今週のPOSデータから/売れ筋・トレンド、POSに出る

PosBankシニアアナリスト・井上正敏が、トピックスを展開していきます。

缶チューハイが売れている。度数強めが売れている。1位、キリン「氷結ストロングレモン」。お酒もコスパ?

2014年03月10日 | 2013年後期トピックス


つい先ごろ、2013年のビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)出荷量が発表されました。結果は、前年比
1%減と、現行統計となって以来、2005年から9年連続して過去最低を記録。プレミアムビールが人気になっ
ているものの、若者や女性のビール離れが拍車をかけているように思われます。その背景として、コスパ、つまり
コストパフォーマンス(内容対価格比)を重視するトレンドを反映して、不振のビールカテゴリーの中でも割安の
第3のビール、あるいは缶チューハイが販売数量を伸ばす傾向が見られます。とくに、近ごろの缶チューハイの躍
進ぶりは、RTD (Ready to Drink。栓を開けて、そのまま飲めるアルコール飲料)人気もあり、顕著なものがあり
ます。その点を、首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるP
OSBANKの売れ筋データが物語っています。

グラフ1.は、POSBANKのスピリッツカテゴリー、月間販売数量推移グラフ(2011年~2013年)で、
過去3年間の販売数量の推移を見たものです。昨年(2013年)の推移グラフを見ると、2012年と2011
年に比べ、ほぼ毎月同等以上の販売数量を記録しているのが一見して分かります。とくに昨年は梅雨明けが極めて
早く、7月から9月中旬まで猛暑が続いたとはいっても、需要期の春先から秋にかけて販売数量を急伸させた、缶
チューハイカテゴリーの人気ぶりがグラフに表れています。また、この時期の特徴として、度数8%のサントリー
「-196℃ストロングゼロ」や、キリン「氷結ストロングレモン」といったストロングタイプがコスパの良さと、
飲みごたえの強さで、徐々に売れ筋ランキング上位を占めていたわけです。 

グラフ2.は、スピリッツカテゴリー、日別販売数量推移です(第52週~第9週)。年末から、直近の第9週ま
で10週間にわたる、売れ筋上位5商品の推移を見たものですが、やはり度数の高いストロングタイプが連続して
上位を占めています。昨年末から度数を1度高い9度に上げたキリン「氷結ストロングレモン 500ML」が1位
で推移しています。また、度数を8度に上げ、昨年に続いて期間限定発売されたサントリー「-196℃桃ダブル」
が2番手で続いています。このサントリー「-196℃桃ダブル」の場合、発売時の「山」の高さと、それ以降の
推移から、リピート購入している人が多いものと推測されます。理由は、やはりコスパと飲み応え? それと、飲
んでいるのは、どんな人?

表1.は、スピリッツカテゴリー、売れ筋ランキングです(第52週)。売れ筋上位をストロングタイプが占めて
おり、購入者の中心はアルコール類のヘビードリンカーの成年男性と成年女性。中でも、「-196℃桃ダブル」
の購入者のうち12%強が成年女性。購入の理由としては、桃のみずみずしい甘みとソフトな香りをWで実現した
風味だけでなく、酒豪の女性が増えてきたからでしょうか(太字)。それとも、コスパに厳しい女性たちが、4月
からの消費税アップに備えているのでしょうか。そうなると、首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、
売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるPOSBANKのデータウオッチングが、欠かせないものになってきまし
た。
   

                       売れ筋・トレンド、POSに出る                  
                            POSBANK

  

      グラフ1.スピリッツカテゴリー、月間販売数量推移グラフ(2011年~2013年)
 
            
      グラフ2.スピリッツカテゴリー、日別販売数量推移(第52週~第9週)


      表1.炭酸飲料カテゴリー(小型PET・びん)、売れ筋ランキング(第51週)


      ※ 客層の年齢目安。子供:~15才。若者:16~29才。成年:30~49才。熟年:50才~

             (POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査) 


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