凛太郎の徒然草

別に思い出だけに生きているわけじゃないですが

みんなワインがそんなに好きなのか

2005年09月11日 | 酒についての話
 ワインについては全然知らない。

 もちろん飲んだことがない、というレベルではないし、どんなふうに醸されているか、などの知識はある。しかし、圧倒的にいただく機会が少なくてワイン好きから見れば「お話にならない」というレベルである。
 これがまわりの人たちにとっては不思議らしい。

 僕は自他共に認める酒好きであって、守備範囲はある程度広い。広い、というのはレベルが高いという意味ではないですよもちろん。つまり日本酒であるならば、山廃純米大吟醸から三倍増酒まで、という広さである。ベテラン杜氏の手で醸された最高級の味わいをもつ酒も呑むし、ワンカップの品評までする、といった広さである。日本酒マニアから言わせればそれは日本酒好きではない、と言われるだろうが、ピンキリを知ってこそ美味い酒の価値がわかるというものですよ、といつも煙に巻いている。ただの呑んべであるという意見はとりあえず置いておいて。

 しかし、ワインについては困ったくらいに経験値が低い。
 経験値が低いことについては自分なりに原因はわかっている。決して嫌いだからではない。それは食べ物との相性の問題である。
 僕は、外で食事をする場合、滅多にレストラン、ビストロといったところには出没しない。もちろん連れ立って行くときには居酒屋であるし、個人的にこういうところへ行くときは何かの記念日とかの「ハレの日」だ。堅苦しいからだということではない。しかし、メニューを組み立ててコースとして食事をするのはあまり性にあっていないのかもしれない。一品づつ料理をチョイスしてつまみつつワインを飲む、といった形態のワイン・バーもしくはバール、ビストロ的雰囲気のところなら居心地がいいかもしれないけれども、いい店を残念ながら知らない。
 それに結局、酒は食べ物に奉仕させるもの、という気持ちで呑んでいる僕にとっては、ヨーロッパ系の料理よりもアジア系(日本含む)の方が好みなのだな。それでワインがちょっと縁遠くなってしまったのかもしれない。居酒屋が主流だからワインを飲まないのだ。

 そんな話を先日していたら、意外そうにある若い人が言った。

「凛太郎さんは居酒屋でワインを飲まないのですか?」

 これは僕のほうが意外だ。なんで居酒屋でワインなんだ? 居酒屋の王道メニューと言えば刺身、焼き鳥、モツ煮込み、おでん、もろきゅう、冷奴てなもんじゃないですか。どこにワインが入り込む余地がある?

「焼き鳥でも煮込みでも、僕達はワインですよ」

 と、さも常識であるかのように言う。うーん。なんだかヘンな感じがするな。
 しかしこの「焼き鳥に赤、天ぷらに白」という飲み方については賛同者が多いのである。僕より年配の方でも「そっちのほうが飲みやすい」という。なるほどね。否定する気はありません。そういった飲み方の方が今では主流なのかもしれない。
この「和食にワイン」という組み合わせについては、実は先達が多くいる。例えば作家の開高健もその一人。
 開高健は僕も敬愛する作家の一人だが、この人は「刺身に白ワイン」ということを提唱し始めた一人だろうと思う。そんなふうに随筆に書かれている。料理屋に上質のワインを持ち込み、相性の良さについて言及している。しかしそれは、質の悪い日本酒が主体だった時代になんとか呑める酒を…ということでやったことだと解している。今のように吟醸酒が出回る時代だったら開高健も白ワインを持ち出さなかったのではと思うのだが。

 好みというのは難しい。僕はワインを飲むと、どうしても香りが果実酒であるがゆえに、醤油との相性に疑問が生まれるのだ。なので、刺身とワインという組み合わせは出来ればしたくない。しかし、これは好みの問題なのだよなぁ。
 ちなみに、日本酒でも吟醸酒は、その吟醸香(フルーティな香り)がどうも食べ物とバッティングするので、食前酒などに呑むことが望ましいと以前にも言ったことがある。誤解を恐れずに言えば「美味すぎる酒は料理を殺す」とも言えるのではないか。

 ちょっと袋小路に入ってしまった。経験値の少ない僕はワインについてはやっぱり語れないな。
 ワイン好きは「ワインはアルカリ飲料なので血をサラサラにするのだよ」「赤ワインのポリフェノールは身体にいい」「世界中で最も飲まれている酒であり中国人も飲んでる」と言ってすすめようとする。はいはいそりゃわかってますって(汗)。
 とりあえず僕の感想としては「ワインはつい飲みすぎる」と言って逃げる。「健康のために不味い日本酒や焼酎を呑んで節制しているのだよ」と言ったりする。好みというのは本当に難しい。
 僕がこういうところに書く際に、日本酒やブランデーや焼酎は「呑む」、ビールやワインは「飲む」と書き分けていることに気が付いてくださる人もいると思う。つまり、僕にとってワインはそういう感覚なのですな。修行が足りないと言われそうだが、これ以上修行したら肝臓のカラータイマーが点滅してしまう。




コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 僕の旅 愛知県  | トップ | 生牡蠣とシャブリ »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
日本酒 (アラレ)
2005-09-13 14:57:47
もともとお酒は強くないんですが

最近、日本酒を飲めるようになりました。

以前までは、どうしても、アルコールの匂いが

鼻について飲めなかったんです。

少し飲むと二日酔いしたりして…



でも、おいしい日本酒は違うんですね。

おいしい日本酒とイカの塩辛…この味がわかるようになったのは、自分自身“財産”だった気がします。

ただ、酔うことに関しては日本酒はダントツに酔っ払う気がします。

おいしい日本酒はくいくい飲めちゃうんですよね。うん。

ワインにチーズが合うように

日本酒にはイカの塩辛…これできまり。



どこがお酒に弱いって?(笑)
これからは日本酒シーズンで♪ (凛太郎)
2005-09-13 23:20:15
いつもありがとうございます♪

ワインのことなど書くのはやっぱり無理がありました(笑)。このあと、秋から冬へと季節が移りゆく中で、日本酒の記事がおそらく増えてくると思います。なんぼでも語ってしまいますね。(←迷惑なヤツ)



塩辛のように軽く発酵させたうまみの強い肴と日本酒は黄金の組み合わせかと。僕はこれからの季節にはやはり燗酒が望ましいですね。秋も深まると、これで一杯やるのはこたえられないのですな。( ̄m ̄* )ムフッ♪

コメントを投稿

酒についての話」カテゴリの最新記事