今週のPOSデータから/売れ筋・トレンド、POSに出る

PosBankシニアアナリスト・井上正敏が、トピックスを展開していきます。

POSBANK、年末年始ビールの売れ筋。大晦日は自分にご褒美、コンビニ限定「ザ・プレミアム・モルツ」。

2014年01月09日 | 2013年後期トピックス


  久しぶりに、日並びに恵まれた年末年始。2回の土日をはさんで、9連休という11年ぶりの大型休暇になった
人たちも、多かったようです。報道によれば、年末年始を海外で過ごした人も、帰省を含めて国内旅行をした人も、
それぞれ前年比で約2%増と、過去最高を記録したといわれています。また毎年、初詣の参拝者数で1位を記録して
いる東京の明治神宮では、今年も、約320万人と過去最高を記録(1月3日、17時現在)。こういった海外旅行
派や、国内移動派の非日常ライフスタイルが話題になる反面、普段の生活とあまり変わらない休暇を送るライフスタ
イルも、しっかりと存在するわけです。首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがい
ち早く捉えられるPOSBANKのデータには、イベント続きの年末年始ならではの購買傾向が現われています。と
くにこの時期は、一年のうちでかなり、お酒を飲む機会が増えることもあり、ビールやビール系アルコール飲料のコ
ンビニPOSデータには興味深いものがあります。

 グラフ1.は、ビールカテゴリー、日別販売数量推移です(第44週~第1週)。2014年第1週(第53週)
の売れ筋上位5商品の10週間の推移を見たものです。グラフ上位にNO1.ブランドの2商品、「アサヒスーパー
ドライ缶」の350MLと500MLが3位以下の商品を大きく引き離して推移しています。10月下旬から1月初
めの全期間にわたって、ほぼ平行に推移しているのが分かります。また、この時期、他の3商品も並行して推移。ビ
ールの売れ筋商品が、安定していると推測されます。ところが、グラフの右端、12月最終週の年末から年始にかけ
て、「アサヒスーパードライ缶」の350MLと500MLと、「サントリーザ・プレミアム・モルツ 330」2
つのピークが見られます。ひとつ目は、12月27日(金)。仕事納めが終わって、「缶ビールで、一杯!」。NO
1.ビールやプレミアムビールなら、ちょっとリッチな気分が味わえるわけです。この2つのブランド、27日(金)
以上に大きなピークが見られるのが、大晦日。とくに「ザ・プレミアム・モルツ 330」の場合、27日(金)の
ピークに比べ大晦日のピークが大きくなっています。普段の週末に飲むビールと違って、大晦日は特別の日。自分へ
のご褒美に、「ザ・プレミアム・モルツ」を味わっているのでしょうか。ちなみに、他のビール系アルコール飲料の
年末年始の売れ筋1位をPOSBANKのデータベースで見ると、第3のビール(リキュール)は「サントリー金麦
 350ML」、発泡酒は「キリン淡麗グリーンラベル缶 350ML」、もうひとつの第3のビール(その他・雑
酒)は、「キリンのどごし生 350ML」ですが、いずれのカテゴリーも、大晦日でも元旦でもなく、27日(金)
に圧倒的なピークの高さが見られます。仕事納めのひと缶と、ご褒美のひと缶には、選ぶビールに違いがあるようで
す。

 表1.は、ビールカテゴリー、売れ筋ランキングです(第1週)。販売構成比を見ると、1位と2位の「アサヒス
ーパードライ缶」、350MLと500MLで、40%近くを占めています。そのあと「キリン一番搾り生ビール 
缶」、「サッポロ 黒ラベル」、「サッポロエビス缶生」、「キリン ラガー」と定番ロングセラーブランドが続く
中、この年末年始も「サントリーザ・プレミアム・モルツ 330」が3位を占めています。コンビニ限定で、35
0MLよりちょっと少な目の330MLでもプレミアムビール、350MLの缶ビールよりちょっと高めでもプレミ
アムビールよりは低価格。価格とサイズで、手に取りやすくやっている点が、大晦日のピークに結びついているので
しょうか。それとなぜか気になる、購入時間帯。「サントリーザ・プレミアム・モルツ 330」の場合、昼前後と
午後早めの購入比率が、どのビールよりかなり高め。11時から16時台で約40%の購入比率(太字)。昼のビー
ルは美味しいといわれますが、昼のご褒美ビールは格別なのかも知れません。

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      グラフ1. ビールカテゴリー、日別販売数量推移(第44週~第1週)。

      表1. ビールカテゴリー、売れ筋ランキング(第1週)

      ※ 客層の年齢目安。子供:~15才。若者:16~29才。成年:30~49才。熟年:50才~
               (POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査) 


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