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大阪芸大ジャーナリズム研究会

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若さと肉体で劇場を沸かす 学外公演『真田風雲録』【動画ニュース】

2025-03-20 20:59:54 | ニュース



 3月15日、SkyシアターMBS(大阪市北区梅田)で、学外公演『真田風雲録』が上演され、昨年から磨き続けた堂々の演技を舞台芸術学科生が披露。観客から温かい拍手が贈られました。<吉岡 心、神農 雄>


(写真:SkyシアターMBSの入場口)

 3月15日と16日に、SkyシアターMBSで、「前学科長 浜畑賢吉追善 大阪芸術大学 舞台芸術学科 学外公演 『真田風雲録』」が上演されました。この舞台は、関ヶ原の戦いで親を失った少年少女たちが、大坂の陣で真田幸村の部隊に加わり戦いに挑む姿を描く物語。時折笑みがこぼれてしまう場面を織り込みつつ、息の合ったダイナミックな歌唱ダンスシーンや、肉弾での合戦など、舞台芸術学科生たちの若さと肉体ならではの演出が特徴。さらに、音声や照明、道具作りなども学生が担当しました。

 公演初日の3月15日、観客席には、高校生やその保護者、一般の観客など750人ほどが集まりました。
 いよいよ幕が上がり、舞台芸術学科生たちが登場。昨年から始まり、2月からはほぼ毎日だったという稽古で磨いた堂々の演技を披露。アクロバットの要素も取り入れたダンスシーンで、劇場を大いに沸かせました。終盤の合戦シーンは、石垣の大道具と石の小道具を活用した肉弾戦。ステージを目いっぱい使った、迫力ある場面となりました。3時間に及ぶ公演も無事終演。カーテンコールでは、裏方で支えてきた舞台芸術学科生たちも登壇。客席からは今日一番の手拍子と拍手が贈られ、興奮冷めやらぬまま観客たちは梅田をあとにしました。


(写真:学外公演 『真田風雲録』カーテンコール)

 淀君役の学生の活躍を見ようと愛媛から来たという家族。
 母親は、「楽しく演技していることが伝わってきて、芸大でこの道に進ませて良かった」とほっとした様子。
 祖母は、「大きな声でハキハキ演技をしていたのが特によかった」と孫の成長を嬉しそうに話しました。
 また父親は、「うちの娘に合った役柄で、キャスティングが上手だった」と笑顔で応じました。

 放送学科1年の女子学生は、演技に関わるサークルに所属している目線で観ていました。「合戦のせめぎ合いを、石の大道具小道具で抽象的に表現していたのが、演劇ならではの良さだったと思う」と一言。
 映像学科4年の男子学生は、「今日の舞台で、演劇って面白いものなのだとわかりました」と舞台芸術学科生に感謝を伝えました。

 知人からの紹介で来たという他大学1年の男性は、「一番良かったのは、キャストたちの演技が輝いていたこと。歌いながらのダンスに鳥肌が立った」と笑みを浮かべました。
 他専門学校1年の男性は、「美術道具も学生が作っていたことにびっくりした。クオリティの高さがすごいと思った」と驚いた様子でした。

 大阪芸大から送付されたお知らせを見て来たという高校の教員。「3時間の舞台を、疲れた表情を見せずにやり切っていたのが、エネルギッシュでさすが芸大だと思った。高校生から見ても、舞台を学ぶ上で第一候補になりえる大学だと思うので、鑑賞できて良かった」と満足そうでした。

 「通し稽古を何度も繰り返すたびに、全部の演技が良くなっていった」と振り返ったのは、舞台芸術学科3年で猿飛佐助役の髙野皓平さん。「勢いある作風の中、自らのエネルギーをどのように観客席に放出すればいいのか。けがをしない体づくりや声をからさない発声の仕方など、工夫すべきところを学べて楽しかった」と続けました。

 趣味で男装コスプレを嗜んでいるという、海野六郎役の吉岡杏莉さん(同)。「動きや言動で男性に見えるよう意識して演技した。私が演劇に夢中になったきっかけは、高校の演劇部で最初に浴びたカーテンコールで、苦しさと悔しさの先にあった景色に圧倒されたのを覚えている。そして今日、SkyシアターMBSという大きな舞台でライトを浴びることができ、すごく嬉しかった」と感極まりながら語りました。

 三好伊三入道役の上原英治さん(同)は、元々稽古の段取りを調整する役割を担っていたところ、演出の内藤裕敬教授からの一声で、急遽演技も担当することになったといいます。「演技以外の礼儀作法や準備なども作品の質に大きく関わることが分かり、演技と段取りの仕事は、両方つながっていたのだと感じた。公演を通じて、音響や照明の人、衣装や道具を作る人、外部の人などと関わることができたので、もう少し将来のことを悩みたい」と前を向きました。

 「ケーブルやアンテナに不具合があったが、何とかトラブルを表に出さずに仕事を全うできた」と落ち着いて話したのは、マイクセッティングを担当した西川愛乃さん(同)。「当日の舞台裏は和やかな雰囲気だった。数か月みんなで駆け抜けた舞台で、全力を出し切るという気持ちがすごかった。カーテンコールでは、音響や美術、照明のメンバーがお客さまの前に出ることができ、このように関わっていたのだと見せられたのが嬉しかった」と答えました。

 「音楽については、その時代を生きた若者たちの、名もなき意思をメロディーに乗せられるよう、昨年9月から準備してきた」とコメントしたのは、同学科教授で、作曲・制作・音楽を担当した中村康治さん。「最初は戸惑いを見せていた学生たちだったが、舞台を作るうえでの熱量の重要さに気づくと、一気に変わっていった。浜畑・前学科長は「才能のない若者はいない」が口癖だったが、私も同様に舞台芸術学科生にはその素質があると思う。日本や世界の演劇を支える人になってほしい」と学生たちに思いを馳せました。

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