富田林百景+ 「とんだばやし」とその周辺の魅力を発信!「ええとこ富田林」

大阪の東南部に位置する人口10万ちょっとのごく普通の町、富田林。その魅力を、市民の手で発見していきます。

大阪大谷大学 「大とんだばやし展」のご案内

2024年04月25日 | イベント

2024年4月22日 12:57 大阪大谷大学博物館にて 

喜志遺跡 木戸山町 巫女形埴輪(古墳中期 5c) 1570年前の彼女はなに思う。

 

山中田1号墳 かがり台 古墳中期(5c) 

勾玉てんこもり この形に仕上げるのに必要なのは石と意思。

 

喜志遺跡 木戸山町 弥生中期(BC1c~AD1c)

二上山周辺から数km、一生懸命運んだ重いサヌカイト原石で石剣を作りました。

途中で折れたのは残念!よく折れます。

右下の石剣はすばらしい職人技!この石剣を作るのに30kg以上のサヌカイト原石が必要です。

 

〈画面をクリックすると拡大します〉

大阪大谷大学の春季特別展として、「大とんだばやし展」が6月29日(土)まで開催されています。

富田林市の埋蔵文化財の歩みとこれからとという観点で、市内各所の遺跡を紹介されています。富田林市の各所から出土した貴重な資料を出し惜しみなく堂々展示!

 

富田林市錦織北三丁目11-1 大阪大谷大学博物館

入場無料 無料駐車場有

下の大学駐車場に止めて、博物館内で受付してください。

アンケート(館内に設置)に答えると大学特製のプレゼントをもらえます。

 

博物館内 写真は今回の展示はOKです。

整然と展示された「大とんだばやし展」の主役たち。こだわりのおすすめメニューが並びます。

 

畑ケ田遺跡、畑ケ田南遺跡の出土品

皇朝十二銭の一つ「神功開寶」5枚入った土師器 (畑ケ田遺跡 奈良時代 8c)。目的は地鎮に伴うものか、もしくは胞衣壺(えなつぼ)とするものに分かれるようです。胞衣壺であるとすれば、わが子の健やかな成長を願う親心が見て取れますね。

陶硯(畑ケ田南遺跡、飛鳥時代 7c)や石帯(畑ケ田遺跡 奈良時代 8c)も出て、通常の集落でない公的施設、古代の役所(官衙)跡を匂わせます。

 

三角板革綴短甲 山中田1号墳 かがり台(古墳中期 5c)

 

浮ヶ澤古墳の盾形埴輪 喜志町 (古墳中期 5c)

最近の発掘で5世紀の埋没古墳 浮ヶ澤古墳が明らかになりました。形象埴輪の多さと石川の氾濫原に近い低位河岸段丘の崖面に近い所に築造されているのにはビックリです。

 

重層ガラス玉 廿山南古墳 廿山(古墳後期 6c)市指定文化財

貴重な資料を続々展示。二重構造で間に銀箔がはさまっています。ガラスの成分分析により西方アジア(カスピ海より東側地域)より、シルクロードを経てやってきた舶来物。

 

ご存じ新堂廃寺の軒丸と垂木瓦 緑ヶ丘 (飛鳥時代 7c) 近くの谷の斜面、オガンジ池瓦窯で焼かれたもの。シンプルで美しい素弁の蓮華文。特に垂木瓦は飛鳥寺と同笵のようで最も古い古代寺院のひとつを物語っています。

 

新堂廃寺出土の塼仏と塼仏笵型 (飛鳥~奈良時代 7~8c)

私は初めて見る出土品。瓦は近つ飛鳥博でよく目にしますが、こういうものも出土していたのですね。螺髪や土玉、鞴羽口など珍しいものも展示されています。

 

サヌカイト製ナイフ形石器(旧石器) 彼方遺跡 (旧石器時代後期 2万年前)

長い間富田林には旧石器時代の足跡が見つかっていませんでした。

羽曳野市の翠鳥園遺跡や藤井寺の国府遺跡がうらやましかった。

ところが最近研究が進み、中野遺跡、彼方遺跡、宮甲田の太郎池遺跡など富田林にも旧石器が見つかっています。

ただし住居跡は見つかっていません。

本来割った時は真っ黒ですが、2万年のうちに風化して白っぽくなります。

条件によっても異なりますが、2千年前の喜志遺跡の弥生期のサヌカイト石器は灰色ですが、2万年前の彼方、翠鳥園、国府遺跡のものはさらに風化が進み、これより白っぽくなりますね。原石は1500万年経っていますので表面は真っ白、中は真っ黒です。

 

貴重な宮林古墳(古墳前期 方墳 4c)の鉄鏃

形が残っているだけでも幸せ。さらに鏃の根元には漆などの有機物で接着した形跡が見られますのでさらに幸せ。古墳は消えても鉄鏃残す。

 

金耳環 宮前山(みやぜんやま)1号墳 南旭ヶ丘町 飛鳥時代(古墳時代終末期 7c)出土

1400年経過しても輝きはそのまま。初公開(現存する唯一の副葬品で、土地所有者により長年大切に保管され、近年富田林市に寄贈されたもの。)

 

塼(せん) オガンジ池瓦窯跡(1号窯) 中野 飛鳥時代 7c

滑り止め模様の付いた焼成煉瓦。穴(窖)窯で焼かれているので焼成温度が高く(1100~1300℃)、須恵器質。いわゆる赤煉瓦(1000~1100℃)ではありません。こんな塼がオガンジ池瓦窯より出ていたとは初耳です。

 

同心円叩目文の塼 錦織遺跡 錦織東 飛鳥~奈良時代 7~8c

南坪池古墳や細井廃寺、錦織廃寺からも出土した南河内地方特有の叩目文の塼。

 

特に5月25日(土)午後2時からは博物館講座として講演があります。

・「富田林市の発掘黎明期」

大阪大谷大学名誉教授 博士・和歌山県立紀伊風土記の丘 館長・富田林市文化財保護審議会 審議委員(会長) 中村 浩(浩道)氏

・「喜志南遺跡と古市古墳群」

富田林市教育委員会 文化財課 角南 辰馬氏 

この特別展を企画・展示されました。

 

この機会をぜひご利用ください。

開館時間:午前10時~午後4時

入館料・講座料:無料

休館日はパンフレットでご確認ください。

写真撮影:2024年4月22日

2024年4月25日 アブラコウモリH 

 

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