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北九州市議会が可決した自民党提出の「従軍慰安婦問題に関する意見書」に抗議

2014-10-04 19:17:04 | 日本軍「慰安婦」問題
日本軍「慰安婦」問題解決のために行動する会・北九州からの情報です。

さる9月30日北九州市議会において、自民党提出の「従軍慰安婦問題に関する意見書」が可決されたました。10月3日、私たちは北九州市議会議長、自由民主党議員団及び公明党議員団へ下記の抗議声明を持参し、提出しました。


               抗議声明                 

9月30日、貴市議会において自民党提案による「従軍慰安婦問題に関する意見書」が賛成多数で可決されました。その意見書における主張の誤りを以下の通り指摘するとともに、意見書採択に強く抗議します。
 
⑴ 吉田証言によって立ち上がった被害女性や支援者は誰もいない
貴意見書は、朝日新聞の「誤報が発端となり」「強制連行したとの認識は国内外に拡散し、従軍慰安婦問題は日韓の外交問題に発展する事態」をまねいたと論じています。
しかし、近年日本軍「慰安婦」問題が世界中の注目を集めるようになったのは、吉田清治証言の「誤報」の結果ではありません。世界に知らしめたのは、1991年8月14日に韓国のキム・ハクスンさんが、私は元日本軍「慰安婦」だったと名乗り出たことにあります。彼女の勇気が世界中の被害女性たちに勇気を与え、名乗り出ることをうながしました。
オランダ出身でスマラン事件の被害者、ジャン・ラフ・オハーンさんは、「キム・ハクスンさんが、日本政府に『うそをつくな』と言い、『証人が生きている、謝罪せよ』と訴えている姿をテレビで見て、私も初めて家族に話し、日本政府に謝罪を要求する決意をした。」と述べています。その後、台湾、フィリピン、中国、インドネシア、マレーシア、更に東チモールでも被害女性が立ち上がりました。
吉田証言によって立ち上がった被害女性や支援者は誰もいません。

⑵「連行」の形態を問題にしているのではない   
日本軍「慰安婦」問題の核心は、女性たちがどのような形態で慰安所に連れて行かれたかは問題ではありません。問題は、彼女たちが逃げられない状況の中で日本兵の性の相手を強いられたということです。拒否、廃業、居住、外出の自由の無い過酷な状況は、性奴隷そのものです。
日本の司法は10件の裁判の内8件で、その被害事実を認定しました。
国際社会は日本軍「慰安婦」問題は女性に対する重大な人権侵害として捉えています。「連行」の形態を問題にしているのではありません。   
 
⑶ 近隣諸国との関係を悪化させているのは、「河野談話」の内容を実行せず解決に向かわないこと
貴意見書の、「誤報」が「近隣諸国との友好や国民感情に大きな影響を与え」たとの解釈は曲解です。近隣諸国との関係悪化は、日本政府が「河野談話」に示された方向で問題解決に向かう事なく、被害女性たちの尊厳の回復を願う訴えに耳を傾けてこなかった結果です。また、日本軍「慰安婦」問題の存在すら否定する言説が横行する状況も影響しています。朝日の「報道」に起因するかのような認識は誤りです。
 去る6月当会は、日本政府が「河野談話」を踏まえ、その内容を誠実に実行することを求めて陳情しました。

⑷ 事実関係の究明について
貴意見書では、「公の場で検証を行い、事実関係を明らかにすることが必要」と、検証の必要性を求めています。ところが当会ではすでに2010年、事実関係の究明を求める内容で陳情を行っているのですが、それは否決されています。貴市議会のこの問題に対する認識や態度に大きな矛盾があると言わざるを得ません。
検証については、「河野談話」発表時の政府調査は当然として、それ以降発見された529点にのぼる資料を検証する必要があります。貴市議会では、すでに存在が明らかになっているこれらの資料に目を通し、事実を学ぶべきです。
                             
⑸「従軍慰安婦像等の撤去」要請は、日本への国際的批判をさらに高めることが必至
貴意見書では、検証の結果、「事実関係に誤りがあったことが明確になった場合は、それらを前提として設置された従軍慰安婦像等の撤去を関係機関に働きかける」ことを要請しています。この要請は日本軍「慰安婦」問題の存在を否定する考えに通じるものです。
米国の像の設置には次のような経緯があります。 2007年、米国下院は全会一致で「慰安婦」決議を採択しましたが、そこに至るまでには被害女性の証言を聴く公聴会を開くなどの国の取り組みがありました。米国では、「慰安婦」問題は重大な女性への人権侵害の問題との認識が支持されているのです。
貴市議会は、このような設置の経緯を認識するべきです。

⑹ 世界は日本軍「慰安婦」問題の早期解決を求めている
昨年と今年にかけて、国連社会規約委員会・拷問禁止委員会・自由権規約委員会などの国連人権機関が「慰安婦」問題に関して日本政府に勧告を行い、政府が毅然とした対応をすることを求めています。しかし、日本政府は「法的拘束力なし、従う義務なし」として態度を変えようとしません。真摯に被害女性の声を聞き、資料を読み解き、問題解決を急ぐことが重要です。
国として明確に責任を認め、公的な謝罪・賠償を行うならば、そのことは、世界で現在進行中の戦時下の性暴力を断ち切るための様々な努力に対する力強い後押しとなります。また、近隣諸国との関係改善につながります。貴市議会が先頭に立って日本政府に要請すべきは、このようなことです。        

2014年10月3日 
              日本軍「慰安婦」問題解決のために行動する会・北九州 
                                     

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