村崎は運転席の窓を眺めた。幸いなことに事故のせいか小さな傷がついている。運転席に横向きに座り、倒したシートにつかまって、傷を目掛けて両足で蹴る。藍原はフロアにうずくまって村崎の息遣いを聞いた。シートが強く握られると、息を止めて満身の力で蹴る。3回目の衝撃の後、バラバラとガラスが飛び散った。
「もうちょい待って。出られるぐらいあけるから」
村崎は上着と靴を脱いで、靴で窓を叩く。ガラスはたやすく壊れて、外に降り注いだ。
藍原は体を起こして村崎を見た。腕や顔のあちこちに傷ができて、血が出ている。
「俺はまだ通れないけど、藍原なら出られる。出たらLOEに電話して、俺はなんとか脱出するから田村を攻撃するように伝えて」
窓にはガラスの破片よけに村崎が当ててくれた上着が見える。
藍原は怪我人を置いて逃げられないと、1人で脱出するのをためらった。
「部隊行動なんだから、藍原が逃げてくれないと俺がしたことも無駄になる」
腕が強く掴まれて、グイっと引かれた。「足から出て。ちょっと痛いかも知れないけど」
フロアから引きずり出された藍原は、脚を揃えて窓から出た。
振り返ると、村崎が笑っている。
「後で治療してもらうよ。お手柔らかにね」
「もうちょい待って。出られるぐらいあけるから」
村崎は上着と靴を脱いで、靴で窓を叩く。ガラスはたやすく壊れて、外に降り注いだ。
藍原は体を起こして村崎を見た。腕や顔のあちこちに傷ができて、血が出ている。
「俺はまだ通れないけど、藍原なら出られる。出たらLOEに電話して、俺はなんとか脱出するから田村を攻撃するように伝えて」
窓にはガラスの破片よけに村崎が当ててくれた上着が見える。
藍原は怪我人を置いて逃げられないと、1人で脱出するのをためらった。
「部隊行動なんだから、藍原が逃げてくれないと俺がしたことも無駄になる」
腕が強く掴まれて、グイっと引かれた。「足から出て。ちょっと痛いかも知れないけど」
フロアから引きずり出された藍原は、脚を揃えて窓から出た。
振り返ると、村崎が笑っている。
「後で治療してもらうよ。お手柔らかにね」