ピザ店から家に帰る途中に、ケーキ屋と和菓子屋がある。2つの店の共用駐車場に、見覚えのある軽自動車が駐まっていて、和菓子屋から桜井ハルさんと迎えにきたあの女の人が出てくるのが見えた。僕はなぜか見てはいけない気がして、ケーキ屋に飛び込んだ。雪景色が描かれたケーキ屋の窓から見た桜井ハルさんは、和菓子の包みを持ってうれしそうに笑っていた。あの女の人もニッコリしてハルさんの手を引いている。自由がなくてカワイソーなはずの2人が幸せそうに見えた。僕的には、アリエナイ。
店に入ったのに何も買わないのは悪いと思って、僕は一番小さいクリスマス・ケーキを予約した。どうしてクリスマス・ケーキにしたのかはわからない。クッキーやマドレーヌもあったのに。
クリスマスの夜、僕はやっとサンタスーツから解放されて、赤い服をワタナベ君に渡した。ワタナベ君が着替えると、やっぱり僕よりもずっとサンタクロースらしくなった。昼から入っていたナカムラ君はちょっと疲れた顔をしていたけど、太ったサンタと痩せたサンタがにこやかに手を振った。
「オフクロさんと楽しいクリスマスを!」
店に入ったのに何も買わないのは悪いと思って、僕は一番小さいクリスマス・ケーキを予約した。どうしてクリスマス・ケーキにしたのかはわからない。クッキーやマドレーヌもあったのに。
クリスマスの夜、僕はやっとサンタスーツから解放されて、赤い服をワタナベ君に渡した。ワタナベ君が着替えると、やっぱり僕よりもずっとサンタクロースらしくなった。昼から入っていたナカムラ君はちょっと疲れた顔をしていたけど、太ったサンタと痩せたサンタがにこやかに手を振った。
「オフクロさんと楽しいクリスマスを!」