「じゅうねん冷やだれ」
主な伝承地域 鮫川村
主な使用食材 うどん、えごま
歴史・由来・関連行事
福島ではえごまが盛んに生産されており、えごまを使った郷土料理がよく食べられている。「じゅうねん」とはえごまのことで、えごまの種が十年もの長い間保存できることに由来していると言われている。また、体内の中性脂肪や悪玉コレステロールを抑える効果が期待されており、健康食品としても親しまれている。
じゅうねんを使った料理はさまざまにあるが、夏に良く食べられているのは、「じゅうねん冷やだれ」。すりおろしたじゅうねん、味噌、砂糖、醤油などを合わせたたれに、冷やしうどんをつけていただく一品だ。近年はじゅうねんの代わりにごまやクルミを使ったアレンジ料理なども食べられている。
食習の機会や時季
鮫川村では夏になるとえごま畑が広がり、たくさんのえごまを収穫できる。これをたっぷりと使った漬け汁を、冷たいうどんと合わせてさっぱりといただく。ねぎやみょうが、紫蘇の葉などの香り豊かな薬味を用意することが一般的。
飲食方法
すりつぶしたじゅうねん(えごま)と砂糖、味噌、醤油を加えて混ぜ合わせ、水で薄めて好みのつけだれを作る。その後茹でて冷やしたうどんをつけて食べる。じゅうねんはしっかりと炒り、油が出るまですり潰すのがポイント。また、たれに花かつおを入れると風味豊かになり、よりおいしく仕上がる。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
家庭で一般的に作られている。また、現在はじゅうねん冷やだれの商品化も行われており、気軽に食べることも可能に。商品化されたたれは、うどん以外にもサラダや冷ややっこなど多様な料理にかけて食べられている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/30_28_fukushima.html より