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横浜市教委が学校選択制を先送り

2013-03-03 17:19:51 | 大阪市学校選択制
公立中の選択制先送り 現場に慎重論 横浜市教委方針 
朝日新聞2010年2月1日
http://www.asahi.com/edu/student/news/TKY201002010270.html

 中学校で「学校選択制」導入を検討していた横浜市教育委員会は、来年春に実施する予定だったモデル事業について先送りする方針を決めた。学校現場やPTA関係者から慎重論が相次いだため、さらに検討を重ねることになった。

 学校選択制は、入学する公立小中学校を子どもが自由に選べる制度。文部科学省が1997年、規制緩和の一環で「通学区域を弾力的に運用するように」と通知したことを受け、全国に導入が広がった。県内でも横須賀市や逗子市が採り入れている。

 市教委は2008年度から学校選択制の検討をスタート。11年度から一つの区で先行的に実施し、6年生に進みたい学校を自由に選んでもらい、2、3年後に効果や課題を検証する計画だった。

 実施に先立ち、昨年9月から3回、研究者や小中学校長、地域代表らで構成する検討委員会で議論。検討委では学校長やPTA代表らから、「風評やうわさで学校が選ばれないか」「通学区域が広がり教師が忙殺されてしまう」などの慎重論が相次いだ。

 一方、行政代表や研究者から「公立中学でも高い水準や特色をもつ学校をつくり、通学区域外から入学できるようにしてもいいのでは」などの意見も出て、結論は出なかったという。

 市教委が09年6月に小中学校の保護者1800人に実施したアンケートによると、学校選択制について58.4%が「好ましい」と回答。理由として、60%前後の人が「通わせたい学校に通わせられるから」「学校の質の向上につながる」と答えたという。

 市教委は導入のメリットとして、保護者ニーズの充足▽学校の質の向上▽魅力ある学校運営に向けた教職員の意識向上――などを掲げる。一方でデメリットとして地域との関係の希薄化などを上げた。

 上田恭弘・学校計画課長は「今でも指定校の校長が認めれば、近隣の中学に通える制度がある。選択制はそれを一歩進めたもの。デメリット解消に向けて検討し、早い時期に始めたい」と話した。(佐藤善一)

    ◇

■全国で導入低迷 08年度、公立中14.2%

 学校選択制が全国の教育現場で広がっていない。

 全国の市区教育委員会を対象にした2008年度の内閣府調査によると、導入率は公立中学校が14.2%、小学校が12.9%。前年よりそれぞれ2.4ポイント、1.3ポイント減った。

 「導入を検討中」は中学校で5%。06年度の18.1%から激減した。逆に「検討していない」と答えた教委は06年度より10ポイントほど増えて75.6%になった。

 「導入して悪かった点」は、中学校についての複数回答によると、「学校と地域の連携が希薄になった」が39.4%でトップ。次いで「通学距離が長くなり、下校時の生徒の安全確保が難しくなった」が33.3%だった。
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