売、170gのグリコ「Bigプッチンプリン」。
それと、ひと回り小ぶりな110gの2つプリン、メイトー「なめらかプリン」と、アンディコ「こだわり極プリン」。
サイズの特徴と風味の特徴から、「別腹」ごとに、好みのプリンが選べるわけです。それでは、食欲の秋に向かって
ランキングはどう動く? 首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えら
れるPOSBANKのデータチェックが気になってきました。


                          売れ筋・トレンド、POSに出る                  
                               POSBANK
  

     グラフ1.カッププリン類カテゴリー(プリン・ムース・杏仁豆腐等)、日別販売数量推移グラフ(第26週~第35週)


     表1.カッププリン類カテゴリー(プリン・ムース・杏仁豆腐等)、売れ筋ランキング(第35週)


      ※ 客層の年齢目安。子供:~15才。若者:16~29才。成年:30~49才。熟年:50才~

               (POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査) 


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