昔一度読んだ本でも気にしないけれど、先生は割りと多作家なので、新しい本もどんどん上梓されますね。
今週読んだのは、
「お菓子手帖」
「新学期」
「野川」
の3冊。
「お菓子手帖」は、長野先生の自伝的な作品。先生は私より年上なので、全部は理解できないのですが、
森永ハイクラウンチョコレートの妖精カードとか、カバヤのジューCとか、重なっている部分もたくさんあって、うなずきながら読みました。
動物ヨーチ(これ、名前知らなかったなあ・・・)とか、私も好きでした。形の嫌いな動物から食べたな(笑)。
昭和のかほりですよ~。
「新学期」は、長野作品につきものの、少年たちの世界。女の子には入れない閉鎖された純粋さが凝縮した感じ。
「野川」は比較的新しい作品で、ある少年の2学期の話。うん、この作品、すごく好きです。
伝書鳩が出てくるんですけれどね、今の若い子たちは、伝書鳩なんて知らないし、見たことないんだろうなあ。
私が小さい頃は、駅前の小さなビルの屋上に鳩小屋があって、そこで飼われていましたねえ。
駅のホームから、その鳩小屋の様子を見るのが好きでした。
たまに空を見上げると、たくさんの鳩が上空をぐるぐる回ってから、一方向に飛び去っていったものです。あれは訓練をしていたんだろうなあ。
テレックス(これも、今の若い子は知らないんだろうなあ)とかが普及してきたからでしょうか、いつの間にか鳩小屋がなくなっていたのに、随分がっかりしたものです。
それでも、駅前の伝書鳩のオーナーさんは、他よりもかなり長い間、頑張って鳩を飼っていたと思いますが。
レース用の伝書鳩だったのかもしれませんね。
う~ん、ノスタルヂック。
で、本の話に戻りますが、この話は出てくる登場人物がみんな良いです。
主人公も、主人公のお父さんも、学校の先生も、先輩も、同級生の山田くんも、飛べない鳩のコマメも・・・。
訓練から帰ってこなかった鳩がどうなったのかとか、これからどうなるのかなどの説明はなく、でも、自分で見たことのない風景なのに
目の前に想像が広がる、素敵な作品です。
なんとなく、プラネタリウムに行きたくなりました。