表千家一期一会

表千家北山会館 特別講座


表千家北山会館では

『特別展
表千家家元と半床庵久田家の歴史』

が 14日まで開かれています


本日は

『表千家家元と半床庵久田家の歴史を訪ねる
― 尋牛斎久田宗也さんを偲んで ー』

と題し
特別講座が開かれました


講師は
茶室研究の第一人者である
中村昌生先生でした






お話は
表千家家元と久田家との歴史に始まり

久田宗匠と初めて出会った頃から
ご親交の中でのエピソードを交えて

2時間たっぷりとお聞かせいただきました


「宗匠は生涯『求道』の人でした」

という言葉が
とても印象に残りました



その言葉を聞いて

いつか
家元のお献茶席で
半東をされていた久田宗匠が

家元がお使いになる茶巾を 
水屋棚の前で
何度もたたみ直していらっしゃった姿を
ふと思い出しました


茶巾の角がきちんと合うまで
まるで初心の人のように
何度も何度も丁寧にたたんでおられる姿に
胸を打たれ

つい慣れて疎かになりがちな
自分の水屋仕事を反省しました



また
何年か前に
東大寺で茶会のお手伝いをしていた時のこと

お席が終わった後
お家元がお道具の拝見をされていた折

同行されていた久田宗匠が
たまたまお堂の裏手に立っていた私に
お手洗いの場所をおたずねに来られました

宗匠が
お手洗いから出てこられた時
偶然友人がカメラを持って通りかかり

突然「撮ってあげる!」と
久田宗匠と私にカメラを向けました


お家元ご一行が点前座の拝見を終えて
退席なさるのが見えたので
私は一瞬躊躇しましたが

久田宗匠が
穏やかなお顔で
「はい どうぞ」と
足をとめて下さったので
ご一緒に写真をとっていただくことにしました

その後
小走りにお家元の後をおいかけていかれた
久田宗匠の後ろ姿を見送りながら

きっと気持ちはお急ぎであったであろうに
迷惑なお顔ひとつ見せず

穏やかに応じてくださった宗匠に
私は心から頭を下げておりました



今年は
久田宗匠がお亡くなりになって
七回忌を迎えるとのこと

今月22日がご命日なのだそうです

どんな時も
気高くあられた「求道の人」
久田宗匠のご遺徳を偲ぶと共に
心よりご冥福をお祈りいたします




コメント一覧

一期一会
ブログを読んでいただいている皆様
いつもありがとうございます。
特に拍手ボタンを押していただき、コメントを書き入れて
いただく方には、心よりお礼申し上げます。
今日も
「宗匠方の馨咳に接する機会が多くあられますことを羨ましく思います。」というコメントをいただき、あらためて
京都に近い場所にいること、そして其の道精進させていただける境遇にあることを感謝しなければと、気づかせていただきました。
ありがとうございました。
一期一会
その「事件」のことは、私も以前どこかで読んだ記憶がありましたが、それは単に久田宗匠が「忠義の人」だったということではなく、徹底的に「求道の人」であったということに気づかれたというお話を伺い、私もあらためて感銘を受けました。

この解説冊子の最後にある系図は、歴史を覚えるのが苦手な私にとって、とてもありがたいです。
雲や
私も先日3日お稽古の帰りに北山会館に行きました。
改めて、代々のように家元に進まれていることに驚きました。
お土産に買ったパンフに中村先生の文章があり、
以前耳にした「放っておいてくれ!」発言の詳しい経緯を知り、なるほどなあと感心したことでした。
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