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UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第十九話part2

2024-10-20 19:24:54 | 日記
「くわぁぁぁぁ」
 
 大きな欠伸をしてハンドルを握る男がいた。軽トラックを運転してるその男は夜の暗い道を車のライトで照らして慎重に進んでた。なぜにこんな時間にその男が車を運転してるのかというと、ただ単に昼が熱すぎるからだ。昼が熱いから、夜に農作業をやってるのだ。
 日が沈んでから畑にいって、日が回ったくらいでまた別の畑に移動しようとしてた。なのでとても狭い道をガタゴトと進んでる。スマホからお気に入りの音楽を流しつつ、慎重に運転してたその男はいきなり吹いてきた強風に思わず車の進行を止めた。
 まるで軽トラックが吹き飛ばされるかもと思うような風にその男はビビったのだ。実際大きく軽トラックの前部分が浮いた気がした。
 人も乗ってる部分が真っ先に浮くなんておかしいが、実際そうだったのだ。それにそれからも窓をガタガタと揺らす……いや窓なんて狭い範囲ではなく容赦なく軽トラック全体を揺らすような強い風が吹いてた。
 
「な、なんだぁ?」
 
 さらに聞こえてくるのはズドドドドドドド――なる物騒な音だ。まさか地すべりでも起きたのか男は思った。だが雨も降り続いてない、寧ろ最近は快晴が続いてたような日々だ。それなのに地すべりなんて起きやしないだろう。
 なら地震だろうか? ハンドルを抱きしめるようにしてた男は何が起きてるのか確かめるためにわずかに頭を上げる。するとそれをみた。
 
 森の木々が吹き飛んでいく光景。そして何やらデカい……サルの様だが、サルよりも何倍もデカい生き物が森から飛び出してくる。
 
 大きく口を開けて呆ける男。サルたちも別に男に気づいてなんて……でも次の瞬間グルんとそのまま通り過ぎようとしてた化け物の顔が男の方を向く。
 
 サルのような顔だが真っ赤で凶悪だった。深く刻まれた皺は、まるで人への憎しみをもってるような……それを感じる男。でも……次の瞬間、男の軽トラックとサルたちの間にズガアアアン!! と大きな音とともに何かが走った。するとサルたちはあわてるように去っていく。
 
「いったい……何が……」
 
 恐る恐る外に出てみる男。風もいつの間にか収まってる。けどそこで男はみた。道路に深く刻まれて、いや、道路だけじゃなく、まるで山を穿つかのように刻まれたその傷跡を。彼はその後、興奮してその事をネットに書き込んだという。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 93

2024-10-20 19:20:20 | 日記
「むむむ……疲れる」
 
 私はそこそこ疲弊してた。戦闘以外でこんな疲れるなんて……いや頭脳労働も疲れるけどさ……またそれとも違うんだよね。なんというかな? 普段は意識してないことに意識させられるから、脳のリソースが一部取られる感じ? 
 私の何回も拡張してる脳なら、そんなの余裕だろ? とか思うかもしれない。けどそうじゃない。そうじゃないのだ。今の私は歩くこと、それを意識してG-01を歩かせてる。
 これまではただ歩こうと思う……いやそれさえ必要なんてなかったわずかに脚を動かすというか、踏みしめるというか? 実際私は浴槽というか? 水槽みたいなのに浮いてるから踏みしめる……という行為はできない。けど気持ちの問題だよ。ちょっと足に意識を向ければG-01は歩いてくれたのだ。
 けど今はどうだ? 私はちゃんと筋肉の動きとか意識してるんだよ? これがシンクロ率100%ならまだ納得できた。いや、あの時もここまで意識したことないけどね。
 100%じゃなかったら、体を動かすというよりも、G-01を操縦してる感じが強いわけだけど……ここまで意識しないと動かないとかなかった。絶対になんかインストールされた物が悪さしてると思う。
 
 今はリソースを使って何が原因かを探ってるのだ。その間もただ突っ立ってるだけではいけないと思いつつ、ガシャンガシャン――とG-01を歩かせてるわけだよ。
 歩くだけならなかなかに馴れて来た。なにせこの円盤、かなり広くずっと一本道だし。わずかにカーブした一本道。きっと円盤のつくりに沿ってこの通路は出来てるんだろう。
 だからほぼ複雑な事をしなくてもいい。常に右・左・右・左――という感じで良いからね。でもただ足を動かしても体はぎこちない。なにせ全身は連動してるのだ。スムーズな動作で歩いてる――というのはスムーズに動きが連動してるわけだよ。
 実際G-01はロボットだから、そこだけを動かす……というのは出来る。でもそうなると本当にただのロボットの様な……カクカクとした動きになってしまう。でも今までそんな風なのはG-01で思ったことはなかった。なにせ普通に自然に動いてたからだ。
 それはどうやら凄い技術をつかってたみたい。私自身が動かすとなるとこんな事に……これならシンクロ率を100%にしたほうがまだいい。だってあれなら勝手に私の動きをトレースしてくれるからね。今よりもまともな動きになるだろう。
 でも今の状態でシンクロ率を上げるのは怖い。だってどんな影響が出てるのかわかんないじゃん。なのでまずはちゃんとG-01の中を調べないと。
 幸いここには敵が出てこないからなんとか……
 
「げっ」
 
 そんな事を思ってると、フラグがたったみたいだ。