今週のPOSデータから/売れ筋・トレンド、POSに出る

PosBankシニアアナリスト・井上正敏が、トピックスを展開していきます。

POSBANK、売れ筋ソバ・うどん。きつねは、朝たべられる?1位,「どん兵衛きつね」。2位,「赤いきつね」。

2013年08月28日 | 2013年後期トピックス

    

日本には、世界でも稀なほど多様な食物があります。それだけに、国民食として日々親しまれている食物も多様です。
米が主体のお茶漬けや、おにぎり、お寿司、外来のカレーライスや肉じゃが、それにすき焼きも見逃せませんが、麺類
も国民食として私たちの生活に定着しています。統計上の集計が難しいので推測になりますが、幅広い層に人気のラー
メン店、ソバ店、うどん店を合わせると、日本全国で約10万軒前後になるといわれます。年々新規出店が続いている
コンビニの総数が、約5万軒。身近になったコンビニのちょうど2倍、ラーメン店・ソバ店・うどん店が点在している
計算になります。行きつけのコンビニを起点にして周囲を見渡すと、そのイメージがわきますね。文字通り麺類は、身
近な国民食になったわけで、カップ麺として定番化している一因も、ここに見られます。ところで、首都圏250店以
上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるPOSBANKのデータには、すっかり生
活に定着した和風カップ麺、そばとうどんの動向が現われています。 

グラフ1.は、カップめんカテゴリー(焼そば・パスタ・そば・うどん等)、日別販売数量推移グラフで(第25週~
第34週)、売れ筋ランキング1位の「ペヤング ソース焼きそば」と、そば・うどんの上位5商品の推移を見たもの
です。このカテゴリーのうち、年間を通じて焼きそばが上位を占める傾向が強く、そば・うどんは、年末年始と1月か
ら2月にかけて上位を占める特徴が見られます。反対に6月から8月の暑い盛りには、汁もののそばやうどんは下降気
味に推移するわけです。グラフを見ると、「ペヤング ソース焼きそば」のひときわ大きな推移が見られ、夏の間の人
気ぶりが分かります。その下に、日清「どん兵衛きつねうどん」と、マルちゃん「きつねうどん」の推移グラフが続い
ています。6月の推移グラフに比べて、梅雨明けの7月上旬以降はやや下降していますが、猛暑日や真夏日が続いた割
には、安定した推移が見られます。よく言われる、クーラーの効いた室内で熱~いカップ麺を食べる、小さな贅沢を堪
能している人も多少見られるのでしょうか。それと、この小さな贅沢は別にして、カップうどん、カップそばの思いが
けない食べられ方が見られるのも、最近の特徴。きつねは、朝たべられる?  

表1.は、カップめんカテゴリー(焼そば・パスタ・そば・うどん等)、売れ筋ランキングです(第34週)。売れ筋
1位から3位までが焼そばで占められていますが、上位10商品のうち5商品でそばうどんがランキングされています
(太字)。いずれも、年末・年始や年越し蕎麦の時期に人気を集める、馴染みのブランドですが、思いがけない食べら
れ方とは、購入時間が物語っています。朝5時~7時の時間帯の購入比率が高いのです(太字)。昼食や夜食、日中の
間食ではなく、早朝のカップ麺! ライフスタイルの24時間化によって早朝の活動が増え、カップ麺の新しい出番が
登場したわけです。とくに、「緑のたぬき 天そば」を見ると早朝の購入比率が、20%強。「赤いまめきつねうどん」
の場合は18%強ですが、こちらはミニサイズだけに朝食の味噌汁代りに食べられていることが推測されます。こうい
ったライフスタイルに密着した食べられ方の増加によって、猛暑の時期でも、温かいカップうどんやそばが購入されて
いるのかも、知れません。それでは、秋に向かっての反応は? 首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、
いち早く売れ筋とトレンドが捉えられるPOSBANKのデータをこまめにチェックしたいものです。

                         売れ筋・トレンド、POSに出る                  
                               POSBANK

                     
     グラフ1.カップめんカテゴリー(焼そば・パスタ・そば・うどん等)、日別販売数量推移(第25週~第34週)


     表1.カップめんカテゴリー(焼そば・パスタ・そば・うどん等)、売れ筋ランキング(第34週)


      ※ 客層の年齢目安。子供:~15才。若者:16~29才。成年:30~49才。熟年:50才~

                 (POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査) 


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