最近の住宅で建売住宅や企画住宅だけでなく、設計士の主導で建てられている住宅の傾向として、収納スペースの位置や量をあまり考慮していないところが見られます。
そもそも収納とは、生活をする上で必要とされるものを必要としない時にしまって置くことで、生活空間をより広く、又は清潔に保つことが出来るスペースです。
新築住宅で収納スペースを考えたとき、必要な位置や大きさや収納形態は、今の生活から問題となっている部分やあると便利な部分として考えるようにします。
たとえば、お子様が大きくなってくると靴が増え、玄関に靴があふれていた
1階天井と2階床下を収納スペース
り、冬に使う外出着のコートやジャケットが玄関の脇にかけてあったり居間の壁にかけてあったりするお宅を良く見ます。
靴は収納のスペース的にもあまり奥行きを必要としません、あらかじめ玄関の壁を収納スペースとして作ることは難しくりません。また、外出着などは外のホコリや濡れたりで居室のクローゼットにしまいづらいもの、外出用の小物などと一緒に玄関ホールなどに収納スペースを設置しておくと大変便利です。
階段下土間に空けられたスペース キッチンの動線に合わせた食品庫
住みやすい家を考え、居室の空間のことだけを考えてしまい、収納のことをおろそかに考えてしまうと、何年かしたとき結局住みづらい家になっていたという事になってしまいます。
ただし、必要以上のスペースは禁物、人はとかく置く場所があるといろいろと置きたくなってしまいます。必要の無いものが増えてしまい、後で整理するのが大変になってしまいます。また、1年に数回しか使わないような物は居住スペースを犠牲にしてまで考えることはありません。階段下、屋根裏、床下などのスペースで十分です。
新築住宅を考えたときには、単に収納と考えずに、「収納スペース=住みやすい家」と考えてください。
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