おうえんの森スタッフブログ

故郷グルメガイドを企画運営する「おうえんの森」のスタッフブログです。
海外・国内旅行とグルメ等がテーマです。

ドバイとアンマン、そしてパレスチナ

2023年10月27日 | 旅行

①ドバイの世界最高828m・206階の「ブルジュ・ハリファ」2010年完成。噴水ショーも人気。↑

 

 今日現在(2023年10月27日)、同年10月7日にハマスの奇襲で始まったイスラエル・ガザ地区の紛争が続いています。ユダヤ教徒(ユダヤ人)とイスラム教徒(パレスチナ人)の根深い歴史的・宗教的な対立は、平和で安定した将来図を描けないでいます。

 筆者は2023年2月に、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(写真①~④)とヨルダンのアンマン(写真⑤~⑦)を観光で訪れました。ドバイは裕福で世界一高いビル等があり先進的な街です。ヨルダンは中東の中にあって政情が安定していて、アンマンは伝統的なイスラムの街です。どちらも観光客には魅力的な都市です。機会がありましたら両方の訪問をおススメします。

◆ドバイ写真

②水が豊かなドバイ。中央が7つ星の世界最高級ホテル「ブルジュ・アル・アラブ」。↑

③店舗数1200を誇る世界最大級の「ドバイモール」。店舗以外の遊戯施設も充実。↑

④ドバイモールの中にある水族館。無料で見れるギネス級の巨大水槽。↑

◆アンマン写真

⑤石とレンガの街、アンマン。遠くにヨルダンの巨大な国旗がたなびく。↑

⑥アンマン人気観光スポット、2世紀に築かれ約6000席のローマ劇場。↑

⑦アンマン市内のマーケット。政情が安定している街で食料品も豊富です。↑

 同じ中東にあって、昔はともかく、現在のドバイとアンマンは対照的です。その違いの根源を考えてみると、誰もが常識として知っている中東ゆえの「石油」(資金源)に差異があるのではないでしょうか。そんなわけで、改めて石油産出国を整理してみました。

◆石油産出国(産出量の多い順。下線はOPEC加盟国)
サウジアラビアイラクアラブ首長国連邦(UAE)、イラン、クウェート、カタール、オマーン、エジプト、シリア
◆非産出国:ヨルダン、イエメン、イスラエル、トルコ

 こうしてみると、ドバイ(UAE)とアンマン(ヨルダン)の経済力の違いが明確になります。と同時に、イスラエル・パレスチナ地域は石油が全く算出されない悲運の土地であることも再認識できます。天然資源だけが富や成長・発展・安定の源泉ではありませんが、現在においてパレスチナが他の中東イスラムの国々から遅れて、貧困から脱出できない大きな要因(悲運)なのではないでしょうか。

以上

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イスラエル・ガザ地区の戦争危機に思うこと

2023年10月17日 | 旅行

①ユダヤ教の嘆きの壁と隣り合わせのイスラム教の岩のドーム

 ハマスのテロ攻撃を契機に、今(2023年10月17日時点)、イスラエル・パレスチナ自治区のガザ地区での戦争危機に世界の注目が集まっています。筆者は2023年2月にイスラエルのエルサレムとテルアビブを観光で訪れました。エルサレム観光バスツアーでは、流暢な英語で観光名所を案内するアラブ人ガイドが、世界中から聖地を訪れている観光客に向けて、首都エルサレムでは、ユダヤ教徒とイスラム教徒とキリスト教徒が隣同士で平和に暮らしている様を誇らしく話してくれました。それが、わずか8か月後の今、どうなっているのだろうか?テレビや新聞、ネットの報道を昼夜チェックしている毎日です。

②世界から聖地巡礼に訪れる滞在客の国旗がホテルに掲げられ、観光バスが絶えない。

③キリストのお墓がある聖地「聖墳墓教会」の入口。観光客でごった返している。

④「聖墳墓教会」の中で。

⑤ユダヤ教徒・イスラム教徒・キリスト教徒が住んでいるエルサレム旧市街の商店街。

⑥エルサレム旧市街を取り巻く周辺は、近代的な住宅やビルが立ち並ぶ。 

 

 この戦争危機(内戦?)の根深い背景に人口問題があるように思います。2021年11月29日付けのジェトロのビジネス短信が、ヘブライ語と英語で発行されている「ハアレツ」紙の報道を伝えています。イスラエルの国家経済会議が、イスラエルの人口は2050年までに現在(2021年)の920万人から70%増の約1,568万人になり、その3分の1強の560万人が19歳以下の若年層で占められ、65歳以上の高齢者も120万人から237万人に増加するとのこと。人口の約8割を占めるユダヤ人も約2割のアラブ人も子供の誕生を強く望みますから、人口は着実に増加していくと予測されるのでしょう。

 日本は現在、少子高齢化と人口減少が顕著で人口増加は想像しがたいです。しかしながら、昭和時代の高度経済成長期には、人口急増と大都市圏への人口集中に対応して、各地で田畑や山林が買い上げられて宅地造成やニュータウン開発が強力に推進されたことを思い起こします。パレスチナ自治区をめぐる争いの背景には、歴史的・現実的な宗教・民族の対立や貧困・差別・格差問題がありますが、現在進行形で迫りくる人口急増問題があるように思えてなりません。

以上

※参考に過去の関連ブログ

2023年5月22日投稿 エルサレムについて

2023年9月19日投稿 テルアビブについて

 

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住めば都の多摩ニュータウン、「縄文の村」を訪問

2023年10月15日 | 旅行

 住めば都の多摩ニュータウンに、筆者は約30年間住んでいます。多摩ニュータウンは、稲城市・多摩市・八王子市・町田市にまたがる東西14km・南北1~4kmに広がるエリアです。多摩ニュータウンは立ち並ぶ団地群でイメージされますが、森や林、公園、街路樹等の緑豊かな自然環境に恵まれています。計画された学校や商業施設、鉄道・道路等が整備・管理され、子育て世代にもシニア世代にも生活しやすい街です。

 その中心的地区である京王相模原線と小田急多摩線の多摩センター駅から徒歩5分に、都内の埋蔵文化財の発掘調査や研究、収蔵を行う「東京都埋蔵文化財センター」があります。多摩ニュータウン内では約1,000か所の遺跡が発掘されていますが、同センターは、1960年代からの多摩ニュータウンの開発計画と並行して、同エリア内で旧石器時代から近世までの770か所の遺跡を発掘調査しています。

 1985年(昭和60年)には、多摩ニュータウン内で発掘された土器や土偶、石器等の遺物を収蔵・展示・学習する施設(写真①~⑤)が建設されました。更に1987年(昭和62年)に、縄文時代の集落遺跡にあった約6千年前等の竪穴住居3棟や当時の植栽を復元して遺跡庭園「縄文の村」(写真⑥~⑪)が隣接されています。

 それでは、展示ホールと縄文の森を訪問してみましょう。

①東京都埋蔵文化財センター/展示ホールの入口。駅から徒歩5分・入館料無料と利便。

②入口で縄文人がお出迎え。右側写真でニュータウン内の遺跡位置を確認。

③時代ごとに土器や土偶等が展示され分かりやすく、しかも”触る”ことが許可されている!

④展示物の中でも人気の土偶で、稲城市若葉台の遺跡から出土した。

⑤土器・土偶等大量の発掘品が所蔵されているが、その一端が窓からのぞける。

◆縄文の森

⑥縄文の村の入口。

⑦入口を入ってすぐ右にある遺跡庭園の案内看板。

⑧入口を入ってすぐ正面にある約4,500年前の住居の復元で、約8㎡と大きくはない。

⑨庭園内は当時を再現する50種類以上の木々・草花が茂り、中を遊歩道に沿って見学できる。

⑩発掘された位置に復元された約6,500年前の竪穴住居で約20㎡と大きい。中に火が見える。

⑪中にある小さな焚き火だが結構暖かった。煙は天窓から抜けていく。

◆まとめ

 多摩丘陵地帯は、縄文の時代から水や木々、動植物等に恵まれ、地震や水害等の自然災害に強い自然環境を利して人々が住み着き、現代に至るまで住み続けていると言えます。少し大げさですが、多摩ニュータウンは1万5千年以上前の縄文以前の旧石器時代から現代まで、そしてこれからも人々の住めば都の“永遠のニュータウン”ではないでしょうか。

 「縄文の森」は入園料無料、展示ホールも入館料無料です。京王相模原線・小田急多摩線・多摩モノレールの多摩センター駅から徒歩5分程度で、周辺は商業施設も充実しており大型の駐車場も多数あるので半日や日帰りのレジャーに利便です。詳しくはホームページ等でご覧ください。

◆おまけ

 多摩センターは「サンリオピューロランド」があることで人気です。「縄文の森」はピューロランドから徒歩1分、一つビルを挟んですぐ横にあります。1時間弱もあれば、ついでの見学で十分に楽しめます。日本の歴史や文化の勉強になります。

以上

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多摩ニュータウンの長池公園を散策

2023年10月09日 | 旅行

 昔から“住めば都”と言われますが、筆者は東京都の「多摩ニュータウン」に住んで約30年になります。

◆ニュータウンの予備知識
 さて、国土交通省が2018年(平成30年)度に作成した「全国のニュータウンリスト」によると、戦後の高度経済成長時代における人口の増加と都市部への人口集中を受けて、都市郊外の田畑や山林、埋立地等で住宅確保と公共施設の整備を目的として、区画整理や新規宅地開発が活発に行われました。こうした地域は「ニュータウン」と称され、計画人口数千人程度から10万人を超えるものまで大小合わせて全国47都道府県に2,022地区もあります。その総面積は18.9万㌶で大阪府の面積(19.0万㌶)に匹敵し、全国の住居系用途地域の面積の15.1%にもなっています。

 その中で、計画人口が10万人を超えるビッグプロジェクトは4つあり、事業開始年順に、1960(昭和35)年の大阪府の千里ニュータウン、1965(昭和40)年の大阪府の泉北ニュータウン、1966年(昭和41年)開始の東京都の多摩ニュータウン、1974(昭和49)年開始の神奈川県の港北ニュータウンです。

 高度経済成長時代において、人口の多い団塊の世代(1947~49年/昭和22~24年生まれ、現在76~74歳)が結婚し、団塊ジュニア世代(1971~74年/昭和46~49年生まれ、現在52~49歳)を育てるために、日本には数多くの「ニュータウン」が必要だったと言えます。特に地方出身者が集中した首都圏や関西圏ではそれが顕著でした。

 しかしながら、「ニュータウン」は1990年代のバブル崩壊以降、失われた30年ともいわれる経済低成長の下で、建物・施設の老朽化が進むとともに、子供たちが成長し団地を離れ、出生率の低下・少子高齢化・人口減少の時代を迎えて、「オールドタウン」化の問題に直面しています。

◆住めば都の多摩ニュータウン
 オールドタウンの典型と揶揄される「多摩ニュータウン」ですが、昔も今も、子育て世代にもシニア世代にも住みやすい自然環境に恵まれた街です。鉄道や道路等の交通機関も利便です。

 日本は国土面積の67%が森林という世界有数の森林大国です。自然環境の観点から、緑に囲まれた美しい景観とそこに生息する豊かな生物多様性を持つ国です。多摩丘陵地帯を開発した多摩ニュータウンは、立ち並ぶコンクリートの団地群がイメージされますが、実は日本らしい森や林、公園等の緑豊かな自然環境に恵まれ、それらが市やボランティア住民らによって年間を通じて良く管理されている、まさに住めば都の街です。

①公園案内図。

◆八王子長池公園
 一例として、2023年10月に大きな団地群が隣接する八王子長池公園(写真①~⑩)を散策してきました。雑木林や芝生広場、池や小川、管理施設等があり、整備された散歩道を歩いて四季折々に里山の自然環境が楽しめます。最寄駅は京王相模原線南大沢で徒歩20分の距離です。ニュータウン内の少し遠い方でもバスやマイカーで10分~20分程度で来られます。自然保全型公園として天然の自然を活かしながら計画・開発され、現在は市から委託され、地域住民や近隣企業等が会員となっている「NPOフュージョン長池」が環境保全の活動を行っています。

②長池公園入口。

③天然の雑木林。

④草花も咲く。

⑤キノコもあり。

栗やドングリ

⑦池に鳥,魚,亀。

⑧看板も親切。

⑨公園内の見どころ案内。

⑩環境保全です。

以上

 

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「南米のパリ」と呼ばれるブエノスアイレスを訪問

2023年10月02日 | 旅行

 海外旅行ガイド等で必ず使われている「南米のパリ」というキャッチコピーは、どこの都市のことでしょうか…?
 筆者は2023年2月に、その都市、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスを訪問してきました。前年12月にサッカーW杯カタール大会でフランスを破り優勝したお祭り騒ぎの余韻がまだ街のいたるところに残っていました(写真①)。

①有名な7月9日通りに建つ「オベリスク」(左側の塔)近くの真っ赤なコカ・コーラのW杯優勝記念の広告。

 アルゼンチンは中南米でブラジルに次ぎ2番目、世界でもロシア・カナダ・中国・米国・ブラジル・オーストラリア・インドに次ぐ8番目に面積の大きな国です。総人口は約4,500万人ですが、首都ブエノスアイレスの都市圏は人口約1,500万人の大都市圏です。

 街中を観光してみると、建物・建造物や道路、カフェ等が確かに「南米のパリ」に相応しい欧州的な感じを受けます(写真②③④⑤)。加えて、筆者は中南米を代表するブラジルのリオデジャネイロとサンパウロ、メキシコのメキシコシティを同時期に訪問しました。どこも長く植民地時代を経た多民族国家なのですが、ブエノスアイレスには、黒人やアジア系、先住民系(インカ帝国等を築いた人々の子孫)の人々が少なく、むしろ白人や白人系が多い感じを受けました。

②ブエノスアイレスのシンボルである1936年に建てられた高さ67mの「オベリスク」。

③1908年に開場した座席数約2500席の「コロン劇場」。

④5月広場に建つカサ・ロサーダと呼ばれるピンク色の大統領府。

⑤街中のカフェ。この時店先で男女のカップルがタンゴを踊っていた。

◆何故、白人が多いのか?

 歴史と文化を調べると、ブエノスアイレスの人種的特徴に納得しました。アルゼンチンは、19世紀半ばに国家の西欧化(白人化)を目指し、移民法を制定し国策として欧州からの移民を積極的に受け入れました。最も多かったのがイタリア人とスペイン人で、ドイツ人、イギリス人、フランス人、ユダヤ人等も少なからず、戦争や貧困等から逃れ、より良い生活を求めて移民してきたのです。もともと16世紀からの植民地時代以来スペイン人と先住民の混血(クリオーリョ)が国民の多数を占めていたのに欧州から大量の移民が加わることで、他の中南米諸国よりはるかに白人化が進んだのです。彼らヨーロッパ移民が築いた街並みが「南米のパリ」と親しまれるようになったのです。

 アルゼンチンは、マラドーナやメッシ、バティストゥータ等が活躍したサッカーW杯で3回優勝を誇りますが、ラグビーも盛んで、W杯第1回大会から第9回2019年の日本大会までベスト8に4回進出し、その内第3位1回、第4位1回という日本をはるかに上回る実績の強豪国です(※2023年大会では決勝トーナメント進出1枠をかけて日本とアルゼンチンがガチンコ勝負します)。まさに南北アメリカ大陸で最強であり、欧州のチームと肩を並べるラグビーをみても欧州的で、ブラジルやメキシコとは文化の違いを感じさせます。

 音楽ではアルゼンチンタンゴ発祥の地です。食べ物では世界有数の食肉生産国で、アルゼンチンのハンバーガーも美味しかったです。

⑥アルゼンチンと言えば牛肉、とにかく迷ったらハンバーガーを注文すれば問題なし。

以上

※追伸:2023年10月8日のラグビーW杯フランス大会で、アルゼンチンは日本を39対27で破り、決勝トーナメントに進出しました。日本は2大会連続のベスト8は叶いませんでした。

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