グーテンターク!
「セレクト古本 ちはや書房」店主 櫻井です。
沖縄の個性派古本屋巡り連載、ここでちょっと一息いれましょう。
今回は、”古本屋さんのヒ・ミ・ツ”。ちょっとだけ教えます。
古本屋をしていると、よく尋ねられるコト。
Q「この本はどうやって仕入れてるの?」
古い時代の本や入手困難な本などの場合、ほんとうに良く訊かれます。
わたしも、古本屋になる前は不思議に思ったものでした。
それでは、ちはや書房店主がお答えします!!
ちはや書房の場合、おもにこの3つが仕入れ方法です。
A ①お客さまからの買取(店頭持込や出張訪問買取)
②古書組合の交換市で仕入れる
③出版社・問屋から卸(または委託)仕入れ(新刊など)
お客さまからの買い取りだけでは、欲しくない本の方が多かったりするので
自分の店のコンセプトに合った本を集めるのには大変苦労します。
そこで②古書交換市が重要になるのです。
「古書交換市」は、自分の店にいらない本を売って、欲しい本を買う、古本業者の市。
ここで自分の店に並べたい古書をセレクトして仕入れるのです。
ちょうど8月1日に
「全沖縄古書籍商組合」の交換会があったので、レポートします。
古本屋さんバーチャル体験気分で読んでみてくださいね。
今回の「全沖縄古書籍商組合」交換会は
北中城の「あやかりの杜」研修室を会場に開催されました。
開場と同時にすばやくテーブルをセッティング。
それぞれ本日の出品物(売りたい本)を並べます。
本が売れるように祈りながら、目立つように陳列し、入札用の封筒も並べます。
古書組合の交換市は、「入札」制です。
欲しい本の封筒に、自分がどのくらいの値段で仕入れたいのか、金額を記入します。
この入札金額が高かった人が、欲しい本を持って帰れるわけです。
いくらで売るかを考えて、シビアに入札しないと、損をすることだってあります。
封筒に「トメ1000円」とあれば、1000円が最低価格。1000円以上の金額で競ることになります。
トメ金額を公開せずに封筒に「トメ札」を入れておく方法もあります。いくらで落とせるか、入札者の力量が試されます。
(ほかに「ガイモノ」といって一口500円からの早い者勝ちセリもあります。
↓下の写真の封筒だけあるトコロ、すでに売り切れ。出品作業が遅いと出遅れます。トホホ・・)
出品者は出品物を並べながらも
他の人の出品に気をつけたり(ガイモノないか、同じものがいくらの値段ででているかなど)、
買いそうなお店に声かけたりと、地下工作も同時進行。
封筒が並んだら、入札もすでに始まっています。
わいわいがやがや愉しくやってるけど、眼は真剣に本を値踏み。必死に損得勘定してます。
今回のちはや書房出品物↓
「この本、店で売りたかったけど、先月売上キビシかったからなぁ、現金欲しいし。」
なんて時にも、仕入れとして妥当な値段であれば、すぐ売れるので業者市は助かります。
いい本はやっぱりいい値段で入札が入ります。
入札に疲れて、外の廊下で一休み。
ここでの情報収集(・・雑談です)も交換市の楽しみの一つ。
個性派揃いの古書業界。お茶のコップもいろいろ。バラバラ。
さあ、そろそろ「開札」ですよー!
「開札」は封筒を開けて中の札を公開すること。
→値段の高い札をいれたお店が「落札」となります。
ギリギリまで脳内での攻防が続きます。
さあ、開札だ!!
組合長(榕樹書林社長)が開札していきます。
「○○書店、2370円で落札~!」
「わー負けた」「そんなになるの?」「強気だねー」
「これは6千円で売れるんですよ」
入札した人はドキドキ!にぎやかでたのしい開札風景。
今回はツボヤ書房さんの大出品大会になって大盛り上がりでした。
開札終了後、最後に残った本も、1束1000円からの特別入札大会!
群がる古本屋店主たち。吟味。長考。心理戦。
最後の最後まで気が抜けません。
古本屋になって、はじめてわかったのですが
同業者同士の仲の良いことと言ったら!
これは古本屋業界はどこでもそうなのかな?
それとも沖縄だからかな?
同年代でひやかしあったり、先輩の昔話を聞いたりが、ほんとに愉しい。
みんなで合宿とかしたいなー。
市会終了後は、会計係(ちはや店主)と書記係(ガラクタ店主)が精算を。
計算苦手なんス。いつも遅くてスミマセン。
精算が終わると、それぞれ自分のお店に帰って
仕入れ商品に値段をつけて店頭へ並べます。
昨日あっちの町の古本屋さんにあった本が、きょうはこっちの町の古本屋さんに並ぶわけです。
思いがけない本が、あなたのご近所古本屋さんに入荷しているかもしれませんヨ。
下記の古本屋さんは今回の市会参加店。
新入荷があるので、是非お店にあそびにいこう!
<全沖縄古書組合員>
・榕樹書林 宜野湾市
・BOOKSじのん 宜野湾市
・コザすばる書房 沖縄市
・西原書店 ネット専門
・古書さりい ネット専門
・文華堂書店 ネット専門
・成美堂 那覇市(骨董店)
・ツボヤ書房 那覇市
・ガラクタ文庫 那覇市
・ふくら舎 那覇市
・ちはや書房 那覇市
<組合員以外>
・とくふく堂 那覇市
・言事堂 那覇市
・ぼんぼれな書庵 那覇市
それでは今回のちはや書房入荷をご紹介。
沖縄本を重点的に仕入れました。
水木しげるも珍しく出た!即入札でめでたく落札!
次の組合市会は10月!
いい本出品できるように仕入れも頑張ろうっと!!
<第6回のまとめ>
①街の古本屋さんには、業者同士の交換市がある。
②たくさん売るつもりがたくさん買ってしまう
③全沖縄古書籍商組合員も組合員以外も仲がいい
http://www.okinawakosho.com/
来週から、またまたオモシロ古本屋さん探訪です!
◎「セレクト古書 ちはや書房」
沖縄県那覇市若狭3-2-29
098-868-0839
営業時間10:00~20:00(月曜定休)
「セレクト古本 ちはや書房」店主 櫻井です。
沖縄の個性派古本屋巡り連載、ここでちょっと一息いれましょう。
今回は、”古本屋さんのヒ・ミ・ツ”。ちょっとだけ教えます。
古本屋をしていると、よく尋ねられるコト。
Q「この本はどうやって仕入れてるの?」
古い時代の本や入手困難な本などの場合、ほんとうに良く訊かれます。
わたしも、古本屋になる前は不思議に思ったものでした。
それでは、ちはや書房店主がお答えします!!
ちはや書房の場合、おもにこの3つが仕入れ方法です。
A ①お客さまからの買取(店頭持込や出張訪問買取)
②古書組合の交換市で仕入れる
③出版社・問屋から卸(または委託)仕入れ(新刊など)
お客さまからの買い取りだけでは、欲しくない本の方が多かったりするので
自分の店のコンセプトに合った本を集めるのには大変苦労します。
そこで②古書交換市が重要になるのです。
「古書交換市」は、自分の店にいらない本を売って、欲しい本を買う、古本業者の市。
ここで自分の店に並べたい古書をセレクトして仕入れるのです。
ちょうど8月1日に
「全沖縄古書籍商組合」の交換会があったので、レポートします。
古本屋さんバーチャル体験気分で読んでみてくださいね。
今回の「全沖縄古書籍商組合」交換会は
北中城の「あやかりの杜」研修室を会場に開催されました。
開場と同時にすばやくテーブルをセッティング。
それぞれ本日の出品物(売りたい本)を並べます。
本が売れるように祈りながら、目立つように陳列し、入札用の封筒も並べます。
古書組合の交換市は、「入札」制です。
欲しい本の封筒に、自分がどのくらいの値段で仕入れたいのか、金額を記入します。
この入札金額が高かった人が、欲しい本を持って帰れるわけです。
いくらで売るかを考えて、シビアに入札しないと、損をすることだってあります。
封筒に「トメ1000円」とあれば、1000円が最低価格。1000円以上の金額で競ることになります。
トメ金額を公開せずに封筒に「トメ札」を入れておく方法もあります。いくらで落とせるか、入札者の力量が試されます。
(ほかに「ガイモノ」といって一口500円からの早い者勝ちセリもあります。
↓下の写真の封筒だけあるトコロ、すでに売り切れ。出品作業が遅いと出遅れます。トホホ・・)
出品者は出品物を並べながらも
他の人の出品に気をつけたり(ガイモノないか、同じものがいくらの値段ででているかなど)、
買いそうなお店に声かけたりと、地下工作も同時進行。
封筒が並んだら、入札もすでに始まっています。
わいわいがやがや愉しくやってるけど、眼は真剣に本を値踏み。必死に損得勘定してます。
今回のちはや書房出品物↓
「この本、店で売りたかったけど、先月売上キビシかったからなぁ、現金欲しいし。」
なんて時にも、仕入れとして妥当な値段であれば、すぐ売れるので業者市は助かります。
いい本はやっぱりいい値段で入札が入ります。
入札に疲れて、外の廊下で一休み。
ここでの情報収集(・・雑談です)も交換市の楽しみの一つ。
個性派揃いの古書業界。お茶のコップもいろいろ。バラバラ。
さあ、そろそろ「開札」ですよー!
「開札」は封筒を開けて中の札を公開すること。
→値段の高い札をいれたお店が「落札」となります。
ギリギリまで脳内での攻防が続きます。
さあ、開札だ!!
組合長(榕樹書林社長)が開札していきます。
「○○書店、2370円で落札~!」
「わー負けた」「そんなになるの?」「強気だねー」
「これは6千円で売れるんですよ」
入札した人はドキドキ!にぎやかでたのしい開札風景。
今回はツボヤ書房さんの大出品大会になって大盛り上がりでした。
開札終了後、最後に残った本も、1束1000円からの特別入札大会!
群がる古本屋店主たち。吟味。長考。心理戦。
最後の最後まで気が抜けません。
古本屋になって、はじめてわかったのですが
同業者同士の仲の良いことと言ったら!
これは古本屋業界はどこでもそうなのかな?
それとも沖縄だからかな?
同年代でひやかしあったり、先輩の昔話を聞いたりが、ほんとに愉しい。
みんなで合宿とかしたいなー。
市会終了後は、会計係(ちはや店主)と書記係(ガラクタ店主)が精算を。
計算苦手なんス。いつも遅くてスミマセン。
精算が終わると、それぞれ自分のお店に帰って
仕入れ商品に値段をつけて店頭へ並べます。
昨日あっちの町の古本屋さんにあった本が、きょうはこっちの町の古本屋さんに並ぶわけです。
思いがけない本が、あなたのご近所古本屋さんに入荷しているかもしれませんヨ。
下記の古本屋さんは今回の市会参加店。
新入荷があるので、是非お店にあそびにいこう!
<全沖縄古書組合員>
・榕樹書林 宜野湾市
・BOOKSじのん 宜野湾市
・コザすばる書房 沖縄市
・西原書店 ネット専門
・古書さりい ネット専門
・文華堂書店 ネット専門
・成美堂 那覇市(骨董店)
・ツボヤ書房 那覇市
・ガラクタ文庫 那覇市
・ふくら舎 那覇市
・ちはや書房 那覇市
<組合員以外>
・とくふく堂 那覇市
・言事堂 那覇市
・ぼんぼれな書庵 那覇市
それでは今回のちはや書房入荷をご紹介。
沖縄本を重点的に仕入れました。
水木しげるも珍しく出た!即入札でめでたく落札!
次の組合市会は10月!
いい本出品できるように仕入れも頑張ろうっと!!
<第6回のまとめ>
①街の古本屋さんには、業者同士の交換市がある。
②たくさん売るつもりがたくさん買ってしまう
③全沖縄古書籍商組合員も組合員以外も仲がいい
http://www.okinawakosho.com/
来週から、またまたオモシロ古本屋さん探訪です!
◎「セレクト古書 ちはや書房」
沖縄県那覇市若狭3-2-29
098-868-0839
営業時間10:00~20:00(月曜定休)