人生をひらく東洋思想からの伝言

様々な東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら一緒に人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第103回「春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら粛む」(言志四録 言志後録)

2023年09月11日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第103回

「春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら粛む」(言志四録 言志後録)

(しゃんぷうをもってひとにせっし、しゅうそうをもってみずからつつしむ)

 
これは、江戸時代後期の儒学者、佐藤一斎がまとめた語録からの言葉になります。
 
佐藤一斎は、美濃岩村藩の家老の子として生まれたのですが、

21歳のときに士藩を脱し、儒学をもって身をたてることを決意。

34歳で、江戸幕府の儒官として文教を司った林家の塾長となりました。
 
『言志四録』は、佐藤一斎の後半生の40年にわたって書かれた語録で、

『言志録』、『言志後録』、『言志晩録』、『言志耋録』の四篇をまとめて、

『言志四録』と呼んでいます。


一斎の門に学んだ人は数千人。なかでも有名な人物は佐久間象山で、

その象山の門下からは、

勝海舟、坂本龍馬
、吉田松陰ら幕末の志士らが多く輩出されました。
 
また、吉田松陰の門下からは、

高杉晋作、久坂玄瑞、木戸孝允、伊藤博文、山県有朋らなどが、輩出され、

明治維新を形成するに至りました。

 
さらに特筆すべきは、西郷南洲(隆盛)が、この『言志四録』を愛読したことが挙げられます。
 
佐藤一斎の教えは、明治維新の原動力となった書、とも捉えられています。
 
さて、今回の言葉は、「他人に対しては春風のように接し、自分に対しては秋霜烈日のごとく厳しくする」

という意味合いになります。
 
「人には温和に穏やかに振る舞い、自分に対しては、しっかりと慎独の如く、律すること」
 
その心構えをしっかりぶらさない若きリーダーたちが、

明治維新の際には、沢山いたからこそ大きな変革を なしえたのだと思います。
 
少しでもその心構えに近づけるように、今後も精進していきたいと思います。
 
 
参考文献
『リーダーに大切な「自分の軸」をつくる言葉』
 田口佳史著 かんき出版
 
 
 
 
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