妹から電話があった。
転移したガン治療のため病院を移るから と。
腕に転移したガンが今度は頭に・・・
10年以上も前、乳がんの手術をして、7年目に腕に転移、今度は頭に・・・
毎日、毎日、その恐れを感じて暮らしていた彼女。
腕が痺れて料理ができず、でも働いている家族のためにとネギ1本切るのに両手を使って頑張った彼女。病院へ行くバス停まで20分も歩いて行くという。抗がん剤のだるさと往復の疲れで家に戻ると横になるだけと。姉さんグチを聞いて とよく電話をかけてきた彼女。
家族に心配をかけたくないからと、病気のことも詳しく話してないという。
秋田だったら、交通もいいし、こっちで治療したら と云ったが、家族がいるから、ここは動けないから と。
妹は3月初め地元でさくらが咲き始めたのも知らずに、旅立っていきました。
和尚さんのすぐそばで、悔しさで押さえきれない涙と、線香の匂いでむせかえり、涙が零れ落ちないように、ただ、ただ、葬儀会場の天井を見上げていました
娘の結婚式でうれしさいっぱいの笑顔の遺影をながめ、病と闘った彼女に「ありがとう」 と。
人はいつかは生を終える。
人それぞれの生き方を。
グチを聞いていたつもりが、実は私の安らぎのひとときであった。
大切な仲間を失ったガンが憎い。
生きたくても生きられなかった 彼女のためにも 生きられるだけ生きてやる!