松下啓一 自治・政策・まちづくり

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*AKB33の日(本郷台)

2012-07-17 | 4.政策現場の舞台裏
 AKB33の日というのをご存じだろうか。
 私は、神奈川県市町村研修センターから頼まれて、共同研究のお手伝いをしている。県下自治体職員9名で、テーマは、今後、急速に顕在化する空き家問題である。この日は第3回目の研究会があり、テーマの全体像を見極め、パートごとの担当者を決めるというものであった。
 この研究会は、自主研究なので、私の立ち位置は、あまり出しゃばらず、ここぞという時に、全体の進行をアドバイスをすることである。その実践は容易ではないが、この日は、何とか、当初の目的を目標を達成できた。
 空き家問題は、実に奥が深い。この問題の深層には、人口減少や少子高齢化という日本社会の構造があり、その政策立案には、国の住宅政策さらには産業政策が立ちはだかる。その解決策のひとつとして、空き家条例が各自治体で制定され始めているが、勧告、命令、氏名公表、さらには行政代執行という法的処置だけでは、解決できるのはほんの一部である。
 今回アドバイスしたのは、
 1.公私二分論的な解決ではなく、新しい公共論に基づく発想で整理してみること、
 2.政策手法も、規制指導手法だけでなく、誘導支援手法もふんだんに考えたらどうかというものである。こうした区分で、担当者を割り振ることになった。
 誰も担当者がいなくなったのが、普及啓発手法である。一般に、普及啓発手法は費用対効果が悪いが、このテーマでは、問題意識そのものがない自治体もあるから、まだまだ有効だと思う。
 皆が、難しいことを考えている間に、私が考えた普及啓発手法を紹介しよう。
 そのひとつが、標記のAKB33の日である。普及啓発手法のひとつに、○○の日を定めるというのがあるが、この空き家防止を考える日がAKB33の日である。なぜAKBであるかは説明するまでもないであろう。AK(空き家)B(防止)である。33は神奈川県の市町村数である。AKB33の日を設定して、県下自治体全部で空き家問題を意識して見ようというものである。イベント、ポスターなどいろいろと連想できるだろう。イベントで呼ぶのは、AKBのうちでも、総選挙で人気がなかったメンバーが、この空き家問題にはふさわしいのではないかと言おうと思ったが、諸々の雰囲気から、発言は控えることにした。
 もう一つ考えたのが、ゆるキャラをつくるというものである。空き家問題だから、アッキ―君はどうかと提案した。すると、研修生から、「先生、アッキ―君では、空き家を推奨することになりませんか」。痛いところをつかれてしまった私はとっさに、アッキ―君に帽子をかぶらせることを逆提案した。アッキー君に帽子=「空き家防止」である。
 以上が、私の渾身の政策提案であるが、どうせ報告書には採用されないであろうから、ここに記録としてとどめておこう。
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