今週のPOSデータから/売れ筋・トレンド、POSに出る

PosBankシニアアナリスト・井上正敏が、トピックスを展開していきます。

POSBANK、売れ筋缶コーヒー。30~40代女性の売れ筋1位、「ボスグリーン」。メタボが気になる?

2014年01月30日 | 2013年後期トピックス


  太鼓の胴のように丸く大きく張り出した太鼓腹、あるいはビールが原因とも思えないけれどもドンと突き
出たビール腹。メタボ(内臓脂肪型肥満)の体型は、昔から30代~40代の男性をイメージさせるものが多
かったようです。必然的に、メタボは男性のことと思われがちですが、メタボ検診の対象世代である40歳以
上女性の調査によると、女性のメタボ層が増えています。ちなみに、40歳以上のメタボ該当者とメタボ予備
軍を合わせると約20%になるといわれ、さらにメタボに関心を持っている女性は、70%以上にも上ってい
ます(国民健康・栄養調査)。体型を気にするダイエットへの関心だけでなく、メタボをはじめとする健康へ
と関心がシフトしていると思われます。それだけ健康志向の商品に関心が向けられるわけですが、首都圏25
0店以上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるPOSBANKのデータに、
その傾向があらわれています。

 グラフ1.は、缶入り飲料カテゴリー(ボトル缶除く缶コーヒー等嗜好飲料)、成年女性の日別販売数量推
移グラフです(第47週~第4週)。第4週の成年女性の売れ筋上位5商品の推移を見たものです。全客層と
成年女性層のデータを比べると、ランキングされた上位5商品は変わりがありませんが、順位に大きな変動が
あります。食事中の脂肪の摂取が抑えられる特保の缶コーヒー、サントリー「ボス グリーン」が新発売と同
時に成年女性の1位になっている点です。POSBANKのデータでは成年女性は30才から49才の人たち
で、メタボ世代とかなりオーバーラップしています。健康志向の高まりで、最近は微糖や無糖・ブラックの缶
コーヒーに人気が集まる傾向がありますが、とりわけ脂肪の摂取が抑えられる特保に手を伸ばしたのでしょう
か。それは、なぜ? メタボへの関心が高いから? 今年の4月に新発売された、脂肪を燃やす効果のある特
保、「ヘルシアコーヒー」のPOSデータを見ると、なんと「ボス グリーン」と同じ傾向。花王「ヘルシア
コーヒー 微糖ミルク185G」は、新発売と同時に大きなピークを見せ、やはり成年女性の売れ筋1位にな
っています。その後の直近ランキングでは、新発売された2商品とも売れ筋ランキング10位台~20位台で
安定推移、花王「ヘルシアコーヒー」の固定ユーザーになっているのでしょうね。その点では、花王「ヘルシ
アコーヒー」と、サントリー「ボス グリーン」、2つのケースを見ると商品の魅力もありますが、大人の女
性たちの特保への関心の高さが推察されます。

 表1.は、缶入り飲料カテゴリー、売れ筋ランキングです(第4週)。こちらは、全客層の売れ筋ランキン
グですが、サントリー「ボス グリーン」が第3位、花王「ヘルシアコーヒー無糖ブラック」が15位、花王
「ヘルシアコーヒー微糖ミルク」が第22位と、特保の缶コーヒーが3商品を占めています(太字)。ここで
も、ひとつの傾向が見られます。成年女性の購入比率(太字)。女性に人気のカフェオレと同様に、成年女性
が約10%の構成比になっていますが、サントリー「ボス グリーン」と、花王「ヘルシアコーヒー」の今後
の推移は? バーガーショップで、コーヒーチェーンで、コンビニで、コーヒーを飲む機会が増えてきた女性
たちが、「ボス グリーン」の登場をキッカケに、特保の魅力を持った缶コーヒーにシフトしていくのでしょ
うか。首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるPOSB
ANKのデータに注目です。


                  売れ筋・トレンド、POSに出る                  
                        POSBANK
  

       グラフ1.缶入り飲料カテゴリー、成年女性の日別販売数量推移グラフ(第47週~第4週)


      グラフ2.缶入り飲料カテゴリー、売れ筋ランキング(第4週)

      ※ 客層の年齢目安。子供:~15才。若者:16~29才。成年:30~49才。熟年:50才~

               (POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査) 


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