UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 459P

2024-05-29 23:57:14 | 日記
「あれが、元凶なら!」
 
 そう言ってアンゴラ氏が買ったお菓子を掴む。そして力を込めて、投げる動作をする。それに対して草陰草案が「だめ!」とかいった。
 
 でも遅い。既にアンゴラ氏は投げてた。そして――バチッ!! ――とアンゴラ氏が投げたお菓子は翼を持ってる彼女にぶつかる前に弾けた。実際きっと皆にもそういう風に見えたはずだ。
 
 体に当たる前にバチッとなってた。でも……だ。でも、あの女性には効いたようだ。なぜなら、その瞬間、彼女の体が飛んだからだ。彼女は人形が投げられたみたいに、なんかおかしな感じで彼女は飛んで後ろにいた人を巻き込んで倒れる。
 
「やっ……た?」
 
 アンゴラ氏がそういう。何故か疑問形。彼は明確に彼女を敵として攻撃をしたはずだ。なのに……その反応。実際、このとんでもない状況の原因である彼女がこんなに簡単にやれる――とは思ってなかったんだろう。
 もしかしたらその力をぶつける相手が現れて、そして激しいバトルができる……とか思ってたのかもしれない。
 
「あ、あの人は泣いてたんだよ! それなのにあんな一方的に!」
「殺した訳じゃない。まずは止めるのが先決だ。これ以上被害を増やすわけにはいかないだろう?」
「うぐ……」
 
 アンゴラ氏のその言葉に草陰草案は何もいえなくなる。そしてそのアンゴラ氏の言葉には皆が納得してるらしい。「うんうん」とうなづいてる。やっぱりだけど、大人の男性のアンゴラ氏にただの女子中学生の草陰草案は言い勝つなんてできない。
 
「それにあの女だって正気だったのか? 言葉を交わせる状態だったか? お前の言葉に反応してなかったはずだ」
 
 状況的な証拠を挙げ連ねられて、草陰草案は「ぐぬぬ」としか言えない。
 
「とりあえず彼女の事をちゃんと確かめて……」
 
 そんな風にいって再び彼女をみた草陰草案の言葉が詰まる。いや、正確は違う。彼女が吹っ飛んだ場所を見た――と言ったほうが正しい。けど……
 
「いない!?」
 
 アンゴラ氏がそう言って手の中にガムを掴む。まさか消えるなんて誰も思ってなかった。てかあの女性は存在感はあった。なのにこっちの誰もがその動きに気づいてないなんて……それに……だ。
 
「東海道殿はあれをカメラに収めてたのでは?」
「そのはずなんですけど……」
 
 猩々坊主の言葉に申し訳無さそうに東海道馬脚が応える。カメラ担当の東海道馬脚はずっとあの女にカメラを向けてた。気づかないわけはない。てかコメントを見ると、ちょっと前から――
 
「消えた!?」
「おい! ヤバいぞ!」
「気づいて! 危ないよ!!」
 
 ――というコメントが大量に流れてた。一体どこに? 草陰草案たちはキョロキョロとと周囲を見回す。そのときだ。
 
 バサァァ
 
 という音とともに影が落ちる。駅の構内だが、そこそこ天井は高いこの建物。そこにあの女はいた。その翼を広げた女が両手を頬に当てて、血の涙を流す両目を草陰草案たちにむけていた。

ある日、超能力が目覚めた件 458P

2024-05-29 00:00:12 | 日記
「なんで……私は……」
 
 そんな風に小さな声が聞こえたような気がした。
 
「え? なに?」
 
 草陰草案は目の前の女の言葉を僅かながら聞こえたような気がした。パトカーのサイレンとか、悲鳴や怒号……あとはよくわからない声が鳴り響くなか、なぜか草陰草案にはその声がきこえた。
 
「ねえ! なんでこんな事をするの!?」
「どうした? 何を言ってる??」
「大丈夫ですか草案氏!」
「いきなりどうしたのだ?」
「え? 聞こえてないの?」
 
 草陰草案は驚いてる。どうやらその女の声……それは草陰草案以外には聞こえてないらしい。もしかしたら力が関係してる? と草陰草案は思った。
 
「おい、あれってもしかしたら……」
「え? おいまずいぞ! カメラに映すな!!」
「ぐふふふ……おっほ!」
 
 なにかに気づいたチャド氏と大川左之助。そしていきなり変な笑い声を出したミカン氏に草陰草案は「うわキモ」――と心の中て思った。だってその笑い声……そしてその表情がね……女子中学生が直視するには醜悪すぎた。
 端的に言うといやらしかったのだ。ミカン氏はその鼻の下を伸ばして自身のスマホを取り出して写真を撮ってる。確かにあのコスプレはなかなかの完成度で、まるであの羽根なんて本物みたいだ。
 それにあの体にぴっちりとくっついてる服? は恥ずかしくないのだろうか? と草陰草案は思う。草陰草案はまだ女子中学生である。これからに希望があるし、若さがあるから、肌は何もしなくてもピチピチだし、張りも透明感もある。それに草陰草案は太ってなんかないし、スタイルはいいほうだ。
 けどだからって人前であれだけ肌を晒すことができるか? って言ったら否だ。流石にあんなピッチリ過ぎる服なんてきたくない。
 
「服? だよね?」
「気づきましたか草案氏。あれはどうやら、服ではなさそうですぞ。言うなればボディペイントのようなものでしょう」
「え? まって……それってつまりはあの人は……」
 
 混乱する草陰草案。けどミカン氏は興奮したように鼻息荒くこういった。
 
「そう! つまりはあのお方は今スッポンポン――ということですぞ!!」
 
 そんな興奮しまくってる彼に草陰草案は更に引いた。そして同時に、確かに裸でこんなところまで来てしまったら彼女くらい絶望してもおかしくない……とも思った。
 
(いや、普通は全裸で外になんか出ないけど。まさか彼女も?)
 
 そんな疑問が新たに生まれる。チャド氏は彼女が元凶といった。そして草陰草案もそのおかしな力が彼女から立ち上ってるのを確認できる。だから彼女が元凶なのは間違いない。
 でもだからって彼女までもおかしくなっていない……なんていえるだろうか? まずは確かめ方がいいのかもしれない……と草陰草案は思った。
 まあけど、スッポンポンの彼女は草陰草案の言葉には何の反応もしてくれない。