第148 回
【人生をひらく東洋思想からの伝言】
ずいしょにしゅとなれば りっしょみなしんなり
『随所作主 立処皆真』(禅)
この禅語は有名な言葉でもあり、
多くの方が座右の銘とされていらっしゃる方も多いと聞きます。
意味合いとしては、
「どんなときも、本来の自分を見失わずに、主体的に行動することで、
常にぶれずに正しく行動ができる」
という臨済禅師のお言葉になります。
よく組織のリーダー研修などを受け持つと、
人事の担当者から「当事者意識」
まさに、それがこの禅語の本質である、「主体的に」という
自分自身の人や物ごとに関する関わり方や距離感の事を言っているのでしょう。
仕事も、やらされ感でやるよりは、
「自らの意思で、自分が自発的にやっていく」方が、
何倍もやりがいや達成感なども変わってきます。
そのヒントは、すべてに「真心をこめて、丁寧に」やることかもしれません。
そうするだけで、ぐっと意識が高まります。
少しでも、この言葉を通じて、
本来の自分自身にある主体性のスイッチが入るとうれしく思います。
参考文献
『引きずらない力』枡野俊明著 三笠書房
阿弥陀如来坐像 (熱海 MOA美術館 )