きなこのひとりごと

きなこの平凡且つ多彩な毎日・・・

保健室登校

2007年03月28日 | チッチワールド
ずっとblogをお休みしていたのに、一昨日の記事にこんなに早くコメントがいただけるとは驚きです。
長いこと更新もしていないのに覗きにきてくださっていたんですね。
ひとりぼっちじゃないんだ。blogのお友達(勝手にお友達にしちゃってすみません)がこんなにいるんだ。って思えました。
とってもうれしかったです。
介護から葬儀、その他諸々でそれはそれは色んなことがありました。
人間不信に陥りそうにもなりました。
そんなときにこんな暖かいお言葉の数々、そりゃーもう泣けました。
本当にありがとうございます。m(__)m
いつも助けて頂いてばかりで申し訳ないです。
そんな思いもこめて大した介護記録ではありませんが、何かの参考にでもなればと思いちょっとだけ綴っていこうかなって思ってます。
チッチ(父)との思い出に、またお付き合い願えればうれしいです。

掲載写真は、病院内をお散歩中にひとやすみのチッチとオットです。
blogをやるようになってからデジカメを持ち歩くのが癖になっていたようで、気づいたらバックの中に入ってました。
お陰でお見舞いに来てくださった方たちとも沢山の思い出を残すことができました。


そんなわけで保健室登校編

チッチ(父)の病室はナースステーションのすぐ近くの4人部屋。
もちろん看護士さんがすぐに飛んでこられるように。
病室入り口のネームプレートには、全員赤ラベル付き。
赤ラベルは重症患者とゆうことらしい。

ちょっとココで病室のお仲間紹介

チッチの前の患者さんは、95歳の今朝道さん(95歳にしてはナウイ名前よね)
今朝道さんは、肺炎で入院されていて、その後歩けもしないのにどうゆうわけか足を骨折していたの。

斜め前の患者さんは、74歳のクマさん
クマさんは、糖尿病で肺炎になってあちこち合併症がでちゃったらしいの。
チッチが入院したときは危篤状態だったの。
でも間もなく生還。生還後は胃ろうにチャレンジしたの。
クマさんはチッチの家のご近所さんでもあるの。

そしてお隣の患者さんは、84歳の久野ちゃん
3ヶ月前に脳梗塞で倒れて、胃ろう処置やリハビリをしながら介護ホームの順番待ち中。

さっすが重症病室、みごとに全員寝たきり老人(チッチだけ若干若め)
そうそう、この部屋で自発的にナースコールをできる人は誰もいないの。

そして、偶然にも部屋3つ向こうにチッチの義姉入院中。
「似た人がパジャマ着て歩いてるなぁ~。」とボンヤリみてたらビンゴだった…。
チッチの義姉、私からすれば伯母なのでココからは伯母と表示。

と、簡単な(簡単じゃないか…。)お仲間紹介をしたけど…。
ご想像通り病室は、どよよ~んとグレーな雰囲気。
なにしろ皆さん、テレビさえつけられないんだから。(ナースコールができないんだから何もできなくても当たり前)

チッチを一人にするのが心配で、毎日、毎日朝から晩まで通い詰めた私たち姉妹。
看護士さんや他の患者さんの迷惑も顧みず、通いましたともっ!
チッチの残された時間に、できる限り付き沿ってあげたかったから…。

そこでこの4人部屋…。
実におもた~い空気…。
でもって突き刺さる視線…。

前の今朝道さんとお隣の久野ちゃん、私たちをガン見!
いつでもどこでも何をしててもガン見!
斜め前のクマさんは、瀕死状態なのでそれどころでなかった模様。
後半、クマさんも随分と元気になって(もちろん寝たきりだけど)アイコンタクトくらいは取れるようになったっけ。
で、久野ちゃんと今朝道さん、そこまでガン見されているくらいならと話しかけてみた。
二人とも上手に話すことはできないけど、意思の疎通はどうにかできる。
どうせ朝から晩まで一緒にいるんだからと、一体誰の付き添いだかわからないような「みんな仲良し介護生活」が始まった。

チッチ、認知症のせいで病院にいるとゆう認識が難しい。
私たちが帰るとき「お父さんも帰る」とゆう。
「お父さんはお熱があるから病院にお泊りよ。」とゆうと「ほっかぁ~。」(そうか)とゆう。
病室でテレビを見ていてもそれが終わると「さぁ~いんべ。」(さぁ行こう)と、どこか出先から家に戻るつもりでいる。
「まだ行かないよ。」と私たち。
それでもよく言い聞かせると駄々をこねるようなことはない。
「もう夜だから帰るよ。また明日の朝くるからね。」と言えば「うん」とうなずく。
その隙に私たちは帰るが…。
数分後にはココがどこだか、自分のおかれた状況が何なのかわからなくなっていること多々。
で、自分でベッドのサークルを乗り越えてベットから降りようとする。
体力も限界に来ているので歩くことも難しいのに。
どんな危険な状態にあっても、私たちが帰ってしまったあとのこの病室では誰ひとり危険を察知する人はいない。
看護士さんが見つけてくれて脱出失敗に終わる。
そして車椅子に乗せられてナースステーションに連行。
目が離せない患者さん、寂しがる患者さん達が一気に集うナースステーション。
そこで昼夜に渡って、看護士さんやお医者さんに可愛がっていただいている。
はじめのうち、そういったこともわからなくて、病室にチッチがいないことに驚いた私たち。
様態が急変したのかと慌てふためいたっけ。
他の小さい背中のお年寄りに混じって、チッチ、チョコンって座って、ナースステーションで看てもらってた。
それを保健室登校と呼んでいた私たち。
ナースステーションにチッチを引き取りに行きながら、あちこち病院内を散歩したんだ。

そうそう、同室のお仲間達も色々笑わせてもらったわ。
今朝道ちゃんは、医療器具を飴だと思って口に持っていってしまうの。
慌てて取り上げて、飴とチェンジ!
朝ごはんを食べたばかりなのに「お腹がすいたぁ~。」って騒ぐの。
「あと二時間待ってね。」とゆうと、「二時間?!待てねぇ~!!」と嘆くし。
私たちが席を外すと「どこに行ってきたの?」と聞くの。看護士さんたちに「自分の孫と勘違いしてるんじゃん。」と笑われたりね。(娘って言われないで良かった)
久野ちゃんには、どうゆうわけかすっかり気に入っていただいて、久野ちゃんが眠っているとき以外は、私ずっとガン見されたまま。
私がテレビを見てても、居眠りしてても背中に突き刺さる鋭い視線。(鋭くはなかったけど)
遠慮なく見つめていただきましたともっ!
久野ちゃんはお洒落で、鏡をみるのが好き。
看護士さんに訴えるんだけどわかってもらえなくて、いつも姉の手鏡を満足気に持ってたっけ。
家族には絶対に見せないとゆう笑顔を看護士さんと私たちには見せてくれたわ。(ご家族の方、そりゃ怒るよね。)

そしてチッチを含めた4人全員、最後の頃には「バイバイ」のお手ふりができるようになった。
もちろん私が教えたわけで…。
う、う、うれしかった…。

そんなこんなな入院生活、楽しいこと笑っちゃうこともいっぱいあったの。
文才がなくてうまく伝えられないけど、続き、また聞いてくださいませね。


もひとつ余談ですが、今さっきチッチ家ご近所のおじいちゃん(92歳)から携帯に連絡がありましたの。
チッチ家でとってもお世話になっていたおじいちゃん、何回教えても携帯かけられなかったのに、私を案じて連絡くださいました。
泣けました。うれしくて号泣しましたともっ。
おじいちゃんに「桜は咲いてるかい?」と聞かれました。
しばらくお外にも出かけてなかったけど、ベランダから見える桜の木がちらほらと咲き出してました。
いつの間にかすっかり春のきなこ家界隈でした。
おじいちゃん、おばあちゃん、ありがとね。
明後日、いくからね。
こちらに戻ってきても一番気になる存在です。
思い出しただけでも泣けちゃいます…。